マンション管理士

管理計画認定は取得できる? 申請前に確認したい16項目をマンション管理士が解説

「管理計画認定を取りたい。でも、うちのマンションは本当に基準を満たしているのだろうか」。制度について調べ始めた理事長や理事にとって、一番知りたいのは制度の歴史や細かな仕組みよりも、自分たちのマンションが申請できる状態にあるのかという点ではないでしょうか。

管理規約はあります。総会も毎年開催しています。長期修繕計画も作成しています。それでも認定基準に沿って一つずつ確認すると、「この条文で足りるのか」「この議事録を提出資料として使えるのか」「修繕積立金は基準を満たしているのか」と判断に迷う場面が出てきます。

そこで、最初から認定できるかどうかを感覚で決めるのではなく、順番に現在地を確認します。

最初に見るのは申請予定日です。次にマンション所在地を確認し、そのうえで現行の16項目を○△×で診断します。

本記事で扱う16項目は、現行基準を前提とした自己チェックです。地方公共団体への申請日が2027年4月1日以降となる場合には、見直し後の認定基準が適用されるため、申請予定時期によって確認内容が変わります。

この記事では、16項目を確認するだけで終わりません。

○なら何を根拠として残しておけばよいのか、△なら誰へ何を確認すればよいのか、×ならどこを改善すれば申請へ近づけるのかまで整理します。

なお、本記事の「管理計画認定取得可能性診断」は正式な認定審査や事前確認ではありません。この診断で認定取得を保証するものではなく、○は「現時点で基準に適合する可能性があります」、△は「資料や専門家による確認が必要です」、×は「現状では確認や改善が必要な可能性があります」という意味で使用します。

TABLE OF CONTENTS
目次

管理計画認定を取得できるか最初に申請予定日と所在地を確認

16項目を開く前に、二つだけ確認しておきたいことがあります。

申請予定日とマンションの所在地です。

ここを後回しにすると、せっかく16項目を確認しても、申請直前になって別の基準を確認し直すことがあります。

「まずチェックリストを全部埋めよう」と急ぎたくなるところですが、入口を間違えないことが結果的には最短になります。

申請予定日で確認する基準が変わる

2026年8月時点では、現行の管理計画認定基準が運用されています。

一方、2027年4月1日から管理計画認定制度の基準が見直されます。

そのため、現在準備を始めるマンションでは「いつ認定を取りたいか」だけではなく、「地方公共団体へいつ正式に申請できそうか」を先に考えたほうが実務的です。

たとえば2026年秋に理事会で検討を始めても、管理規約の改正や長期修繕計画の見直しが必要になれば、総会開催まで数か月かかる可能性があります。

さらに、マンション管理センターの簡易チェックリストでは、同センターの管理計画認定手続支援サービスを利用する場合、申込手続を始めてから地方公共団体への認定申請に至るまで3か月程度かかる可能性があると案内されています。

「まだ半年あるから大丈夫」と思っているうちに、申請日が2027年4月1日以降へずれ込むこともあり得ます。

だからこそ、この記事では申請予定日を診断の一番最初に置きます。

なお、2027年4月1日前に正式な申請を行い、同日時点でまだ処分されていない申請には経過措置があります。詳しくは後半で確認しますが、現時点では「申請日によって見る基準が変わる」と覚えておけば十分です。

所在地の自治体で制度を利用できるか確認する

次に、対象マンションの所在地を確認します。

管理計画認定制度は、マンション管理適正化推進計画を策定している地方公共団体の区域で利用できます。

市や特別区ではその市や区が認定主体となり、市以外の町村部では原則として都道府県が認定主体です。

さらに、地方公共団体によっては国の認定基準とは別に独自基準を定めている場合があります。

ここは見落としたくありません。

国の16項目がすべて○でも、所在地自治体の独自基準について別の確認が必要になる可能性があるからです。

また、マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスにおけるマンション管理士の事前確認は、国の認定基準を対象とするもので、地方公共団体独自基準は対象外です。

したがって、診断の入口では次の順番で確認します。

申請予定日を確認する 所在地で制度が実施されているか確認する 自治体独自基準の有無を確認する 現行16項目または改正後基準の確認へ進む

この順番が分かれば、「何から調べればいいのか分からない」という状態から抜け出しやすくなります。

管理計画認定の16項目を○△×で自己診断

ここから現行の16項目を確認します。

診断するときに大切なのは、○をたくさん付けることではありません。

何を根拠に○としたのか、なぜ△なのか、×なら何を変える必要があるのかを見えるようにすることです。

○△×の判断ルール

判定 意味 次に行うこと
現時点で基準に適合する可能性があります 根拠となる資料を整理して保管します
資料確認や専門判断が必要です 不足資料や確認先を特定します
× 現状では確認や改善が必要な可能性があります 改善内容と必要な手続を整理します

ここで一つだけルールを決めておきます。

○は「認定確定」ではなく、×は「不合格確定」でもありません。

この原則はここで一度確認すれば十分です。

以降は各項目について、基準、見る資料、判断ポイント、△や×の場合の確認先に絞って見ていきます。

管理計画認定16項目診断表

No. 分類 チェック項目 主な確認資料 主な確認先
1 管理組合の運営 管理者等が定められているか 総会議事録 管理規約 理事会
2 管理組合の運営 監事が選任されているか 総会議事録 管理規約 理事会
3 管理組合の運営 総会が年1回以上開催されているか 総会議事録 理事会
4 管理規約 管理規約が作成されているか 現行管理規約 理事会
5 管理規約 専有部分への立入りと修繕履歴情報の管理等が定められているか 管理規約 マンション管理士
6 管理規約 財務と管理情報の提供について定められているか 管理規約 マンション管理士
7 管理組合の経理 管理費と修繕積立金等が区分経理されているか 貸借対照表 収支計算書 管理会社
8 管理組合の経理 修繕積立金会計から他会計へ充当していないか 貸借対照表 収支計算書 管理会社
9 管理組合の経理 3か月以上の修繕積立金滞納額が全体の1割以内か 滞納資料 決算資料 管理会社
10 長期修繕計画 標準様式に準拠し計画内容と修繕積立金額が総会決議されているか 長期修繕計画 総会議事録 管理会社 マンション管理士
11 長期修繕計画 作成または見直しが7年以内か 長期修繕計画 総会議事録 理事会 管理会社
12 長期修繕計画 計画期間30年以上で残存期間内に大規模修繕工事が2回以上あるか 長期修繕計画 マンション管理士
13 長期修繕計画 将来の一時的な修繕積立金徴収を予定していないか 長期修繕計画 マンション管理士
14 長期修繕計画 修繕積立金の平均額が著しく低額ではないか 長期修繕計画 修繕積立金資料 マンション管理士
15 長期修繕計画 計画期間最終年度に借入金残高がないか 長期修繕計画 返済予定表 管理会社 マンション管理士
16 名簿 組合員名簿と居住者名簿を備え年1回以上確認しているか 名簿管理資料 表明保証書等 理事会 管理会社

この表を一度埋めると、管理計画認定が「難しい制度」という一つの大きな塊ではなくなります。

たとえば○が11項目、△が4項目、×が1項目だったとします。

その場合に考えるべきなのは「16分の11しか取れなかった」ではありません。

確認すべき仕事は5項目まで絞れた、と考えます。

ここからが診断の本当の意味です。

管理組合の運営3項目を診断する

管理組合の運営では、管理者等、監事、総会開催の3項目を確認します。

普段の管理が適切に行われているマンションでも、認定申請では「実際に運営していること」と「それを資料で確認できること」の両方が重要になります。

この章では特に総会議事録を確認してください。

管理者等が定められているか

現行基準では、管理者等が定められていることが求められます。

一般的な理事会方式のマンションでは、理事長や代表理事などが該当することが多いでしょう。

まず総会議事録を確認し、管理者等が選任されている事実を確認します。

そして、ここで終わらせません。

マンション管理センターの簡易チェックリストでは、議事録の署名欄について、議長と出席区分所有者2名の署名または電子署名があるかなど、議事録としての有効性も確認する手順が示されています。

「理事長が誰なのかは全員知っている」という状態と、「提出する議事録で選任を確認できる」という状態は別です。

申請準備では後者まで整えます。

また、管理規約に管理者等について特別な定めがある場合には、その定めに基づいて適切に選任されているかも確認してください。

管理者等の氏名は確認できるものの、選任議事録が見つからない場合や、規約と選任方法が一致しているか判断できない場合は△として整理します。

監事が選任されているか

監事についても、総会議事録から選任の事実を確認します。

役員名簿に名前が書かれているだけではなく、どの総会で選任されたのかをたどれる状態が望ましいでしょう。

この項目でも、提出する総会議事録について必要な署名等が整っているかを確認します。

さらに、管理規約に監事に関する特別な定めがあれば、その定めに基づく選任であるかを見ます。

簡易チェックリストでは、管理規約に監事の職務に関する記載があることも確認する手順になっています。

管理組合法人の場合には、監事が理事または管理組合法人の使用人と兼ねていないことも確認対象になります。

監事そのものは選任されていても、規約上の位置付けや議事録の形式に確認事項が残ることがあります。

その場合は問題を一括りにせず、「選任実態」「規約」「議事録」のどこに確認が必要なのかを分けてください。

総会が年1回以上開催されているか

現行基準では、総会が年1回以上開催されていることが求められます。

マンション管理センターの簡易チェックリストでは、総会開催日が認定申請日の直近1年以内となっているかを確認します。

さらに、開催日だけではなく議事録の有効性も確認します。

議長と出席区分所有者2名の署名または電子署名があるかなどを見て、提出資料として使える状態かを確認してください。

この確認を申請直前まで残すと、総会自体は毎年開催していたのに、議事録の形式で手が止まる可能性があります。

そこで、認定を検討し始めた段階で過去数年分の総会議事録を年度順に並べることをおすすめします。

すると、管理者等と監事の選任だけでなく、後で確認する長期修繕計画や修繕積立金額の決議まで一緒にたどれるようになります。

管理組合運営の3項目で行う小さな実践は、議事録を一つの場所へ集めて中身まで確認することです。

管理規約3項目を診断する

管理規約では、規約が存在するだけではなく、認定基準で必要とされる内容が盛り込まれているかを確認します。

築年数の長いマンションでは、何度も規約を部分改正していることがあります。

「規約はある」と思って取り出したところ、改正前の条文だった。こうしたことも起こり得ます。

まず現在のルールを確定させ、その後に内容を確認します。

現在有効な管理規約が作成されているか

最初に、現在有効な管理規約を用意します。

過去に規約を改正している場合は、改正内容が反映された現行規約になっているかを確認してください。

原始規約、新旧対照表、総会議案書が別々に保管され、現在有効な全文をすぐに示せない状態なら、最初に規約を整理します。

ここで必要なのは、認定取得のために慌てて新しい条文を書くことではありません。

まず「現在の管理規約はこれです」と確定できる状態を作ります。

それだけで、残る2項目を確認しやすくなります。

専有部分への立入りと修繕履歴情報が定められているか

現行基準では、災害等の緊急時や管理上必要な場面における専有部分への立入りと、修繕等の履歴情報の管理などについて管理規約に定められていることが求められます。

マンション管理センターの簡易チェックリストでは、標準管理規約第23条に相当する立入り規定と、第32条第6号に相当する修繕履歴情報の管理規定を確認します。

自分たちの管理規約で条番号が異なることはあります。

そのため、「第23条という番号がないから×」と判断するものではありません。

必要な内容が実質的に含まれているかを確認します。

ここは理事会だけでは判断しにくいことがあります。

似た条文はあるものの認定基準を満たすか分からない場合は△とし、マンション管理士へ文言の確認を依頼するほうが効率的です。

財務と管理情報の提供について定められているか

現行基準では、管理組合の財務や管理に関する情報について、書面の交付または電磁的方法による提供に関する規定が求められます。

簡易チェックリストでは、標準管理規約第64条第3項に相当する内容があるかを確認します。

日常の理事会では話題になりにくい条文なので、規約を長期間見直していないマンションでは確認が必要になることがあります。

この項目も、似た表現があるだけで自己判断せず、必要な内容が含まれているかを見ます。

不足している場合には規約改正を検討することになります。

規約改正には総会手続が必要になるため、△が付いた時点で早めに確認する価値が高い項目です。

管理組合の経理3項目を診断する

会計の確認に入ると、「ここからは管理会社に聞かないと分からない」と感じる理事も多いでしょう。

それで構いません。

この3項目は、理事が仕訳をすべて理解することより、どの資料のどの数字を確認すればよいかを知ることが重要です。

管理会社へ質問するときも、確認したい数字が明確なら話が早くなります。

管理費と修繕積立金等が区分経理されているか

管理費と修繕積立金等について、明確に区分して経理されていることが求められます。

確認する中心資料は、総会で決議された貸借対照表と収支計算書です。

管理費会計と修繕積立金等会計が明確に区分されているかを確認します。

ここは管理会社へ「管理計画認定の区分経理基準を確認したい」と伝え、該当箇所を説明してもらうと進めやすくなります。

回答だけを聞くのではなく、実際の決算書のどこで確認できるのかも見ておきましょう。

それが○の根拠資料になります。

修繕積立金会計から他会計へ充当していないか

修繕積立金会計から他の会計への充当が行われていないことも基準です。

過去に管理費会計が不足し、修繕積立金会計から一時的に資金を移したことがある場合には確認が必要になります。

マンション管理センターの簡易チェックリストでは、長期修繕計画上必要な額を超えて修繕積立金が積み上がっていた場合でも、他会計への充当や区分所有者への払い戻しを行っている場合には基準へ適合しないとされています。

決算書に会計間の資金移動があれば、その名称だけで判断せず、何のための処理だったのかを管理会社へ確認してください。

過去の処理が分からない場合は△です。

確認した結果、基準との関係で改善が必要なら×として対応を整理します。

3か月以上の修繕積立金滞納額が1割以内か

現行基準では、直前の事業年度終了日時点における3か月以上の修繕積立金滞納額が、全体の1割以内であることが求められます。

ここで確認するのは滞納者の人数ではありません。

金額です。

計算の考え方は、3か月以上の修繕積立金滞納総額を、その年度に徴収すべき修繕積立金総額で割って確認します。

3か月以上の修繕積立金滞納総額 ÷ 直前事業年度に徴収すべき修繕積立金総額 × 100

この結果が10%以内であれば、この基準については適合可能性があります。

10%を超える場合には、申請前に滞納状況と対応を確認する必要があります。

「滞納があるから難しいかもしれない」という感覚ではなく、まず金額を出すことが重要です。

長期修繕計画と修繕積立金6項目を診断する

16項目の中で、最も自己判断が難しくなりやすいのが長期修繕計画と修繕積立金です。

計画書が存在することと、認定基準を満たしていることは同じではありません。

作成時期、計画期間、工事項目、修繕積立金、借入金などを一体として確認します。

ここで△が複数付く場合は、項目ごとに別々の修正を考えるより、長期修繕計画全体を専門家に確認してもらったほうが早いことがあります。

標準様式への準拠と総会決議を確認する

現行基準では、長期修繕計画が長期修繕計画標準様式に準拠して作成され、計画内容と、それに基づいて算定された修繕積立金額が総会で決議されている必要があります。

まず長期修繕計画と、その内容を決議した総会議事録をセットで確認してください。

総会議事録では、管理組合運営の項目と同様に、必要な署名または電子署名があるかも確認します。

計画書だけが整っていても、どの総会で承認したのか確認できなければ資料確認に時間がかかります。

また、簡易チェックリストでは長期修繕計画について、修繕工事の内容、概算費用、おおよその実施時期、修繕積立金の月当たり㎡単価、計画期間、残存期間における大規模修繕工事の回数、当初残高、計画期間全体の修繕積立金総額、専用使用料等からの繰入額、借入状況などを確認します。

さらに、計画期間に見込まれる推定修繕工事費累計額を、修繕積立金累計額が下回っていないかという整合性も確認する手順です。

「長期修繕計画がある」という一言だけでは○にできない理由がここにあります。

長期修繕計画の19工事項目を確認する

標準様式への準拠を確認するときには、推定修繕工事項目も見ます。

代表的な19項目は次のとおりです。

No. 推定修繕工事項目 No. 推定修繕工事項目
1 仮設工事 11 空調換気設備
2 屋根防水 12 電灯設備等
3 床防水 13 情報通信設備
4 外壁塗装等 14 消防用設備
5 鉄部塗装等 15 昇降機設備
6 建具・金物等 16 立体駐車場設備
7 共用内部 17 外構附属施設
8 給水設備 18 調査診断等費用
9 排水設備 19 長期修繕計画作成費用
10 ガス設備

ただし、19項目すべてについて実際の工事を予定しなければならないという意味ではありません。

エレベーターがなければ昇降機設備工事はありませんし、立体駐車場がなければ該当工事も発生しません。

また、修繕周期が長いため計画期間内には実施しない工事もあり得ます。

その場合には、設備が存在しないことや計画期間内に実施しない理由などを資料から確認できる状態にします。

「19個そろっているか」だけではなく、「記載されていない理由を説明できるか」を確認してください。

長期修繕計画の作成または見直しが7年以内か

現行基準では、長期修繕計画の作成または見直しが7年以内に行われている必要があります。

簡易チェックリストでは、長期修繕計画の内容と修繕積立金額を決議した総会議事録を確認し、その議決日が認定申請日以前7年以内となる見込みかを見ます。

さらに、計画開始日についても認定申請日以前7年以内となる見込みかを確認します。

ここでは現在の日付だけで判断しないことが重要です。

申請準備に時間がかかるからです。

見直しから6年10か月の時点で「7年以内だから○」と判断しても、正式申請まで3か月かかれば状況が変わる可能性があります。

申請予定日を入口にした理由がここでも効いてきます。

計画期間30年以上で大規模修繕工事が2回以上あるか

現行基準では、長期修繕計画の計画期間が30年以上で、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれるよう設定されている必要があります。

「計画全体に2回あるか」ではなく、申請時点から見た残りの期間も確認します。

たとえば計画作成時には大規模修繕工事が2回設定されていても、すでに1回実施していれば残存期間内では1回になっている可能性があります。

長期修繕計画を開き、申請予定日の位置から先に大規模修繕工事が何回残っているかを確認してください。

なお、現行基準では「計画期間が30年以上」であることと、「残存期間内に大規模修繕工事が2回以上」であることを確認します。

申請日から必ず30年以上残っていなければならないという意味ではありません。

ここを取り違えると、必要のない計画変更を考えてしまう可能性があります。

将来の一時的な修繕積立金徴収がないか

長期修繕計画において、将来の一時的な修繕積立金の徴収を予定していないことも基準です。

ここでは「一時金」という名称だけを探すのではありません。

マンション管理センターの簡易チェックリストでは、大規模修繕工事を行う事業年度とその前後各2事業年度における修繕積立金徴収総額の増額幅などを確認します。

したがって、段階増額積立方式だから自動的に×になるわけではなく、逆に「一時金」という名称を使っていないから○になるわけでもありません。

増額する時期や幅を含め、資金計画全体を見る必要があります。

この判断は専門性が高いため、増額計画を見ても自信を持って判断できない場合は△としてマンション管理士へ確認を依頼します。

修繕積立金の平均額が著しく低額ではないか

現行基準では、長期修繕計画の計画期間全体における修繕積立金総額から算定した平均額が著しく低額でないことが求められます。

現在の1戸当たり月額だけで判断するものではありません。

計画期間当初の修繕積立金残高、計画期間全体で集める修繕積立金総額、専用使用料等からの繰入額、総専有床面積、計画期間などを使って月当たり㎡単価を算定します。

機械式駐車場がある場合には、その修繕工事費に対応する加算も考慮します。

国土交通省の修繕積立金に関するガイドラインで示される目安の下限との関係を確認し、下回る場合には専門家による理由書を提出する仕組みがあります。

ここで大切なのは、「月額が安いから×」と感覚で判断しないことです。

計算結果と根拠資料を確認します。

計算自体が難しい場合や、理由書が必要になる可能性がある場合は専門家へ確認する項目です。

計画期間最終年度に借入金残高がないか

長期修繕計画の計画期間最終年度において、借入金残高がない計画になっている必要があります。

現在借入れがあるから×になるわけではありません。

最終年度までに返済が完了する資金計画になっているかを確認します。

長期修繕計画と金融機関等の返済予定表を並べ、返済完了時期が整合しているかを見てください。

数字が一致しない場合は管理会社へ確認し、借入条件と長期修繕計画のどちらを見直す必要があるのかを整理します。

長期修繕計画の6項目では、計画そのものと資金計画を別々に扱わないことが重要です。

一つを変えると他の数字も動く可能性があります。

組合員名簿と居住者名簿1項目を診断する

最後の1項目は、組合員名簿と居住者名簿です。

会計や長期修繕計画より簡単に見えますが、「名簿がある」という確認だけでは終わりません。

現行基準では、組合員名簿と居住者名簿を備え、1年に1回以上内容を確認していることが求められます。

簡易チェックリストでは、名簿を備え年1回以上更新していることを確認できる書類として、管理組合からの表明保証書等を用いる方法も示されています。

所有者情報は整理されていても、賃貸住戸の実際の居住者情報が更新されていないことがあります。

まず二つの名簿があるか確認し、次に年次確認の方法を見てください。

毎年確認票を配布しているのか、変更届が出たときだけ更新しているのか、その実施記録を残しているのかを整理します。

なお、名簿には個人情報が含まれます。

閲覧できる人の範囲について一律に「理事なら全員閲覧できる」「理事全員には共有しない」と決めるのではなく、利用目的、管理規約、細則、管理業務委託契約などに応じ、管理上必要な範囲でアクセスできる仕組みにします。

認定のために名簿を作るだけではなく、その後も安全に更新できる運用まで整えることが望ましいでしょう。

△と×が付いた項目は確認先と改善方法を整理する

16項目を確認したら、ここから先は説明を増やすのではなく、行動へ移します。

△と×を別々の大問題として考える必要はありません。

まず「なぜ判断できないのか」「なぜ基準を満たさない可能性があるのか」を一行で書き出してください。

それだけで確認先が見えてきます。

△と×でよく見つかる原因を整理する

申請準備で見つかりやすい状態と、その後の対応をまとめると次のようになります。

見つかった状態 診断 次に確認すること
理事長はいるが選任議事録が見つからない 過去の総会議事録を確認
総会議事録はあるが署名欄を確認していない 議事録の有効性を確認
最新の管理規約がどれか分からない 改正履歴を整理
必要な規約条文があるか判断できない マンション管理士へ確認
修繕積立金会計から資金移動の履歴がある △または× 決算書と処理内容を確認
3か月以上の滞納割合を計算していない 管理会社へ計算を依頼
長期修繕計画の見直し期限が近い 申請予定日まで含めて確認
残存期間の大規模修繕が1回しかない ×の可能性 長期修繕計画の見直しを検討
工事項目が一部見当たらない 設備不存在や除外理由を確認
大規模修繕直前に積立額が急増する 一時的徴収に当たるか確認
修繕積立金平均額が下限を下回る 理由書を含め専門家へ確認
名簿はあるが年次確認記録がない △または× 更新方法と証明資料を整理
国基準しか確認していない 自治体独自基準を確認

ここで重要なのは、△と×を同じ扱いにしないことです。

△は「調べれば○になる可能性がある状態」であり、×は「現状の管理や資料を変更する必要がある可能性が高い状態」です。

まず△を確認すると、本当に改善が必要な項目だけが残ります。

理事会で確認できるものを先に片付ける

管理者等や監事の選任、総会開催、現行規約の所在、名簿の確認状況などは、理事会で確認しやすい項目です。

まず手元にある資料から進めます。

ここを専門家へ丸ごと依頼する前に整理しておけば、その後の相談も具体的になります。

たとえば「認定を取れるか全部見てください」ではなく、「規約5番と6番、長期修繕計画12番から14番を判断してほしい」と伝えられます。

相談の焦点が明確になります。

管理会社には数字と資料を確認する

管理会社へ主に確認したいのは、会計資料、滞納額、長期修繕計画データ、借入金資料などです。

管理会社から「問題ありません」と回答をもらうだけで終わらせず、どの資料のどの数値で判断できるのかも確認してください。

理事会として根拠を残せるからです。

また、長期修繕計画を管理会社が作成していても、管理計画認定基準への適合判断そのものが委託業務に含まれているとは限りません。

計画作成と認定基準への適合判断は分けて考えます。

マンション管理士へ確認したい項目を絞る

マンション管理士へ確認したいのは、規約の実質的な適合性、長期修繕計画の標準様式への準拠、一時的徴収の判断、修繕積立金平均額などです。

「資料があるかどうか」ではなく「この内容で基準を満たしているか」を判断する項目が中心になります。

特に規約改正や長期修繕計画の見直しが必要になる可能性がある場合は、総会議案を完成させる前に相談するほうが手戻りを減らせます。

一度総会で承認した後に修正するより、議案段階で確認したほうが理事会も区分所有者も負担が少なく済みます。

総会決議が必要な改善はまとめて計画する

△や×の結果、管理規約の改正、長期修繕計画の見直し、修繕積立金額の変更などが必要になれば、総会決議を検討します。

ここで一つの項目ずつ別々に動かすと、総会準備が何度も必要になる場合があります。

そのため診断結果を一度一覧化し、次回総会でまとめて対応できるものがないか確認します。

たとえば規約改正と長期修繕計画の見直しが両方必要なら、専門家確認と区分所有者への説明を並行して進められる可能性があります。

診断の目的は問題を見つけることではなく、改善の順番を決めることです。

管理計画認定の診断後に行う申請前フロー

16項目の診断結果を実際の行動へ置き換えると、次の流れになります。

申請予定日を確認 所在地と自治体独自基準を確認 16項目を○△×で診断 △の不足資料と判断事項を確認 ×の改善方法を決める 必要に応じて管理規約や長期修繕計画等を改善 総会決議が必要な事項をまとめる 改善後に16項目を再診断 自治体独自基準を再確認 管理計画認定申請について総会で承認 選択した申請経路に応じて事前確認等へ進む 地方公共団体へ認定申請

この流れの中で、最も重要なのは「再診断」です。

一度改善しただけで申請へ進むのではなく、改善後の資料を使ってもう一度16項目を確認します。

すると、「規約は直したが総会議事録をまだ確認していなかった」といった抜けを発見しやすくなります。

簡易診断と正式な事前確認の違い

自己チェックや「管理計画認定取得可能性診断」と、正式な事前確認は目的が異なります。

ここを混同すると、「マンション管理士に見てもらったから認定される」と誤解する可能性があります。

簡易診断は、申請前の現在地確認と改善方針の整理です。

マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスにおける正式な事前確認は、事前確認講習を修了したマンション管理士が国の認定基準への適合状況を確認する手続になります。

比較項目 簡易診断 正式な事前確認
主な目的 現在地と改善項目の整理 国の認定基準への適合確認
実施時期 検討開始から申請準備段階 地方公共団体への申請前
○△×診断 行える 正式基準に基づき確認
改善方法の相談 主な目的になる 適合確認が中心
規約改正前の相談 行いやすい 原則として資料整備後
長期修繕計画の改善相談 行いやすい 完成した資料の確認が中心
実施主体 理事会 管理会社 任意の専門家等 支援サービスでは講習修了マンション管理士
自治体独自基準 別途確認できる 事前確認対象外
事前確認適合証 発行されない 適合時に発行される
認定取得の保証 しない 最終認定は地方公共団体が行う

マンション管理センターの支援サービスでは、事前確認を利用する複数の申請経路が用意されています。

一方、管理組合が地方公共団体へ直接申請し、同センターの事前確認を行わない経路もあります。

そのため「管理計画認定では必ずマンション管理士の事前確認が必要」と一律に考えるのではなく、申請先自治体が案内する方法を確認してください。

また、正式な事前確認を利用する場合でも地方公共団体独自基準は別途確認が必要です。

ここは診断時と正式申請前の二度確認しておくと安全です。

2027年4月以降に申請する場合の改正基準を確認

2027年4月1日から管理計画認定基準が見直されます。

2026年7月31日に関係する省令と告示が公布されており、地方公共団体への申請日が2027年4月1日以降となる場合には、見直し後の認定基準が適用されます。

したがって、本記事の16項目を使った診断結果がすべて○でも、申請日が2027年4月1日以降になる場合には改正後基準で再確認する必要があります。

管理者等と監事は選任と任期の確認が増える

改正後は、管理者等と監事が管理規約に基づいて選任されていることが求められます。

さらに、それぞれの在任期間が管理規約で定める任期を超えていないことも確認対象になります。

管理規約では、管理者等と監事の選任と解任に関する事項に加え、任期について2年を超えない範囲で定めていることが求められます。

現行制度では「管理者等が定められている」「監事が選任されている」という確認が中心ですが、改正後は規約と実際の運営がより細かく結び付けられます。

管理規約は複数の事項をまとめて点検する

改正後は管理規約の確認内容が拡充されます。

管理者等と監事の選任や解任、任期だけでなく、専有部分等への立入りと保存行為、修繕履歴情報の整理と管理、利益相反取引、区分所有者等による総会招集請求、総会で決議すべき事項、財務と管理に関する情報提供について基準との適合を確認します。

ここで避けたいのは、必要な条文を一つずつ継ぎ足すだけの対応です。

複数の条文が関係するため、一部だけを変えると管理規約全体の整合性が崩れる可能性があります。

2027年4月以降の申請を予定している場合は、規約全体を改正後基準と照合するほうがよいでしょう。

長期修繕計画は新規申請で原則5年以内の見直しになる

現行基準では、長期修繕計画の作成または見直しが7年以内であることを確認します。

改正後の通常の申請では、原則として申請日前5年以内に長期修繕計画が作成または見直されていることが求められます。

一方、認定更新の場合には同じ「申請日前5年以内」という整理だけではなく、従前の認定日から更新申請日までの間に作成または見直しが行われているかを確認する別の期間基準が設けられています。

そのため、「2027年4月以降はすべて一律に5年以内」と覚えてしまうと正確ではありません。

これから初めて認定を申請するマンションと、すでに認定を受けて更新するマンションでは確認方法が異なります。

現在、見直しから6年程度のマンションでは特に注意が必要です。

現行基準なら期間内でも、2027年4月1日以降の申請では改正後基準に適合しない可能性があります。

申請を急ぐかどうかだけではなく、そもそも計画自体を更新する時期に来ていないかという視点でも判断してください。

修繕積立金総額と修繕工事費総額の関係が明確になる

改正後は、計画期間全体における修繕積立金総額が、計画期間内に見込まれる修繕工事費総額を下回らないよう設定されていることが認定基準として明確に示されます。

なお、現行のマンション管理センター簡易チェックリストでも、長期修繕計画標準様式への準拠を確認する過程で、推定修繕工事費累計額と修繕積立金累計額の整合を確認する手順があります。

改正後は、この関係が認定基準としてより明確に位置付けられると考えると分かりやすいでしょう。

工事費だけ最新価格に修正し、積立計画が古いままになっていないかを確認する必要があります。

大規模修繕工事2回の起点が明確になる

改正後も計画期間30年以上という基本的な要件は維持されます。

一方、大規模修繕工事については、申請日から計画期間終了日までの間に2回以上含まれるよう設定されていることが明確に示されています。

現在の計画書を確認するときも、申請予定日から先に工事が何回あるかを見る習慣を付けておくと、改正後の確認にもつながります。

防災方針の作成と周知が必要になる

改正後は、良好な居住環境の維持と向上に関する基準として、防災に関する方針を記載した書類を作成し、区分所有者等へ周知していることが求められます。

方針には、防災訓練の実施方針、防災情報とその周知方法、防災物資等の備蓄方針、災害等の緊急時における活動体制を含めます。

これまで防災訓練や備蓄を実施しているマンションなら、その取組をゼロから作り直すというより、現在の活動を一つの方針として整理するところから始められるでしょう。

「何か新しい制度対応をしなければ」と考える前に、今すでに行っていることを書き出してみると不足部分を確認しやすくなります。

名簿は年1回以上の更新が明確になる

改正後は、区分所有者名簿と居住者名簿を作成して保管し、年1回以上更新することが管理組合運営の基準として確認されます。

現行制度でも名簿を備え、年1回以上内容を確認することが求められています。

したがって、現在の段階から毎年の更新時期と担当を決めておけば、改正後への対応にもつながります。

2027年4月1日前に申請した場合は経過措置を確認する

制度移行期では申請日が重要です。

地方公共団体への申請日が2027年4月1日以降となる場合には、見直し後の認定基準が適用されます。

一方、改正省令には経過措置があります。

2027年4月1日前に行われた認定申請、認定更新申請、変更認定申請について、施行時点でまだ処分されていない場合には、従前の基準によって審査される扱いが設けられています。

つまり、2027年3月31日までに正式な申請が行われていれば、審査結果が4月以降になったという理由だけで自動的に新基準へ切り替わるわけではありません。

ただし、新規認定、更新、変更では改正後基準や経過措置の確認方法が異なる部分があります。

制度移行期に該当する場合は、「準備を始めた日」ではなく正式な申請日と手続の種類を確認し、申請先自治体と最新の一次情報で扱いを確認してください。

管理計画認定取得可能性診断で次の一手を見える化する

マンション管理センターは、管理計画認定申請時の基準適合確認用簡易チェックリストを公開しています。

そのため、16項目そのものを確認するだけなら、公式チェックリストを使って管理組合自身で進めることもできます。

本記事でさらに整理したいのは、その後です。

「△が4個ありました」で終わるのではなく、その4項目について何の資料を確認し、誰へ聞き、何を改善すれば申請へ進めそうなのかまで整理します。

ここが分からないままだと、チェックリストを埋めても「それで次は何をすればいいのか」という疑問が残ります。

診断の役割は、○△×を付けることではありません。

結果を次の行動へ変えることです。

管理計画認定取得可能性診断で整理する内容

診断内容 診断後に整理すること
申請予定日 現行基準か改正後基準かを確認
所在地 制度実施状況と自治体独自基準を確認
16項目 ○△×で現在地を整理
根拠資料 ○の根拠を確認
議事録 内容と署名等の形式を確認
△項目 不足資料と確認先を特定
×項目 改善方法と必要手続を特定
役割分担 理事会 管理会社 マンション管理士に振り分け
総会準備 規約改正や計画変更等の議案を整理
正式申請 再診断後に申請経路を確認

ここまで整理すると、理事会で話す内容が変わります。

「認定を取れるでしょうか」という大きな問いから、「長期修繕計画の3項目を確認し、規約1項目を修正できれば次の総会で申請準備へ進めそうです」という具体的な話へ移ります。

診断の目的は判定そのものではありません。

次の一手が分かることです。

管理計画認定取得可能性診断のモデル事例

たとえば築24年で60戸のマンションが、管理計画認定を検討し始めたとします。

管理会社へ管理を委託し、大規模修繕工事も計画的に行ってきました。

理事会では「特に問題はないだろう」という感覚があります。

そこで申請予定日を確認すると、次回総会や資料準備を考えれば2027年4月1日以降になる可能性がありました。

最初から現行16項目だけを見るのではなく、改正後基準まで意識して準備する必要があると分かります。

続いて現行16項目を診断すると、管理組合の運営と経理は○が中心でした。

一方、管理規約では、専有部分への立入り規定は確認できたものの、修繕履歴情報の管理と財務情報の提供について理事会だけでは適合判断ができず△になりました。

総会議事録も確認します。

総会は毎年開催されていますが、古い年度について署名欄まで確認したことがありません。

そこで議事録を年度順に整理し、必要な形式が整っているかを確認しました。

長期修繕計画は前回見直しから6年が経過しています。

現行基準では7年以内ですが、申請予定日が2027年4月1日以降なら改正後基準を確認する必要があります。

ここで「現行基準に間に合わせるため急ごう」とだけ判断するのではなく、長期修繕計画そのものを更新する時期として妥当かを検討します。

名簿については組合員名簿と居住者名簿がありましたが、年次更新の方法が明確ではありません。

そこで毎年一定時期に登録内容を確認する運用へ変更します。

最初の問いは「認定を取れるか」でした。

診断後の問いは、「次回総会までに規約と長期修繕計画をどう整え、いつ申請するか」へ変わりました。

これが管理計画認定取得可能性診断の役割です。

漠然とした不安を、確認できる仕事へ変えていきます。

管理計画認定のよくある質問

16項目のうち1項目でも満たさなければ認定されませんか?

現行制度では、国が定める16項目すべてへの適合が求められます。

ただし、自己診断で×になったからといって、その状態が固定されるわけではありません。

規約改正や長期修繕計画の見直しなどで改善できる場合があります。

最初に×の理由を特定し、申請前に改善できるか確認してください。

長期修繕計画が古い場合はどうすればいいですか?

現行基準では、作成または見直しが7年以内であることを確認します。

申請予定日までに7年を超える可能性がある場合は、見直しを検討してください。

地方公共団体への申請日が2027年4月1日以降となる場合には改正後基準を確認する必要があり、通常の申請では原則として申請日前5年以内という基準になります。

なお、認定更新には別の期間基準があるため、更新申請の場合は改正後資料で該当部分を確認してください。

修繕積立金が不足していると認定を取れませんか?

現在の月額だけでは判断できません。

計画期間全体から算定した修繕積立金平均額や長期修繕計画との整合を確認します。

一定の下限を下回る場合には専門家による理由書を用いる仕組みもあるため、まず計算結果と計画内容を確認してください。

管理規約の変更が必要になることはありますか?

あります。

現行基準で必要な立入り規定、修繕履歴情報の管理、財務と管理情報の提供に関する内容が不足していれば、規約改正を検討する可能性があります。

2027年4月以降は管理規約の確認内容が拡充されるため、申請時期によっては改正後基準まで見据えた確認が必要です。

総会を毎年開催していれば議事録は問題ありませんか?

開催日だけではなく、提出する総会議事録の形式も確認してください。

マンション管理センターの簡易チェックリストでは、議長と出席区分所有者2名の署名または電子署名があるかなど、議事録の有効性を確認する手順が示されています。

申請準備の早い段階で過去の議事録を整理しておくと手戻りを減らせます。

マンション管理士への相談と正式な事前確認は何が違いますか?

相談や簡易診断は、現在地と改善内容を整理するために行います。

正式な事前確認は、マンション管理センターの支援サービスを利用する場合、事前確認講習を修了したマンション管理士が国の認定基準への適合状況を確認する手続です。

目的が違うため、総会前の改善相談と申請直前の事前確認は分けて考えます。

管理会社に任せるだけでも申請できますか?

管理会社から資料準備などの支援を受けることはできます。

一方、管理計画認定では管理組合として必要な意思決定を行う必要があります。

管理規約や長期修繕計画の変更が必要なら総会決議も関係するため、管理会社へ任せきりにせず、理事会が確認内容を把握しながら進めることが重要です。

自治体によって認定基準は違いますか?

国の共通基準に加え、地方公共団体が独自基準を定めている場合があります。

マンション管理センターのマンション管理士による事前確認では、地方公共団体独自基準は対象外です。

そのため所在地自治体の公式情報を別途確認してください。

2027年3月までに申請して審査が4月以降になった場合はどうなりますか?

2027年4月1日前に行われた認定申請等について、施行時点でまだ処分されていない場合には経過措置があります。

そのため、2027年3月31日までに正式に申請済みであれば、審査が4月以降になったことだけを理由に自動的に改正後基準へ切り替わるわけではありません。

個別の手続については申請先自治体と最新の一次情報を確認してください。

2027年4月から何が変わりますか?

管理者等と監事の選任や任期、管理規約の内容、長期修繕計画の見直し時期、修繕積立金と修繕工事費の関係、防災方針などが見直されます。

特に通常の申請では、長期修繕計画の作成または見直しについて原則として申請日前5年以内という基準になる点に注意してください。

地方公共団体への申請日が2027年4月1日以降となる場合は、現行16項目だけで判断せず改正後基準で確認します。

まとめ 管理計画認定は16項目の先にある次の行動まで確認する

管理計画認定を取得できそうか知りたいとき、最初に制度全体を勉強する必要はありません。

まず申請予定日を確認します。 次に所在地と自治体独自基準を調べ、そのうえで現行16項目を○△×で診断してください。 ○は根拠資料を残します。 △は不足資料や確認先を明確にし、×は改善方法と必要な手続を整理します。 そして、改善後にもう一度診断します。 これが申請前の基本的な流れです。

管理計画認定のチェックは、マンションの管理を採点するためだけのものではありません。

総会議事録を整理してみると、これまでの意思決定が見えてきます。長期修繕計画を読み直せば、将来必要になる工事と資金の関係が見えてくるでしょう。

「認定を取れるか」という問いから始めたとしても、確認を進めるうちに「これからどのように管理していくか」という話につながります。

まずは申請予定日を確認し、16項目診断表に○△×を付けてみてください。

分からない項目が見つかったなら、そこが次に確認する場所です。

参考資料

本記事は2026年8月時点で公表されている情報をもとに作成しています。実際に認定申請する際には、申請先の地方公共団体と以下の一次情報で最新の基準を確認してください。

国土交通省 マンション管理計画認定制度

現行の認定制度、2027年4月1日施行の改正、申請日の考え方、経過措置などを確認できます。

国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイト 管理計画認定制度

現行の管理計画認定制度について、16項目の認定基準や制度の概要を確認できます。

国土交通省 マンションの管理計画認定に関する事務ガイドライン

現行の認定基準について、具体的な考え方や必要書類を確認するための一次資料です。

マンション管理センター 管理計画認定申請時 基準適合確認用 簡易チェックリスト

現行16項目について、総会議事録の署名等、長期修繕計画の確認項目、修繕積立金の計算など、申請前の具体的なチェック方法を確認できます。

マンション管理センター 管理計画認定手続支援サービス

正式な事前確認、申請経路、事前確認適合証、地方公共団体独自基準の扱いを確認できます。

国土交通省 2027年4月1日以降の管理組合の管理者等が申請者となる場合の認定基準

2027年4月1日以降の管理組合運営、管理規約、長期修繕計画、防災方針、認定更新時の長期修繕計画の期間基準などを確認できます。

国土交通省 マンション関係法令

2027年4月1日に施行される改正省令や告示、制度移行に関する法令資料を確認できます。

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