AIでLPやWebサイトを作ったとき、最初に表示された画面を見て「ここまで簡単に形になるのか」と驚くことがあります。配色は整い、ボタンも配置され、余白やカードまで一定のルールでまとめられているため、以前なら長い時間をかけていた工程が一気に終わったように感じるかもしれません。
ところが、完成した画面をしばらく眺めていると、ふと手が止まることがあります。大きく崩れているわけではなく、むしろ十分にきれいなのに、「なぜかAIっぽい」「自分たちのサイトという感じがしない」という違和感だけが残るのです。
その違和感を解消しようとして、紫色を別の色へ変えたり、カードを減らしたりするだけでは、本質的な改善にならない場合があります。AIっぽさを感じさせる原因は特定の装飾そのものではなく、ブランド、情報、ユーザーに基づく理由を説明できない選択が、画面の中へ少しずつ残っていることにあるからです。
この記事では、AI生成Webデザインを20項目から確認し、自分の画面で優先して修正する3〜5項目を選べる状態を目指します。すべてを完璧に直すのではなく、「何となくAIっぽい」という曖昧な感覚を、「ここには理由がないから見直したい」という具体的な判断へ変えていきます。
AIっぽいUIとは何か
AI生成かどうかを判定する記事ではない
「AIっぽいUI」という言葉を聞くと、AIで作られたWebサイトを見破るための特徴を並べた記事を想像するかもしれません。
しかし、本記事の目的はAI生成か人間制作かを判定することではありません。ここでは、AI生成を含むWebデザインの中に、ブランドや情報の意味を十分に反映していない定型的な判断が残っていないかを確認するための言葉として「AIっぽいUI」を使います。
たとえば、紫色のグラデーションが使われているだけでAI生成だと判断することはできません。紫が長く使われてきたブランドカラーであり、商品や広告にも一貫して採用されているなら、それは理由のある選択です。
カードUIについても同じでしょう。比較したい情報を整理するためには有効ですが、機能紹介、導入事例、料金、利用手順まで同じカード構造へ押し込めてしまえば、情報の性質や重要度の違いが画面から見えにくくなります。
確認したいのは、「何を使っているか」だけではありません。画面を眺めながら「なぜ、この会社がこの色なのだろう」「なぜ、この内容まで同じ形で囲われているのだろう」と疑問が何度も浮かぶなら、生成時の無難な選択がまだ残っている可能性があります。
きれいなのに記憶へ残らない理由
AI生成UIの難しいところは、明らかに失敗した画面ばかりが出てくるわけではないことです。
むしろ最初は、かなり完成しているように見えます。余白には余裕があり、CTAも見つけやすく、見出しと本文も一定の規則で配置されているため、「これなら少し修正するだけで公開できそうだ」と安心することもあるでしょう。
その安心感は、AIを使う大きな利点でもあります。一方で、少し時間を置いてから画面を思い出そうとすると、そのサイト固有の特徴がほとんど浮かんでこない場合があります。誰のためのサービスだったのか、何が最も優れていたのか、なぜその配色だったのかが、記憶の中に残っていません。
生成AIへ「モダンで洗練されたSaaSサイト」のような抽象的な条件だけを渡した場合、成立しやすい一般的な構成が選ばれる可能性があります。しかし、それはAIが必ず平均的なデザインしか作れないという意味ではありません。
ブランドのルール、情報の優先順位、写真の扱い、使わない表現まで具体的に与えれば、生成結果の方向は変わります。
問題になりやすいのは、最初に生成された画面が十分に整っているため、人間側が「もう完成している」と感じ、そこから先の判断を止めてしまうことです。作業が速く進むこと自体は歓迎すべきことですが、速く完成したように見えるからこそ、「本当にこの形でよいのか」と考える工程が抜け落ちやすくなります。
AIっぽさを改善するとは、AIを使った痕跡を隠すことではありません。生成された画面へ、自分たちが選んだ理由を一つずつ戻していく作業です。
AIっぽいUIを判断する三つの分類
この記事では、20項目をすべて同じ強さで評価しません。
「AIっぽい」という言葉だけで一括りにしてしまうと、単なる好みと、本当に修正すべき品質上の問題を混同してしまうからです。
そこで、チェック項目を経験的な兆候、品質改善、品質要件という三つに分けます。
経験的な兆候とは、紫系グラデーションや均一なカード構成など、AI生成UIについて実務上指摘されることがある表現です。2026年に5つの生成UIツール、24のタスク、合計120のインターフェースを比較した研究では、同一課題に対する全体的な視覚表現やレイアウトに比較的狭い差が見られる一方、色の選択にはより大きなばらつきが報告されています。
ただし、この研究は対象ツールや実装条件が限定された一研究であり、AI生成UI全般の特徴を確定したものではありません。したがって、本記事でも紫やカードなどをAI生成を統計的に判別するための特徴としては扱わず、実務上のチェック観点としてのみ使用します。
品質改善は、AIで作ったかどうかにかかわらず、情報の伝わり方や使いやすさを高めるために見直す価値がある項目です。情報階層、アイコンの統一、コンテナ構造、コピーなどが当てはまります。
品質要件は、アクセシビリティのような客観的基準と直接関係する項目です。文字のコントラストやキーボードフォーカスなどは、「私はこのデザインが好きだから」という理由だけで判断できません。
この三分類を持っておけば、「角丸が多くて好みではない」という感想と、「この文字は背景と区別しにくく読めない」という問題を同じ強さで扱わずに済みます。AIっぽさを直す過程では、自分の好みを押し付けるのではなく、何が経験的な違和感で、何がUIとしての品質問題なのかを分けて考える必要があります。
AIっぽいUIを確認する20項目
ここからは、実際のLPやWebアプリを表示しながら確認していきます。
できれば編集画面ではなく、ユーザーが実際に見る状態で開いてください。そのうえで、一つ当てはまっただけで「悪いUI」と判断するのではなく、複数の違和感が同じ画面に集中していないかを見ていきます。
経験的な兆候が一つあるだけなら、意図的なデザインかもしれません。しかし、理由のない配色、均一なカード、抽象的なコピー、実在感の弱い素材が同時に重なっているなら、優先して見直す価値があります。
配色のチェック
1 理由のない紫系グラデーション
分類は経験的な兆候です。
AIっぽいWebデザインを語るとき、紫やインディゴ系のグラデーションが象徴的に挙げられることがあります。
ただし、紫そのものを避ける必要はありません。確認したいのは、「なぜ、このブランドで紫を使っているのか」を説明できるかです。
ロゴや商品パッケージで以前から紫を使用している企業なら、Webサイトでも継続することには十分な理由があります。反対に、「未来的にしてください」「AIサービスらしくしてください」と依頼した結果、背景からCTA、アイコン、カードの境界まで紫系になっているなら、生成時の選択がそのまま残っている可能性があります。
ここで「では紫をやめよう」と考えるだけでは、別の定番色へ移動するだけになるかもしれません。ブランド資料、実際の商品、写真、広告などを見直し、自分たちにとって意味のある色から再設計します。
色を変更することよりも、「なぜこの色なのか」を説明できる状態を作ることが先です。
2 ネオンカラーと発光表現の過剰使用
分類は経験的な兆候です。
黒に近い背景へ紫やシアンを配置し、カードやCTAの周囲へ光を加えると、短時間でテクノロジーらしい雰囲気を作れます。
最初に生成された画面を見たときには、「想像していたより格好いい」と感じることもあるでしょう。
ところが、ナビゲーション、CTA、カード、ステータス表示まで同じ強さで発光していると、ユーザーは何を最初に見ればよいのか判断しにくくなります。問題なのは演出そのものではなく、演出の優先順位がなくなっていることです。
発光表現がブランドの世界観に必要なら残して構いません。ただし、最も見てほしい場所へ絞り、その周辺を静かにすることで、同じ表現でも意味が生まれます。
個性を作るために演出の量を増やすのではなく、どこで演出するのかを決めることが重要です。
3 文字と背景のコントラスト不足
分類は品質要件です。
紫やネオンを避けようとして、ベージュ、オフホワイト、薄いグレーを中心にした落ち着いた画面へ変更することがあります。
雰囲気としては穏やかでも、背景と文字の明暗差まで小さくなると、これは好みではなく可読性の問題です。
WCAG 2.2の達成基準1.4.3(レベルAA)では、通常の文字について原則4.5対1以上、大きな文字については3対1以上のコントラストが求められています。大きな文字は18pt以上、または14pt以上の太字が基準となり、日本語を含むCJKフォントでは、それらに相当するサイズとして判断します。
| 文字 | コントラスト |
|---|---|
| 通常の文字 | 原則4.5対1以上 |
| 大きな文字 | 3対1以上 |
ただし、数値だけを満たせばよいわけではありません。実際の画面で数段落を読んだときに負担を感じないか、補足情報が背景へ溶け込んでいないか、リンクや操作要素を見つけやすいかまで確認します。
「柔らかい印象」と「普通に読める画面」は、どちらかを諦めるものではありません。
タイポグラフィのチェック
4 フォントを初期状態のまま使っている
分類は経験的な兆候です。
Inter、Geist、Roboto、Arial、system-uiなどは実用性の高いフォントであり、使用しただけでAIっぽくなるわけではありません。
ただし、見出し、本文、ボタン、数字まで何も検討せず同じ書体と似たウェイトで統一すると、ブランド固有の雰囲気が弱くなる可能性があります。
新しいフォントを探す前に、「このブランドは、どのような声で話したいのか」と考えてみます。専門家らしい落ち着きを出したいのか、親しみのある案内役として見せたいのか、それとも少し挑戦的な印象を残したいのかによって、適した文字の見え方は変わります。
フォントは空いている場所を埋める装飾ではありません。文字を読んだときに感じる温度や距離感まで含め、ブランドの声を視覚化するための要素です。
5 見出しと本文の階層不足
分類は品質改善です。
H1、H2、本文、補足情報が似たサイズとウェイトで並んでいると、ユーザーは文章の内容を理解する前に「どこから読めばよいのだろう」と迷うことがあります。
制作している側としては、書いた情報のすべてに意味があるため、どれも目立たせたくなるかもしれません。しかし、全部を同じ強さで見せれば、結果として主役が分からなくなります。
最重要の見出しには十分な強さを与え、本文は長く読める大きさと行間へ戻し、補足情報は一段弱くします。さらに、サイズだけでなくウェイト、文字色、周囲の余白まで使って違いを作ります。
少し離れた場所から画面を見ても、最初に見るべき場所が自然に分かるかを確認してください。情報階層は、きれいに見せるためだけではなく、ユーザーの視線を迷わせないためにあります。
6 意味のない装飾タイポグラフィ
分類は経験的な兆候です。
英語の大きな見出しの中で、一単語だけをセリフ体やイタリックへ変更すると、少ない手間でも雑誌的なアクセントを作れます。
意味上の強調やブランドルールとして使うなら、十分に成立する表現です。一方で、「何となく洗練されて見える」という理由だけで繰り返している場合、画面そのものより装飾のパターンが先に見えてくる可能性があります。
判断に迷ったら、その単語だけ書体を変えた理由を自分で説明してみます。説明できなければ、一度通常の書体へ戻して比較してください。
装飾を外したことで文章の意味が以前より強く感じられるなら、そのほうが目的に合っているでしょう。
カードと装飾のチェック
7 均一な3連カードの繰り返し
分類は経験的な兆候です。
三つ程度の情報を同じサイズのカードへ整理する方法は、比較しやすく、実務でも使われている一般的なUIパターンです。
問題になる可能性があるのは、情報の種類が変わっても、毎回同じ構成を使い続ける場合です。
たとえば、機能を比較したい場面ではカードが適していても、導入事例では写真や成果を大きく見せたほうが伝わる場合があります。利用手順なら、同じ高さのカードへ押し込むより、工程の流れが自然に伝わる構造のほうが理解しやすいでしょう。
制作側から見ると、同じ構造を使えば画面が整い、作業もしやすいため安心できます。しかし、その安心感によって情報の強弱まで消してしまうと、ページをスクロールしても景色がほとんど変わらず、何が重要なのか分からない画面になります。
カードを排除することが目的ではなく、情報の意味が違うなら見せ方も変えることが重要です。
8 意味のないカラーラインと装飾枠
分類は経験的な兆候です。
カードの左端へアクセントカラーの線を置いたり、外周をグラデーションで囲んだりすると、少ない変更で画面へメリハリを作れます。
警告、選択状態、重要情報など、色や線そのものが状態を伝えている場合には有効です。反対に、すべてのカードへ同じ線が付いているなら、その装飾はユーザーへ新しい情報をほとんど与えていない可能性があります。
「外すと寂しくなりそうだ」と感じる場合もあるでしょう。そんなときは一度削除し、見出し、余白、背景色だけで情報のまとまりを理解できるか確認します。
構造を装飾で支えるのではなく、構造そのものを成立させたうえで、必要な装飾だけを戻します。
9 深すぎるカードの入れ子
分類は品質改善です。
大きなカードの中へ別のカードを置き、その内側へタグやピル型の要素を追加すると、一見すると細かく整理されているように見えます。
ところが階層が深くなるほど、何と何が同じグループなのか分かりにくくなり、情報構造そのものが複雑になります。
制作途中で「この枠は、そもそも何を分けるために存在しているのだろう」と感じたら、見直すタイミングです。
背景や境界線を一度外し、余白と見出しだけでも情報のまとまりを表現できるかを確認します。囲うことは整理するための一つの手段ですが、囲いを増やすこと自体が整理ではありません。
情報階層とレイアウトのチェック
10 Heroが定型構成へ固定されている
分類は経験的な兆候です。
小さなバッジの下へ中央揃えの大きな見出しを置き、その下に説明文と二つのCTAを配置するHeroは、一般的で成立しやすい構成です。
そのため、使用しているだけで問題になるわけではありません。ただし、商品やブランドの特徴を問わず、毎回同じ構成を採用しているなら再検討する価値があります。
実際のプロダクト画面に強みがあるならUIそのものを大きく見せられますし、写真から世界観を感じてほしいブランドなら人物や商品を主役にできます。定量的な成果が強みなら、その数字を最初に提示する方法もあるでしょう。
Heroで考えるべきなのは、どのテンプレートを使うかではありません。ユーザーが最初の数秒で何を覚えるべきなのかを考え、その答えから構造を決めます。
11 内容に合わない01 02 03表現
分類は経験的な兆候です。
複数の情報へ番号を付けると、内容が整理されたように見えます。そのため、本来は順序のない特徴や機能まで、三つのステップとして表現してしまう場合があります。
しかし、ユーザーがどの順番でも利用できる内容なら、時系列であるかのように見せることで、本来の意味まで変わる可能性があります。
巨大な実績数字についても同じです。数字は視線を集めるからこそ、何を測定した数字なのか、どのような条件で算出されたのか、ユーザーにとってなぜ意味があるのかを確認します。
見栄えのよい形式へ情報を合わせるのではなく、情報の性質に合った形式を選びます。
12 情報量と余白の不一致
分類は品質改善です。
広い余白は、画面へ落ち着きや高級感を与えるために役立ちます。
ところが、情報がほとんどない状態で巨大な余白だけが続くと、ゆったりした画面ではなく、「まだ内容が入っていないように見える」と感じることがあります。
その空間が不安になると、背景へ図形を追加したり、意味のない装飾を入れたりして埋めたくなるかもしれません。
しかし、最初に確認したいのは装飾ではなく情報です。ユーザーが判断するために必要な説明、実績、写真、具体例などが不足していないかを見たうえで、情報同士の関係が伝わる余白へ整えます。
余白は単独の数値として決めるのではなく、何と何を近づけ、何と何を離したいのかという関係から設計します。
コピーと絵文字とアイコンのチェック
13 誰にでも使える抽象的なコピー
分類は品質改善です。
「Unlock Your Potential」「Built for Teams」「Get Started」「Learn More」といった表現は短く、画面へ収まりやすいため便利です。
一方で、企業名やサービス名を競合へ置き換えてもそのまま成立するなら、自社固有の価値を十分に表現できていない可能性があります。
特にCTAでは、押したあとに何が起こるのかを具体的に書きます。「14日間無料で試す」「料金プランを比較する」「導入事例を見る」「デモを予約する」のようにすれば、ユーザーは次の行動を想像しやすくなります。
制作している側としては、短くて格好いい言葉を置きたくなることがあります。それでも、迷っているユーザーに必要なのは、次へ進んだときに何が起きるのかを理解できる安心感かもしれません。
14 アイコンスタイルの混在
分類は品質改善です。
線画、塗りつぶし、3D、手描き風など、異なるルールのアイコンが同じ画面に混在すると、一つひとつは魅力的でも全体の統一感が弱くなる場合があります。
ユーザーが「このアイコンだけ線幅が違う」と具体的に指摘することは少ないでしょう。それでも、小さなズレがいくつも続けば、「何となく仕上がっていない」という印象につながります。
線幅、角の形、サイズ、塗りか線かといったルールを決め、同じ視覚言語を持つアイコンへそろえます。
目立たない修正ですが、こうした小さな統一が画面全体の完成度を支えます。
15 絵文字の過剰使用
分類は経験的な兆候です。
絵文字は、親しみやすさを作るために便利な表現です。カジュアルなサービスなら、ブランドとの相性がよい場合もあります。
一方で、ナビゲーション、見出し、カードタイトルなどへ大量に配置すると、文章の意味より装飾が先に目へ入る可能性があります。
特に専門性や信頼感を重視するサービスでは、「少し軽く見えすぎないだろうか」と感じることもあるでしょう。
判断に迷うなら、一度すべての絵文字を外して確認します。それでも内容が自然に伝わるのであれば、本当に必要な場所だけへ戻すことで、一つひとつの効果も強くなります。
写真と素材のチェック
16 実在感の弱いAI素材
分類は品質改善です。
光沢の強い3Dキャラクターや、照明が完璧に整った人物画像は、短時間で画面を華やかにできます。
しかし、実在する企業や商品の信頼を伝えたい場面では、「本当のものを見たい」と感じるユーザーもいます。
実際の商品、働いている人、店舗、オフィス、利用画面には、そのブランドにしか存在しない細かな情報があります。少し不均一な光や使い込まれた道具まで含めて、現実に存在していることを伝えてくれる場合があります。
もちろん、AI生成画像を使うこと自体が問題なのではありません。世界観を作るための素材と、企業や商品の実在を証明するための素材では役割が異なるため、目的に合わせて使い分けます。
17 写真とブランドトーンの不一致
分類は品質改善です。
サイト全体は落ち着いたダークトーンなのに、写真だけ白背景の明るいストック素材になっていると、写真が別のWebサイトから持ってきたように見えることがあります。
同じように、クラシックな文字組みの中へ近未来的な3D素材が突然登場すると、世界観が途中で切り替わったように感じられる場合があります。
写真にも、明るさ、色調、構図、被写体、トリミングなどの基準を持たせます。
「最もきれいな写真を探す」という考え方ではなく、「このブランドなら、どのような写真を撮るだろう」と考えることで、素材選びにも理由が生まれます。
UXと操作性のチェック
ここからは、AIらしく見えるかどうかより、WebサイトやWebアプリとして十分に使えるかを確認していきます。
スクリーンショットだけを見ていると気づきにくい部分ですが、実際に利用するユーザーの信頼へ大きく関わります。
18 意味のないアニメーション
分類は品質改善です。
点滅するLiveバッジ、スクロールで浮き上がるカード、マウスへ追従する光などを加えると、画面は短時間で華やかになります。
最初は「動いたほうが完成度が高く見える」と感じるかもしれません。しかし、複数の場所が同時に動いていると、ユーザーの注意を必要以上に奪い、本当に読んでほしい情報へ集中しにくくなる可能性があります。
アニメーションを残す前に、その動きが操作結果を知らせているのか、状態変化を理解しやすくしているのか、それとも情報同士の関係を示しているのかを考えます。
理由を説明できる動きは機能になりますが、説明できない場合は一度止めた状態と比較し、情報がむしろ伝わりやすくならないかを確認します。
19 エラー状態と例外状態の不足
分類は品質改善です。ただし、入力エラーの一部はアクセシビリティ上の品質要件にも関係します。
AIでWebアプリを生成すると、データが存在し、通信が成功し、入力内容も正しい理想的な状態では、とても整った画面ができることがあります。
そのため、見た瞬間には「もう完成した」と感じるかもしれません。
ところが実際に使ってみると、初回利用でデータが存在しない場合、読み込みに時間がかかった場合、通信に失敗した場合の画面が用意されていないことに気づきます。その瞬間、完成していたように見えたUIが、急に途中までしか作られていないように感じられます。
空状態、読み込み中、通信エラー、成功後の状態などは、そうした状態が発生する機能を持つWebサイトやWebアプリで確認します。フォームもデータ取得もなく、正常時以外の状態を想定する必要がない静的なLPへ、例外状態を無理に追加する必要はありません。
その中でも入力エラーについては、アクセシビリティ上の要件にも関係します。WCAG 2.2の達成基準3.3.1では、入力エラーが自動的に検出された場合、エラーとなった項目を特定し、その内容をテキストで利用者へ伝えることが求められています。
さらに、修正方法が分かる場合に適切な修正案を利用者へ示すことは、達成基準3.3.3でも扱われています。セキュリティやコンテンツの目的を損なわない範囲で、「エラーが起きました」とだけ表示するのではなく、何が間違っていて、可能な場合は次に何をすればよいのかまで理解できる状態を目指します。
正常に動いているときより、困ったときに丁寧に案内されることで、そのサービスを信頼できると感じることもあります。
20 キーボードフォーカスと操作要素の視認性
分類は品質要件です。
普段マウスだけで画面を操作していると、キーボード利用時の問題を見逃すことがあります。
Tabキーで画面内を移動したとき、現在どのボタンや入力欄へフォーカスしているか見えるでしょうか。
もし現在位置が分からないなら、それは単なるデザイン上の好みではありません。WCAG 2.2の達成基準2.4.7では、キーボード操作が可能なUIについて、フォーカスされた要素を視覚的に確認できることが求められています。
また、入力欄やボタンなどのUIコンポーネントを識別するために必要な視覚情報については、達成基準1.4.11のNon-text Contrastも関係します。
ここで重要なのは、すべてのボタンへ必ず境界線を付けることではありません。ユーザーが操作できる場所や現在の状態を、背景や周囲の要素から十分に区別できるようにすることです。
AI生成UIをプロ品質へ近づけるなら、完成した一枚の画像として眺めるだけではなく、実際に操作して初めて見える問題まで確認する必要があります。
最初に直すならこの5項目
20項目を確認したあと、「思っていた以上に当てはまっている」と感じると、全部を最初から作り直したくなるかもしれません。
ただし、文字コントラストやキーボードフォーカスなどの品質要件に問題がある場合は、AIっぽさの調整より先にそちらを修正します。そのうえで、見た目や伝わり方の変化を確認しやすい項目として、次の5つから自分の画面に強く当てはまるものを選びます。
一度に多くの要素を変更すると、どの判断が改善につながったのか分からなくなるため、最初は3〜5項目程度へ絞るほうが進めやすいでしょう。
情報階層を明確にする
最初に、その画面で一番見てほしいものを決めます。H1なのか、商品写真なのか、実際のプロダクト画面なのか、実績数字なのかはサービスによって違います。
主役を強くするだけではなく、周囲の要素を少し静かにすると、読み順が自然に生まれます。何かを足して目立たせるより、優先順位を決めることのほうが、画面を大きく改善する場合があります。
ブランドと関係のない配色を整理する
次に、理由を説明できない色を探します。
紫だから削除するのではなく、ブランドにも状態表示にも必要のない色を減らし、背景、本文、アクセント、成功、警告、エラーといった役割を決めておきます。
この基準が残っていれば、次にAIへ画面を作らせるときにも、場当たり的な色が増えにくくなります。
均一なカード構成を一箇所だけ変える
カードが何度も続いている場合でも、ページ全体を解体する必要はありません。
まず一つのセクションだけを選び、最重要情報を大きくしたり、実際の写真やプロダクト画面へ置き換えたりします。
「全部変えなければ」と考えるより、一箇所へ強弱を作ってBeforeとAfterを比較したほうが、何が効いたのかを判断しやすくなります。
抽象的なコピーとCTAを具体化する
コピーを直すときは、CTAだけを見る必要はありません。
誰にでも使える抽象的な見出しが残っていないかを確認し、自社の商品やユーザーだから成立する価値へ置き換えます。CTAについても、「Get Started」のような表現ではなく、「14日間無料で試す」「料金プランを見る」のように操作後の内容が想像できる言葉へ変更します。
デザインを大きく変えなくても、言葉が具体的になるだけで「サンプル画面」の印象が薄れることがあります。
必要な例外状態を確認する
最後に、フォーム、検索、ログイン、データ取得など、正常時以外の状態が発生する機能があるなら、その状態が設計されているかを確認します。
たとえば問い合わせフォームがあるなら入力エラー、データを読み込む画面なら読み込み中や通信エラー、ユーザーごとの情報を表示するなら空状態が必要になる場合があります。一方、該当する機能が存在しないLPへ「エラー画面を一つ作る」といった対応を無理に追加する必要はありません。
重要なのは例外状態の数を増やすことではなく、実際に起こり得る場面でユーザーが置き去りにならないことです。「この操作に失敗したら、ユーザーは次に何を見ればよいのだろう」と考えることで、デザインを見る視点も装飾から利用者へ移っていきます。
同一LPのBefore After
Beforeで感じる整っているのに残らない印象
ここでは、AIによって生成されたSaaS向けLPを想定します。
ファーストビューには新機能を知らせる小さなバッジがあり、その下には中央揃えの大きな英語見出しが置かれています。背景には紫からシアンへ変化するグラデーションがあり、その下へ二つのCTAが並んでいます。
機能紹介では、同じ大きさのカードが整然と配置され、それぞれに線画アイコンと短い説明文があります。余白にも余裕があるため、初めて見ると「これならそのまま公開してもよいかもしれない」と思えます。
ところが翌日に思い返してみると、何のサービスだったのかが少し曖昧です。
誰の問題を解決するのか、何が最大の強みなのか、なぜこの色なのかという情報が、画面から十分に残っていないためです。
Afterで理由のある選択へ変える
改善するときは、Beforeを全面的に壊す必要はありません。
まずブランドとの関係を説明できない配色を整理し、Heroのコピーを具体化します。たとえば「Unlock Your Team's Productivity」という抽象的なコピーに対し、実測データで効果を裏付けられる場合は、「チームのデータ分析時間を毎週10時間削減する」のような表現へ変更すると、誰にどのような価値を提供しているのかが見えやすくなります。
右側には装飾目的の3D素材ではなく、実際のプロダクト画面を配置し、機能紹介でもすべてを同じ大きさのカードとして扱わず、最も重要な機能を大きくします。CTAは「Get Started」から「14日間無料で試す」へ変えます。
さらに、このLPに問い合わせフォームや無料登録フォームがあるなら入力エラーやキーボードフォーカスまで確認します。反対に、そのような機能を持たないLPであれば、存在しない例外状態を作る必要はありません。
Afterで本当に変わったのは、紫が別の色になったことではありません。「なぜ、この色なのか」「なぜ、この機能が大きいのか」「なぜ、この言葉なのか」「なぜ、この状態を設計するのか」を以前より明確に説明できるようになったことが、本質的な違いです。
AIへ修正を依頼するときの考え方
おしゃれという指示だけでは迷走しやすい
AIっぽさが気になると、「もっとおしゃれにしてください」「もっとプロっぽくしてください」と伝えたくなります。
人間同士なら雰囲気を共有できる言葉ですが、AIへ渡す条件としては、何を残し、何を変更すればよいのかが十分に決まっていません。
そのため、紫系の画面からダーク背景とネオンへ変わるなど、別の定型表現へ移動する可能性があります。画面が大きく変われば最初は改善したように感じますが、少し眺めるうちに「これも何か違う」となり、また別の指示を出したくなることがあります。
何度直しても納得できない場合、AIの能力だけではなく、こちら側の判断基準がまだ曖昧なのかもしれません。
禁止事項と代替ルールを同時に伝える
AIへ修正を依頼するときは、使ってほしくない表現だけではなく、代わりにどの基準で判断してほしいのかまで伝えます。
このLPの情報構造を維持しながら、ブランド固有のVisual Identityが感じられるUIへ改善してください。
理由のない紫・インディゴ系グラデーションや過剰なネオン発光は追加せず、既存のブランドカラーを中心に配色してください。
H1 H2 本文 補足情報のタイポグラフィ階層を明確にし、すべてを同じサイズやウェイトで扱わないでください。
均一な3連カードを繰り返さず、情報の重要度と内容量に応じてレイアウトへ強弱を付けてください。
Heroは中央揃えを前提にせず、最重要の価値と実際のプロダクト画面が最初に伝わる構成を検討してください。
誰にでも使える抽象的な見出しや、Get Started、Learn MoreのようなCTAは避け、自社固有の価値や操作後の内容が分かる文言へ変更してください。
装飾目的の絵文字、意味のないカラーライン、過剰なカードの入れ子、不要な点滅アニメーションは追加しないでください。
フォーム、検索、ログイン、データ取得など、正常時以外の状態が発生する機能がある場合は、空状態、読み込み中、入力エラー、通信エラーなど、その機能に必要な状態も設計してください。
キーボードで操作できる要素には、現在のフォーカス位置を視認できる状態を設計してください。
修正後は、変更した箇所と変更理由を項目ごとに説明してください。
ここでも大切なのは、「エラー状態を必ず作る」といった項目数ベースの指示ではありません。実際に存在する機能とユーザーの操作から必要な状態を判断し、不要なものを増やさないようにします。
禁止事項だけを渡すと、AIは別の安全な表現を選ぶ可能性があります。「何をしないか」「何を基準にするか」「どの条件なら必要になるか」を伝えることで、生成結果を人間側でも評価しやすくなります。
制約の与え方で生成結果は変わる
同じLPでも、AIへ渡す条件によって結果の意味は変わります。
ほとんど制約を与えなければ、短時間で成立したUIを得やすい一方、ブランド固有の判断は弱くなる可能性があります。「もっと個性的に」とだけ伝えれば、派手な色やエフェクトが増えるかもしれませんが、違って見えることとブランドに適していることは同じではありません。
そこで、ブランドカラー、情報の優先順位、写真の扱い、コピー、禁止事項、必要なUX状態まで指定します。ただし、UX状態についても実際の機能から必要性を判断し、存在しない問題を作るために項目を増やす必要はありません。
AIが自由に決められる範囲は狭くなりますが、人間側には「この結果は決めた基準に沿っているか」という評価軸が残ります。一度で最高のデザインを引き当てることより、良し悪しを判断し、修正できる基準を持つことのほうが実務では重要です。
AIっぽさを繰り返さないための運用
AIへ修正を依頼するとき、気になるところが多いほど全部をまとめて変更したくなります。しかし、配色、Hero、文字、カード、CTA、写真を一度に変えると、どの判断が良い変化につながったのか分からなくなります。
最初はHeroやコピーなど一つの範囲へ絞り、BeforeとAfterを比較します。良くなった理由を言葉にできたら、その判断を次の修正へ持ち越します。
さらに、一度決めたブランドカラー、フォント、余白、角丸、CTA、写真の扱い、使わない表現などは文章として残してください。巨大なデザインシステムを最初から作る必要はなく、「何を使うか」「何を使わないか」「迷ったら何を優先するか」を再利用できれば十分です。
また、何度指示してもレイアウトがしっくりこない場合は、文章による修正だけに固執する必要もありません。どの情報を最も大きくするのか、写真をどこに置くのか、どのカードをなくすのかなど、自分の中で答えがある部分は人間が先に決め、その後の反復や展開をAIへ任せる方法もあります。
AIを使うことと、判断まで手放すことは同じではありません。
保存用 AIっぽいUI実用チェックシート
以下は、20項目を最終確認用にまとめたチェックシートです。経験的な兆候、品質改善、品質要件を分けながら、最初に修正する項目へ印を付けて使います。
| 確認 | チェック項目 | 分類 | 最初に試す修正 | 優先度 |
|---|---|---|---|---|
| □ | 理由のない紫系グラデーション | 経験的な兆候 | ブランドカラーから再設計する | 高 |
| □ | 過剰なネオンと発光 | 経験的な兆候 | 主役以外の発光を減らす | 中 |
| □ | 文字と背景のコントラスト不足 | 品質要件 | WCAG基準と実際の読みやすさを確認する | 高 |
| □ | フォントが初期状態のまま | 経験的な兆候 | ブランドの声から文字設計を見直す | 中 |
| □ | 見出しと本文の階層不足 | 品質改善 | サイズとウェイトと余白へ差を付ける | 高 |
| □ | 意味のない装飾タイポグラフィ | 経験的な兆候 | 一度外して必要性を比較する | 低 |
| □ | 均一な3連カードの繰り返し | 経験的な兆候 | 重要度に応じて大きさや形式を変える | 高 |
| □ | 意味のないカラーライン | 経験的な兆候 | 状態を示さない線を削除する | 中 |
| □ | 深すぎるカードの入れ子 | 品質改善 | 余白によるグルーピングへ変更する | 中 |
| □ | 定型的なHero構成 | 経験的な兆候 | 商品の最大の強みから再構成する | 高 |
| □ | 意味のない01 02 03表現 | 経験的な兆候 | 情報の性質に合った形式へ戻す | 中 |
| □ | 情報量と余白の不一致 | 品質改善 | 情報不足と余白の両方を見直す | 中 |
| □ | 誰にでも使える抽象的なコピー・CTA | 品質改善 | 自社固有の価値や操作後の内容が分かる表現へ変える | 高 |
| □ | アイコンスタイルの混在 | 品質改善 | アイコンファミリーを統一する | 中 |
| □ | 絵文字の過剰使用 | 経験的な兆候 | 一度外して必要なものだけ戻す | 低 |
| □ | 実在感の弱い素材 | 品質改善 | 実写や実際のUIを検討する | 中 |
| □ | 写真とブランドトーンの不一致 | 品質改善 | 素材選択のルールを作る | 中 |
| □ | 意味のないアニメーション | 品質改善 | 目的を説明できる動きだけ残す | 中 |
| □ | エラー状態や例外状態の不足 | 品質改善 | 該当する機能で必要な状態を確認する | 高 |
| □ | キーボードフォーカスと操作要素の視認性 | 品質要件 | フォーカスと必要な視覚情報を確認する | 高 |
この表ですべてにチェックを入れることが目的ではありません。
高優先度の中から、自分の画面に強く当てはまる項目を三つ選び、余裕があれば五つまで増やします。ただし、品質要件に該当する問題が見つかった場合は、見た目上のAIっぽさよりも先に修正対象として扱います。
また、19番のような項目は、その機能が存在する場合にだけ確認すれば十分です。チェックリストを埋めるために、必要のない機能や状態を追加する必要はありません。
変更前の画面を残したうえで一項目ずつ修正し、BeforeとAfterを比較してください。そのとき「どちらがおしゃれか」だけではなく、「修正後は、なぜこの形にしたのかを以前より説明できるようになったか」を確認します。
理由を言葉にできるようになるほど、自分の中にもデザインを判断する基準が残っていきます。
AIっぽいUIに関するFAQ
- AIっぽいWebデザインとはどんなデザインですか
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明確に統一された一つの定義があるわけではありません。
本記事では、一般的な配色、カード、レイアウト、コピーなどが、ブランドや情報の意味を十分に検討しないまま組み合わされ、理由のある判断が見えにくくなっているUIを指しています。
見た目が悪いという意味ではなく、むしろ整っているにもかかわらず固有性が弱く、記憶へ残りにくい状態として現れることがあります。
- 紫色のグラデーションを使うとAIっぽくなりますか
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紫色そのものがAIっぽいわけではありません。
本記事で参照した2026年の一研究でも、生成UI間の色の選択には比較的大きなばらつきが報告されています。そのため、紫色をAI生成の判別特徴として扱うのではなく、そのブランドで使う理由があるかを確認します。
- カードが多いUIはAI生成の特徴ですか
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カードは情報を整理しやすく、比較にも使いやすい一般的なUIパターンなので、カードが多いという事実だけでAI生成だと判断することはできません。
本記事で確認したいのは、カードそのものではなく、重要度や内容の異なる情報まで同じ大きさへそろえることで、情報階層が弱くなっていないかという点です。
カードを使う理由があり、情報の性質に合っているなら、そのまま使って問題ありません。
- LPにも空状態や通信エラーを設計する必要がありますか
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すべてのLPに必要なわけではありません。
問い合わせフォーム、検索、ログイン、データ取得など、正常時以外の状態が実際に発生する機能を持つ場合に、その状態を確認します。静的なLPで該当する機能がなければ、存在しない例外状態を無理に追加する必要はありません。
重要なのはチェック項目を満たすことではなく、実際のユーザーが遭遇する状況を設計できているかどうかです。
- AIへどんなプロンプトを渡せば改善できますか
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「もっとおしゃれに」と伝えるだけではなく、禁止事項と代替ルールをセットで指定します。
「紫を禁止する」で終わるのではなく、「アクセントカラーには既存のブランドカラーを使う」と伝えるように、何を避け、代わりに何を判断基準とするのかまで明確にします。
例外状態についても、すべてを機械的に追加させるのではなく、フォームや非同期処理など該当する機能がある場合に必要な状態を設計するよう伝えます。
- デザインシステムは初心者でも必要ですか
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最初から大規模なデザインシステムを作る必要はありません。
色、フォント、余白、角丸、CTA、写真などの基本ルールを決めるだけでも、生成結果のブレを抑える基準として機能します。
- AIにすべてデザインさせたほうが速いですか
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最初の画面を作るだけなら、速い場合があります。
一方で、ブランドらしさや情報の優先順位まで毎回AIへ判断させると修正が増える可能性があります。人間が判断しやすい部分は先に決め、その基準に沿った反復や展開をAIへ任せる方法も有効です。
- AI生成サイトでもプロ品質にできますか
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可能です。
ただし、最初に生成された画面をそのまま完成品として扱わず、ブランド、情報階層、コピー、素材、レスポンシブ表示、実際に発生する例外状態、アクセシビリティまで確認します。
最終的な品質を決めるのは、AIを使ったかどうかよりも、生成後にどこまで理由のある判断へ置き換えられたかではないでしょうか。
まとめ
AIっぽいUIを改善するために、紫色やカードを機械的に排除する必要はありません。
本記事で参照した2026年の研究では、5つの生成UIツールを対象とした比較で、同一課題に対する視覚表現やレイアウトに比較的狭い差が見られる一方、色の選択にはより大きなばらつきが報告されています。ただし、これは対象ツールや実装条件が限定された一研究であり、AI生成UI一般を判別する基準ではありません。
だからこそ、見るべきなのは「AIが使いそうな色や形」ではなく、目の前の画面にある選択へ理由があるかどうかです。
経験的な兆候、品質改善、品質要件を分けたうえで、まず品質要件に問題がないかを確認し、その後に20項目の中から自分の画面へ強く当てはまる3〜5項目を選びます。さらに、例外状態のように機能によって必要性が変わる項目については、「チェックリストにあるから追加する」のではなく、実際の操作やユーザーの状況から必要かどうかを判断します。
「なぜかAIっぽい」という曖昧な違和感が、「この色にはブランド上の理由がない」「このカード構成では情報の強弱が見えない」「このコピーでは自社の価値が伝わらない」と具体的な言葉へ変わったとき、改善はすでに始まっています。
AIを使った事実を隠すことが目的ではありません。生成された画面へ自分たちが考えた理由を一つずつ戻し、その判断を次の制作にも残していくことが、AI生成Webデザインをプロ品質へ近づけるための基本です。
参考資料
Web Content Accessibility Guidelines WCAG 2.2
Webアクセシビリティに関するW3Cの勧告です。コントラスト、入力エラー、キーボード操作など、デザイン上の好みではなく品質として確認すべき部分の基準を参照できます。
Understanding Success Criterion 1.4.3 Contrast Minimum
通常の文字と大きな文字のコントラスト基準、large-scale textの考え方を確認できる公式解説です。
Understanding Success Criterion 3.3.1 Error Identification
自動的に検出された入力エラーについて、エラー箇所の特定と内容の説明を確認できるW3C公式資料です。
Understanding Success Criterion 3.3.3 Error Suggestion
入力エラーの修正案が分かる場合に、セキュリティやコンテンツの目的を損なわない範囲で修正案を提示する考え方を確認できます。
Understanding Success Criterion 2.4.7 Focus Visible
キーボード操作時に現在どの要素へフォーカスしているかを視覚的に確認できる状態について解説した公式資料です。
Understanding Success Criterion 1.4.11 Non-text Contrast
UIコンポーネントや状態を識別するために必要な視覚情報のコントラストについて確認できる公式資料です。
5つの生成UIツール、24タスク、計120インターフェースを比較した2026年の研究です。本記事では、生成UI一般を判別する根拠ではなく、同一課題でも視覚・レイアウトと色では収束の程度が異なり得ることを示す限定的な参考例として参照しています。