「管理計画認定に興味はある。でも、うちのマンションは本当に取得できそうなのだろうか」。理事長や役員として制度を調べ始めると、最初に知りたいのは細かな制度説明より、自分たちの現在地ではないでしょうか。
総会は毎年開いている。管理規約もある。長期修繕計画も作っている。それでも認定基準に当てはめると、「この議事録で確認できるのか」「修繕積立金はこの金額でよいのか」と、急に判断が難しくなることがあります。
そこで、この記事ではまず前半で管理計画認定の取得可能性を簡易診断します。5〜10分ほどを目安に一度チェックし、NOや「分からない」が付いた項目だけ、後半の詳しい解説へ進んでください。
最初から制度をすべて理解する必要はありません。まず「分かること」と「分からないこと」を分ける。それだけでも、理事会として次に確認すべきことが見えやすくなります。
管理計画認定の取得可能性を簡易診断
2026年8月時点の国の管理計画認定基準は16項目です。
ただし、「16項目を満たしていること」と「認定申請の手続まで完了していること」は同じではありません。地方公共団体で制度を利用できるか、自治体独自基準があるか、認定申請を行う旨について必要な総会決議を得ているか、どの申請ルートを利用するかといった手続上の確認も必要です。
| 16項目を満たしていること | 認定申請の手続まで完了していること |
|---|---|
| 2026年8月時点の国の管理計画認定基準は16項目です。 | 地方公共団体で制度を利用できるか、自治体独自基準があるか、認定申請を行う旨について必要な総会決議を得ているか、どの申請ルートを利用するかといった手続上の確認も必要です。 |
もう一つ、この簡易診断を始める前に押さえておきたいことがあります。
ここで行うのは、正式な適合判定ではありません。
前半のセルフチェックでは、各項目を「YES」「NO」「分からない」に振り分け、自分たちのマンションについて明らかな不足や確認すべき点を洗い出します。資料が手元になく判断できない項目や、制度上の計算が必要な項目について、無理にYESを付ける必要はありません。
実際の認定申請では、必要な書類や数値に基づいて適合状況が確認されます。そのため、前半の簡易診断は「認定されるかどうかを数分で確定するもの」ではなく、申請準備の現在地を知るための一次診断と考えてください。
この位置付けを最初に理解しておくと、NOや「分からない」が付いても過度に不安になる必要がなくなります。
たとえば修繕積立金に問題がありそうでも、最初から設定額が低すぎたとは限りません。工事費の上昇、予定外の修繕、予定していた増額の見送り、滞納、長期修繕計画の更新不足などが重なっている可能性があります。
当時の役員には、区分所有者の負担を急に増やしたくないという迷いがあったかもしれませんし、漏水など緊急性の高い修繕を優先せざるを得なかったのかもしれません。
診断の目的は、過去の理事会の判断を採点することではありません。今の状態になった理由を知り、これから何を直せばよいのかを見つけることです。
まず5〜10分で確認 管理計画認定セルフチェック
ここでは正式な適合判定ではなく、「YES」「NO」「分からない」を振り分けます。
資料が手元になく判断できない項目や、基準の意味を理解しないと答えられない項目は、そのまま「分からない」で構いません。後半の解説を読み、必要に応じて書類や専門家へ確認してください。
申請手続の前提をチェック
□ マンション所在地の地方公共団体で管理計画認定制度を利用できるか確認した
□ 自治体独自の認定基準があるか確認した
□ 管理計画認定の申請を行う旨について必要な総会決議を得ている、または総会へ上程する予定が決まっている
□ 自治体への直接申請や事前確認を利用する申請など、自分の自治体で利用できる申請方法を確認した
ここにNOや「分からない」があっても、それだけで国の認定基準に適合しないという意味ではありません。
一方、16項目を満たしていても、自治体で制度を利用できない、必要な総会決議を得ていないといった状態では申請手続を進められません。
認定基準への適合と申請手続を分けて考えることが大切です。
管理組合の運営をチェック
□ 管理者等が定められている
□ 監事が選任されている
□ 集会つまり総会を年1回以上開催している
管理規約をチェック
□ 現在有効な管理規約が作成されている
□ 災害等の緊急時や管理上必要な場合の専有部分等への立入りと、修繕等の履歴情報の管理について必要な規定がある
□ 管理組合の財務や管理に関する情報を提供するための規定がある
管理組合の経理をチェック
□ 管理費と修繕積立金等を明確に区分して経理している
□ 修繕積立金会計から他の会計へ充当していない
□ 直前事業年度終了日時点で、3か月分以上の修繕積立金滞納額が徴収すべき修繕積立金総額の1割以内である
長期修繕計画をチェック
□ 長期修繕計画の内容と計画に基づく修繕積立金額について総会で決議している
□ 現行基準で必要となる7年以内の条件を満たしている
□ 計画期間が30年以上あり、申請時点から計画終了までに大規模修繕工事が2回以上含まれている
□ 認定基準上の「将来の一時的な修繕積立金の徴収」が予定されていない
□ 計画期間全体から算定した修繕積立金平均額が著しく低額ではない
□ 長期修繕計画の最終年度に借入金残高が残らない
この中には、長期修繕計画や総会議事録を実際に開かなければ判断できない項目があります。
特に「7年以内」「将来の一時的な修繕積立金」「修繕積立金平均額」は、感覚だけでYESにできる項目ではありません。分からない場合はそのままにして、後半の該当箇所を確認してください。
名簿をチェック
□ 組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認している
ここまでで、現行の国基準16項目について、明らかなYES、NO、要確認を一通り振り分けられます。
「全部YESだった」「三つNOが付いた」という結果だけで終わらず、次に診断結果の見方を確認してください。
簡易診断の結果を確認
この診断では、取得準備の状態と専門家確認の必要性を別々に判定します。
「取得可能性が高そう」「改善が必要」「専門家確認推奨」を一つの三段階にしてしまうと、「改善は必要だが、その改善方法について専門家にも確認したい」というマンションをうまく表せません。
そこで、まず取得準備の状態をAまたはBで整理し、そのうえで必要な場合に「専門家確認推奨」を付けます。
判定A 大きな不足は見当たらない
16項目について明らかなNOがなく、必要書類もおおむね確認できている場合です。
自治体独自基準も確認済みで、認定申請について必要な総会決議など申請手続も整っていれば、正式な申請準備へ進める可能性が高い状態と考えられます。
ただし、前半のセルフチェックですべてYESだからといって、正式に基準適合が確定したわけではありません。
書類の内容を詳しく確認すると、セルフチェックでは気付かなかった点が見つかる可能性があります。自治体による審査もあり、事前確認を利用する申請方法を選ぶ場合には、その手続もあります。
Aは「認定確定」ではなく、「正式な申請へ進むための条件がかなり整っている」という意味です。
判定B 改善すべき項目がある
一つでも明らかなNOがある場合は、まずBと考えます。
ただし、Bにもさまざまな状態があります。
過去の総会議事録を探せばYESになるケースと、管理規約を改正しなければならないケース、長期修繕計画そのものを見直すケースでは、必要な時間も作業量も大きく違います。
そのため、NOの数だけを見ないでください。
「現行管理規約を特定できない」「長期修繕計画を承認した議事録が見つからない」「修繕積立金が不足している理由を説明できない」というように、何が問題なのかを具体化できれば、改善する順番も見えてきます。
専門家確認推奨
AまたはBとは別に、自分たちだけでは判定しにくい項目がある場合に付けます。
たとえば、修繕積立金平均額が基準の下限水準を下回る場合、制度上の「将来の一時的な修繕積立金」に該当するか分からない場合、機械式駐車場があり修繕積立金の計算が複雑な場合、借入れを含む長期資金計画になっている場合などです。
現行管理規約が複数存在し、どれが有効なのか理事会だけでは判断できない場合も専門家確認を検討した方がよいでしょう。
たとえば「B+専門家確認推奨」という結果も普通にあります。
これは「認定取得が難しい」と判断したわけではありません。改善すべき項目があり、その判断について自分たちだけで結論を急がない方がよいという意味です。
ここまでで自分たちの現在地はおおむね見えてきます。ここから先は、NOや「分からない」が付いた項目を中心に詳しく確認してください。
まず確認 あなたの自治体で認定申請できるか
管理計画認定は、全国のマンションが同じ窓口へ申請する制度ではありません。
マンション管理適正化推進計画を作成している地方公共団体が認定を行います。
認定主体は、市や特別区では原則としてその市や特別区、市以外の町村では原則として都道府県です。ただし、マンション管理適正化推進行政事務を自ら処理する一定の町村では、その町村自身が認定主体になります。
そのため、「町村だから都道府県へ申請すればよい」と一律に考えず、マンション所在地の自治体案内を確認してください。
せっかく理事会で何度も話し合い、書類を揃えた後になって申請先や独自基準の勘違いが分かれば、役員としてはどっと疲れてしまいます。
自治体の確認を最初に行うのは、そのような手戻りを防ぐためです。
自治体独自基準を確認する
地方公共団体によっては、国の認定基準に加えて独自基準を設けています。
国の16項目をすべて満たしていても、自治体独自基準について別途確認が必要になる場合があります。
そこで、セルフチェックを始めた段階で、国基準と自治体基準を同じフォルダや一覧表にまとめておくとよいでしょう。
「国のチェックは全部終わったのに、まだ別の基準があった」と後から知るより、最初から全体像が見えていた方が理事会も予定を組みやすくなります。
申請方法を確認する
管理計画認定について、「申請前には必ずマンション管理士の事前確認を受けなければならない」と理解している方もいるかもしれません。
しかし、事前確認は全国一律ですべての申請に必須というわけではありません。
国土交通省は、事前確認を利用するケースについて「事前確認申請を行う場合」の流れとして案内しています。また、マンション管理センターには、管理組合が地方公共団体へ直接申請して事前確認を行わない申請パターンも示されています。
マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスなどを利用する場合には事前確認を経ますが、地方公共団体への直接申請が可能な場合もあります。
どの方法を利用できるかについては、申請先自治体の最新案内を確認してください。
管理計画認定申請の総会決議をチェック
国の16項目への適合とは別に、申請手続上確認しなければならないものがあります。
それが、管理計画認定の申請を行う旨についての総会決議です。
国土交通省は、管理組合の集会つまり総会で認定申請を行う旨を決議することを必要な手続として示しています。
認定申請の決議を確認する
まず、認定申請を行うことについて必要な決議を得ているか確認してください。
すでに決議済みであれば、その事実を確認できる総会議事録を整理します。まだ決議していないのであれば、理事会で申請方針を検討し、必要な総会手続へ進みます。
具体的な決議要件については、自分たちの管理規約も確認してください。
ここで重要なのは、議案を通すことだけではありません。
区分所有者からすれば、「なぜ認定を取るのか」「認定のために修繕積立金を上げるのか」「認定されたら自分たちに何が変わるのか」という疑問を持つのは自然です。
制度の名称とメリットだけを説明するより、「セルフチェックをしたところ、管理規約は問題なかったが長期修繕計画に確認事項があった」と現在地まで共有した方が、議論は具体的になります。
認定申請についての総会決議は、単なる提出書類を作るための手続ではありません。
管理組合として今後の管理をどう整えていくか、方向性を共有する場にもなるでしょう。
管理組合の運営をチェック
現行の国基準では、管理者等が定められていること、監事が選任されていること、集会つまり総会を年1回以上開催していることが確認されます。
一見すると難しくない項目です。
それでも申請準備を始めると、「理事長がいることは分かっているけれど、その選任議事録はどれだろう」というところで止まることがあります。
普段は誰も疑わないことほど、第三者へ書類で説明しようとすると抜けが見つかるものです。
管理者等の選任を確認する
確認することは、理事長などの管理者等が正式に定められているかです。
YESと考えるには、現在の管理者等が分かるだけでなく、必要な議事録によってその選任をたどれる状態が望ましいでしょう。
確認書類としては管理規約、総会議事録、規約上必要となる場合には理事会議事録などを見ます。
NOや「分からない」なら、まず管理規約で選任方法を確認してください。
今の理事長が誰なのか全員が知っていたとしても、「いつ、どの手続で選ばれたのか」を示せなければ、申請時に第三者が書類を確認する際、選任の根拠をたどれないことがあります。
肩書があることと、その根拠を書類で確認できることは別だからです。
監事の選任を確認する
監事についても、正式に選任され、その事実を議事録で確認できる状態かを見ます。
役員のなり手不足が続いているマンションでは、理事を確保するだけで精いっぱいとなり、監事が空席になっている場合があります。
「実際の管理は回っているのだから、監事は後でもよい」と感じるかもしれません。
それでも監事は、管理組合の業務や財産状況を監査する立場です。
認定のためだけに名前を置くのではなく、監査機能を含めて管理体制を整える機会と考える方が、その後の運営にもつながります。
年1回以上の総会開催を確認する
直近の総会議事録などを見て、集会つまり総会を年1回以上開催しているか確認してください。
開催日だけでなく、議案や決議結果なども見ておきます。
そして、ここでは認定基準とは少し離れて、もう一つ確認したい点があります。
毎年総会を開催していても、管理会社から提出された資料を誰も十分理解しないまま承認しているなら、管理組合が自分たちで判断できる状態とは言い切れません。
認定準備を機に、「総会を開いているか」だけでなく「自分たちで判断できているか」まで振り返ることにも意味があります。
管理規約をチェック
管理規約はマンションの基本ルールですが、役員になるまで全文をじっくり読んだ経験がない方も多いでしょう。
大きなトラブルが起きていなければ、「昔から使っている規約だから問題ない」と考えるのも自然です。
ただ、管理計画認定では規約が存在することだけではなく、その内容まで確認します。
現行管理規約を特定する
最初に、現在有効な管理規約を一つに特定できるか確認してください。
実務で困りやすいのは、規約が存在しないケースより、部分改正を何度も繰り返した結果として「どれが最新版なのか分からない」という状態です。
前任理事長のファイル、管理会社の保管版、管理員室に置かれた規約が少しずつ違う。
そんな状態になると、次の役員もまた一から確認しなければなりません。
原始規約、過去の改正議案、総会議事録などを照合し、現行版を一本化しておけば、認定申請だけでなく今後の引継ぎにも役立ちます。
専有部分への立入り規定を確認する
管理上必要な場合や災害等の緊急時に、専有部分等へ立ち入るために必要な規定があるか確認します。
たとえば漏水が発生しているのに該当住戸と連絡がつかない状況を想像すると、この規定が単なる認定用の文章ではないことが分かるでしょう。
平常時にはほとんど使わなくても、必要なときに管理組合がどう動けるのか、その根拠をあらかじめ規約に置いておく意味があります。
修繕履歴の管理規定を確認する
修繕等の履歴情報を整理し管理するための規定も確認します。
過去の工事記録が途切れると、次の理事会は「前回いつ修繕したのか」「何が問題だったのか」「どこへ発注したのか」というところから調べ直すことになります。
長年務めた理事長の記憶に頼っている間は問題が表面化しなくても、その人が退任すれば経緯が分からなくなる可能性があります。
人の記憶ではなく、管理組合の記録として残すことが大切です。
財務と管理情報の提供規定を確認する
管理組合の財務や管理に関する情報を書面または電磁的方法によって提供するための規定も確認してください。
マンションの状態は、外壁がきれいかどうかだけでは判断できません。
修繕積立金、長期修繕計画、管理組合運営、過去の修繕なども含めて初めて管理状態が見えてきます。
こうした情報を適切に説明できる状態へ整えることは、認定申請だけでなく管理の透明性にもつながります。
管理費と修繕積立金の経理をチェック
決算書を開いた瞬間、数字が並び、「ここは管理会社へ任せたい」と感じる役員もいるでしょう。
専門的な会計処理をすべて理事長自身が行う必要はありません。
それでも、管理組合として「どのお金を何のために集め、何に使っているのか」を理解できない状態は望ましくありません。
管理費と修繕積立金の区分経理
まず、管理費会計と修繕積立金会計が明確に区分されているか、貸借対照表や収支計算書などで確認します。
管理費は日常管理に使う資金で、修繕積立金は将来の修繕へ備える資金です。
同じ管理組合のお金でも役割が違います。
| 管理費 | 修繕積立金 |
|---|---|
| 日常管理に使う資金 | 将来の修繕へ備える資金 |
ここが混ざると、「今使えるお金」と「将来残さなければならないお金」の境界まで曖昧になります。
修繕積立金の他会計への充当
修繕積立金会計から管理費会計などへ充当していないかも確認してください。
管理費が不足すると、「修繕積立金には残高があるから、一時的に使えばよい」と考えたくなることがあります。
しかし、その残高は余っているお金ではありません。
将来の外壁、防水、設備更新などに使う予定の資金です。
もし充当があるなら、処理だけを戻して終わらせず、なぜ管理費会計が不足したのかまで確認しましょう。
管理委託費の上昇なのか、駐車場収入の減少なのか、長期間管理費を据え置いていたのかによって、必要な対策は変わります。
修繕積立金の滞納状況
直前事業年度終了日時点で、3か月分以上の修繕積立金滞納額が、その年度に徴収すべき修繕積立金総額の1割以内かを確認します。
貸借対照表や収支計算書だけでなく、各月について組合員ごとの滞納額を確認できる資料も必要になります。
ここで、「滞納者が一人でもいれば不適合」と考えないでください。
認定基準で確認するのは、所定の方法で算定した滞納額の割合です。
一方、1割以内なら滞納を放置してよいという意味でもありません。
認定基準上の判定と、日常的な滞納管理は分けて考える必要があります。
長期修繕計画をチェック
管理計画認定の中でも、特に時間をかけて確認したいのが長期修繕計画です。
「管理会社が作ってくれているから大丈夫」と思いたくなるかもしれません。
しかし長期修繕計画は、将来工事を確定する予定表ではありません。
建物の劣化状態、工事費、資材価格、人件費、設備更新時期などは変化します。
長期修繕計画とは、過去に作った予定へ縛られるための書類ではなく、現在の建物状態と管理組合の財布をもう一度つなぎ直すための判断資料と考える方が実務に合っています。
長期修繕計画と総会決議
長期修繕計画の内容と、計画に基づく修繕積立金額について総会で決議しているか確認します。
計画書だけ存在していても、「どの総会で承認したのか分からない」ということがあります。
反対に、議事録には計画改定を決議した記録があるものの、そのとき承認した計画書がどれなのか分からないケースもあるでしょう。
長期修繕計画と該当する総会議事録は、対応関係が分かる形で整理してください。
長期修繕計画の7年以内を確認する
現行基準の「7年以内」は、計画書の表紙に書かれた作成日だけを見るものではありません。
長期修繕計画の作成または変更に係る総会の議決日が認定申請日前7年以内であることに加えて、長期修繕計画の開始日についても申請日前7年以内か確認します。
「6年前に計画を作ったはずだから大丈夫」と記憶だけで判断せず、長期修繕計画と総会議事録を実際に並べて確認してください。
また、認定基準上7年以内だからといって、その間ずっと放置してよいという意味ではありません。
大規模修繕工事が終わった、工事価格が大きく変わった、駐車場利用率が低下したなど、計画の前提が変わった場合には見直す意味があります。
計画期間と大規模修繕回数
長期修繕計画の計画期間が30年以上あり、申請時点から計画期間終了までに大規模修繕工事が2回以上含まれているか確認します。
ここで見るのは、計画書を作った当初の30年間だけではありません。
申請時点から残っている期間です。
計画開始から長期間経過していれば、「30年計画」という表紙だけを見ても判定できません。
制度上の一時的な修繕積立金
ここは、日常語としての「一時金」と、管理計画認定制度でいう「将来の一時的な修繕積立金」を分けて理解する必要があります。
現行の事務ガイドラインでは、あらゆる臨時徴収を一律に禁止しているわけではありません。
認定基準上の「将来の一時的な修繕積立金の徴収」は、大規模修繕工事前後の所定期間について修繕積立金総額の増額幅が2倍以上となり、さらにその増額期間が所定の工事前後期間だけに限定されるという二つの条件を両方満たすものとして整理されています。
つまり、「一時金という名称なら不適合」と単純には判断できません。
名称ではなく、実際の徴収額と時期を長期修繕計画から確認します。
この定義は少し複雑なので、「うちが該当するのか分からない」と感じても不思議ではありません。
大規模修繕前後に大幅な増額を予定している場合は、自己判断で計画を変える前に専門家へ確認する方が安全でしょう。
なお、長期修繕計画上は該当する徴収を予定していなかったものの、災害等の不測の事態によって臨時に一時金を徴収した場合、それだけを理由として認定取消しを想定する制度ではありません。
この点からも、「一時金一般は禁止」と理解しないことが重要です。
最終年度の借入金残高
借入れがある場合には、長期修繕計画の最終年度に残高が残らない計画かを確認します。
借入れそのものが一律に禁止されているわけではありません。
重要なのは、返済まで含めて計画期間内に資金計画が完結していることです。
目の前の大規模修繕を実施できても、返済が次の修繕時期へ重なれば、将来の理事会がさらに難しい判断を迫られる可能性があります。
修繕積立金をチェック
修繕積立金について、多くの役員が最初に見るのは「現在いくら貯まっているか」でしょう。
しかし、残高が多ければ安心とは限りません。
大規模修繕直後なら残高が減っていても計画どおりという場合がありますし、現在多額の残高があっても、数年後に設備更新が集中すれば不足する可能性があります。
現在の残高だけではなく、長期修繕計画の中で将来まで見る必要があります。
修繕積立金平均額を確認する
計画期間全体の修繕積立金総額から算定する1月当たりの平均額が、認定基準上「著しく低額でない」水準か確認します。
現行制度で確認に用いられる下限値は、機械式駐車場分を除くと、地上20階未満で建築延床面積5000平方メートル未満は235円/平方メートル・月、5000平方メートル以上1万平方メートル未満は170円/平方メートル・月、1万平方メートル以上2万平方メートル未満は200円/平方メートル・月、2万平方メートル以上は190円/平方メートル・月、地上20階以上は240円/平方メートル・月です。
機械式駐車場がある場合には、その修繕費も別途考慮します。
ここで下限水準を下回ったとしても、管理組合が自由に事情を書けばよいわけではありません。
一定の場合には、専門家からの「修繕積立金の平均額が著しく低額でない特段の理由がある旨の理由書」を使う確認方法があります。
そのため、基準値を下回る場合は「理由を書けば認定される」と自己判断せず、マンション管理士や建築士などへ確認することを検討してください。
計画残高と実際残高を比較する
認定基準とは別に、管理改善のために確認してほしいのが「計画上の現在残高」と「実際の現在残高」の差です。
たとえば、長期修繕計画では8000万円残っている予定なのに、実際には6500万円なら1500万円の差があります。
このとき、「1500万円不足しているから値上げ」とすぐ結論を出すのは早いでしょう。
過去の工事費が計画を上回ったのか、漏水など計画外工事を行ったのか、予定していた増額を見送ったのか、滞納が影響しているのかによって対策は変わります。
過去に増額を見送った理事会にも、区分所有者の生活負担を考えた事情があったかもしれません。
ここで見るべきなのは過去の役員の良し悪しではなく、どの前提が計画時から変わったのかです。その原因が分かれば、値上げ、工事内容、時期などを今後の計画として考えられるようになります。
段階増額積立方式を確認する
段階増額積立方式は、現行の16項目とは別に独立した17番目の認定項目ではありません。
一方、将来の修繕資金を考えるうえでは重要です。
国土交通省は安定的な修繕積立金確保の観点から均等積立方式を望ましい方式とし、段階増額積立方式についても、均等積立方式とした場合の月額を基準として初期額を0.6倍以上、最終額を1.1倍以内とする考え方を示しています。
現在の負担を低くして10年後に大幅に増額する計画は、計算上は成立することがあります。
それでも、10年後の所有者が予定どおり増額へ合意する保証はありません。
将来の理事会へ極端な値上げ判断を残していないかという視点でも確認してください。
組合員名簿と居住者名簿をチェック
名簿は、長期修繕計画や修繕積立金より簡単に見える項目です。
しかし、数年間更新していないマンションでは、「所有者は誰か」「実際に誰が住んでいるか」「総会通知はどこへ送るか」が一致しなくなることがあります。
賃貸住戸、法人所有、外部居住所有者が増えるほど状況は複雑になります。
二つの名簿を備えているか
組合員名簿と居住者名簿の双方を整備しているか確認します。
たとえば101号室をAさんが所有し、Aさんは別の場所に住み、Bさんへ賃貸している場合を考えてください。
総会通知など所有者として連絡する相手はAさんですが、排水管清掃や漏水事故などで現地へ連絡するときにはBさんの情報が必要になる可能性があります。
二つの名簿を分けるのは、同じ情報を二重に集めるためではありません。
管理上の利用目的が違うからです。
年1回以上内容を確認しているか
組合員名簿と居住者名簿について、年1回以上内容を確認しているかも見ます。
名簿が古くなると、「前の理事会がきちんと更新しなかったからだ」と感じるかもしれません。
しかし、原因は担当者個人だけではないことがあります。
変更届を誰が受け取るのか、管理会社と管理組合のどちらが更新するのか、最新版をどこへ保存するのか、役員交代時に個人情報をどう引き継ぐのかが決まっていなければ、一度完璧な名簿を作っても数年後には古くなります。
必要なのは、一度だけきれいにすることより、翌年度の役員でも更新を続けられる仕組みです。
管理計画認定で申請前に引っかかりやすいポイント
ここまで確認すると、管理計画認定は「書類が存在するかだけを見る制度ではない」と感じるのではないでしょうか。
実際に止まりやすいのは、書類そのものの欠落だけではありません。
書類同士のつながりが説明できないことがあります。
たとえば、現在の管理者等は分かるのに選任議事録が見つからない。長期修繕計画はあるのに承認した総会議事録と結び付かない。貸借対照表に未収金があるのに、月別の修繕積立金滞納状況を確認できない、といったケースです。
一枚ずつ見れば資料は存在しています。
ところが横につなげると、説明できないところが見つかります。
申請準備では、「この基準をどの書類で確認できるのか」という視点で資料を並べることが大切です。
チェックが付かなかった場合の改善方法
NOがいくつか付くと、「こんなに問題があるなら認定は難しいのでは」と不安になるかもしれません。
しかし、書類を探せば解決するNOと、規約や資金計画を見直す必要があるNOを同じように考える必要はありません。
最初に問題の種類を分けましょう。
書類が足りない場合
管理そのものは適切に行っているのに確認書類だけが見つからないなら、過去の総会議事録、理事会議事録、管理会社が保存する資料などを探します。
新しい書類を作るより先に、すでに行った手続の証拠を確認してください。
役員選任と議事録、長期修繕計画と承認議事録というように、事実と書類をつないでいきます。
管理規約に不足がある場合
必要な規定が不足している場合は、マンション標準管理規約などと比較しながら改正案を検討します。
規約改正には必要な総会手続があるため、今日気付いて明日終わるものではありません。
申請予定時期から逆算し、理事会での検討、必要に応じた専門家確認、区分所有者への説明、総会という流れを作ってください。
修繕積立金が不足している場合
「修繕積立金が不足する」と聞けば、最初に「いくら値上げするのか」が気になるでしょう。
しかし、先に確認するのは不足理由です。
計画残高と実際残高を比較し、工事価格の上昇、計画外工事、滞納、予定していた増額の見送りなどを確認したうえで、今後必要な工事と資金を整理します。
一般的な資金対策としては、修繕積立金の増額、臨時的な負担、借入れ、工事時期や仕様の調整などを比較する場合があります。
ただし、管理計画認定を目指す場合は、一般的な資金対策として可能かどうかと、認定基準上適合するかを分けて確認しなければなりません。
臨時的な徴収については、前述した制度上の「将来の一時的な修繕積立金」に該当するかを確認します。
借入れについては、長期修繕計画の最終年度に借入金残高が残らないことが必要です。
「お金を用意できるから大丈夫」ではなく、その資金計画が認定基準にも適合しているかまで見ます。
最初の理事会で小さく始める
最初から申請書を完成させる必要はありません。
直近の総会議事録、役員選任を確認できる議事録、現在有効な管理規約、貸借対照表と収支計算書、修繕積立金の滞納状況が分かる資料、最新の長期修繕計画、組合員名簿と居住者名簿の管理状況を確認できる資料を一か所に集めてください。
認定申請について総会決議済みなら、その議事録も一緒に整理します。
それだけでも、「何が分からないのか分からない」という状態から、「長期修繕計画の承認議事録だけ見つからない」という状態へ変わります。
不安が具体的な課題になれば、理事会は次に動きやすくなります。
セルフチェックと正式な事前確認の違い
この記事の簡易診断は、管理組合が自分たちの現在地を整理するためのセルフチェックです。
前半ですべてYESになったからといって、正式な認定基準への適合確認が終わったわけではありません。
一方、マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスなどを利用する申請では、制度上の「事前確認」を受ける仕組みがあります。
セルフチェックで分かること
セルフチェックでは、どの基準を満たしていそうか、どこに不足がありそうか、どこを詳しく確認すべきかを整理できます。
資料が手元になく「分からない」となった項目も重要な結果です。
「分からない」ということは、申請へ進む前に確認すべき論点が一つ見つかったということだからです。
事前確認を利用する場合
マンション管理センターの支援サービスなどを利用する申請では、事前確認講習を修了したマンション管理士が国の認定基準への適合状況を確認します。
適合すれば事前確認適合証が発行され、その後、地方公共団体への認定申請へ進みます。
マンション管理士であれば誰でも事前確認を行えるわけではありません。
また、対象マンションとの関係によって、そのマンションの事前確認を担当できない場合もあります。
事前確認を行わない申請もある
管理計画認定制度そのものについて、全国一律に事前確認が必須というわけではありません。
地方公共団体への直接申請が可能な場合には、事前確認を経ずに申請する方法があります。
したがって、「事前確認をしていないから申請できない」と考えるのも、「どこでも直接申請できる」と考えるのも適切ではありません。
自分のマンション所在地で利用できる申請ルートを自治体へ確認してください。
マンション管理士に相談した方がよいケース
すべてを最初から専門家へ任せる必要はありません。
資料収集や明らかな不足の整理までなら、管理組合自身で進められることも多いでしょう。
一方、資料は揃っているのに「この判断で本当によいのか」が分からない段階では、第三者確認の価値が高まります。
長期修繕計画を判断できない
管理会社から長期修繕計画を提示されても、工事周期、推定工事費、修繕積立金増額案まで理事会だけで妥当性を判断するのは難しい場合があります。
管理組合側の立場から計画の前提や資金面を整理するなら、マンション管理士へ相談する方法があります。
一方、外壁の詳細な劣化状態、配管内部の調査、設計や精密な積算については、建築士や設備分野の専門家が必要になることもあります。
「誰へ頼むか」を先に考えるより、「何を判断できなくて困っているのか」を明確にする方が、適切な専門家へつながりやすくなります。
修繕積立金の大幅増額案が出た
「数年後に資金が不足するため修繕積立金を大幅に上げる必要があります」と説明されれば、理事会が戸惑うのは当然です。
本当にその金額が必要なのか、工事費の前提は妥当なのか、別の方法はないのか。そのまま総会へ出せば、区分所有者からも同じ疑問が出るでしょう。
第三者へ相談する目的は、必ず値上げを止めることではありません。
確認した結果、管理会社の案に合理性があると分かる場合もあります。
重要なのは、理事会自身が判断理由を理解し、区分所有者へ説明できる状態になることです。
修繕積立金平均額が下限水準を下回る
下限水準を下回る場合には、専門家による特段の理由がある旨の理由書を用いる確認方法が関係する可能性があります。
管理組合が自由に事情を書けばよいものではないため、専門家へ確認した方がよいでしょう。
一時的な徴収の判定が難しい
大規模修繕前後に大幅な増額を予定しており、制度上の「将来の一時的な修繕積立金」に該当するか判断できない場合も専門家確認を推奨します。
名称や増額幅だけでは判断できず、増額する時期も確認する必要があります。
2027年4月以降に申請予定の方へ
ここまでで、2026年8月時点の現行制度による簡易診断と詳しい確認方法は一通り終わりです。
2027年4月以降に地方公共団体への申請を予定している場合は、ここからの新基準も確認してください。
関係する省令と告示は2026年7月31日に公布されており、新しい認定基準そのものはすでに明らかになっています。
一方、申請書や添付書類などの具体的な実務については、国土交通省が今後ガイドラインを見直す予定としています。
そのため、今のうちに新基準を見据えて準備し、実際の申請時には最新版のガイドラインへ戻るという二段構えが安全です。
| 現行基準の「7年以内」 | 新規申請の長期修繕計画は5年以内へ |
|---|---|
| 長期修繕計画の作成または変更に係る総会の議決日が認定申請日前7年以内であることに加えて、長期修繕計画の開始日についても申請日前7年以内か確認します。 | 新基準が適用される管理組合の管理者等による新規申請では、長期修繕計画の作成または見直しが申請日前5年以内であることが求められます。 |
新規申請の長期修繕計画は5年以内へ
新基準が適用される管理組合の管理者等による新規申請では、長期修繕計画の作成または見直しが申請日前5年以内であることが求められます。
現在6年前に長期修繕計画を見直したマンションなら、現行の7年基準では適合する可能性があっても、新基準による新規申請では見直しが必要になるでしょう。
一方、認定更新は同じ「申請日前5年以内」ではありません。
認定更新については、長期修繕計画の作成または見直しが、従前の認定を受けた日から認定更新申請日までの間に行われていることが確認されます。
管理者等と監事の在任期間を確認
新基準では、管理者等と監事が管理規約に基づいて選任されていることに加えて、実際の在任期間が管理規約で定める任期を超えていないことなどが確認されます。
「長年やってくれている理事長だから安心」というだけでは判断できません。
選任手続、就任時期、規約上の任期をつないで確認する必要があります。
規約上の任期自体も2年以内へ
さらに、管理規約に定める管理者等と監事の任期自体についても、2年を超えない範囲で定める必要があります。
たとえば役員任期を3年とする規約なら、現在の役員が就任から1年しか経っていないとしても、「本人が任期内だから問題ない」とは判断できません。
実際の在任期間とは別に、規約そのものの任期規定を確認します。
管理規約の確認項目が増える
新基準では、管理者等と監事の選任、解任、任期に加えて、利益相反取引、区分所有者等による総会招集請求、総会で決議すべき事項などについても確認事項が増えます。
現在の管理規約が古く、2027年4月以降の新規申請を予定しているなら、現行基準だけに合わせて一度改正し、その直後にもう一度改正するより、新基準まで見据えて点検する方が合理的な場合があります。
「去年も規約改正したのに、また総会なのか」となれば、役員にも区分所有者にも負担がかかります。
申請時期が見えているなら、少し先まで見て整備する方がよいでしょう。
修繕積立金総額と修繕工事費総額を確認
新基準では、長期修繕計画の計画期間全体における修繕積立金総額が、その期間内に見込まれる修繕工事費総額を下回らないよう設定されていることが求められます。
どれほど丁寧に工事予定を並べても、その工事を実施する資金がなければ計画は動きません。
建物の工事計画と管理組合の財布を別々に考えず、一つの長期修繕計画として成立させることが、より明確に求められます。
防災方針の作成と周知
新基準では、防災に関する方針を記載した書類を作成し、その内容を区分所有者等へ周知することも求められます。
防災訓練の実施方針、防災情報とその周知方法、防災物資等の備蓄方針、災害等の緊急時における活動体制などを整理します。
ここで「認定に必要だから文書を一枚作ればよい」と考えると、本来の意味から離れてしまいます。
地震が発生したとき誰が情報を集めるのか、防災倉庫の鍵は誰が管理するのか、役員が不在ならどう動くのか。そうした場面で実際に使える内容になっていることが重要です。
最初から完璧なものを作る必要はありません。
現在分かっている設備や体制から原案を作り、防災訓練を行って「ここは動けなかった」と分かった部分を修正する方が、実態に合った防災方針へ近づけます。
2027年4月の経過措置
新基準の適用時期では、「2027年4月以降」という月だけではなく、地方公共団体への申請日を見ることが重要です。
原則として、地方公共団体への申請日が2027年4月1日以降となる場合には、見直し後の認定基準が適用されます。
一方、2027年4月1日前にすでに地方公共団体へ認定申請等を行っており、施行日時点でまだ処分されていない案件については、経過措置によって旧基準が適用されます。
旧基準で認定されたマンションの変更認定についても、一定の経過措置があります。
ここで気を付けたいのは、「3月にマンション管理士へ相談したから旧基準」「4月1日に審査中だから新基準」と単純に考えないことです。
重要なのは、地方公共団体への申請日と、それぞれの経過措置の条件です。
制度の境目に申請、更新、変更認定を予定している場合は、申請先自治体と最新の国土交通省資料で個別に確認してください。
申請時には最新版ガイドラインを確認する
2027年4月1日以降の認定基準そのものはすでに公布されています。
一方、申請書や添付書類など具体的な確認方法については、国土交通省が今後ガイドラインを見直す予定としています。
これは新基準が未確定という意味ではありません。
基準は公表済みですが、「何をどの書類によって確認するか」という申請実務の詳細が今後整理されるということです。
2027年4月以降に実際に申請するときは、その時点の最新版「マンションの管理計画認定に関する事務ガイドライン」と、地方公共団体の最新案内を確認してください。
管理計画認定の簡易診断でよくある質問
- セルフチェックですべてYESなら認定されますか
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必ず認定されるわけではありません。
この記事のセルフチェックは、正式な適合判定ではなく、認定取得可能性と確認すべき項目を整理するための一次診断です。
国の基準についてすべてYESでも、認定申請を行う旨について必要な総会決議があり、地方公共団体による審査もあります。
自治体独自基準があれば、その確認も必要です。
- 「分からない」がある場合はBですか
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必ずしもBとは限りません。
「分からない」は、不適合が確認されたという意味ではないからです。
たとえば長期修繕計画の総会議決日が分からない場合、議事録を確認した結果として基準を満たしている可能性があります。
そのため、まず「要確認」として後半の解説や実際の書類を確認してください。
確認した結果、基準を満たしていなければB、満たしていればAへ整理できます。
- 管理計画認定の事前確認は必須ですか
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全国一律にすべての申請で必須というわけではありません。
マンション管理センターの支援サービスなどを利用する場合には事前確認を経ますが、地方公共団体へ直接申請して事前確認を行わない申請方法が利用できる場合もあります。
自分の自治体の申請方法を確認してください。
- 管理計画認定の事前確認とは何ですか
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マンション管理センターの管理計画認定手続支援サービスなどを利用する場合に、地方公共団体への認定申請に先立って国の認定基準への適合状況を確認する仕組みです。
事前確認講習を修了したマンション管理士が確認し、適合すると事前確認適合証が発行されます。
- マンション管理士なら誰でも事前確認できますか
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すべてのマンション管理士が事前確認を行えるわけではありません。
マンション管理センターの事前確認講習を修了していることが必要です。
また、対象マンションとの関係によって、そのマンションの事前確認を担当できない場合もあります。
- 長期修繕計画が古い場合でも取得できますか
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現行基準では、作成または変更に係る総会の議決日が認定申請日前7年以内であることに加え、長期修繕計画の開始日についても申請日前7年以内か確認します。
計画書の表紙にある作成年だけでは判断できません。
また、新基準が適用される2027年4月以降の新規申請では、作成または見直しが申請日前5年以内であることが求められます。
認定更新は新規申請とは異なる基準なので、別に確認してください。
- 一時金を予定していると認定できませんか
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「一時金」という名称だけでは判断できません。
現行事務ガイドラインにおける認定基準上の「将来の一時的な修繕積立金の徴収」には具体的な定義があり、大規模修繕工事前後の所定期間に修繕積立金総額の増額幅が2倍以上となることと、増額期間がその所定期間に限定されることの両方を確認します。
日常語として一時金と呼ばれるすべての負担を一律に禁止するものではありません。
- 修繕積立金が少ないと認定できませんか
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現在の月額だけでは判断しません。
長期修繕計画の計画期間全体から算定した修繕積立金平均額を確認します。
国の確認で用いられる下限水準を下回る場合でも、一定の場合には専門家による特段の理由がある旨の理由書を用いる確認方法があります。
管理組合が自由に理由を書けばよい制度ではありません。
- 資金不足なら一時金や借入れで対応できますか
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一般的な資金対策として臨時的な負担や借入れを検討する場面はあります。
ただし、管理計画認定では認定基準との関係を別に確認する必要があります。
臨時的な徴収は制度上の「将来の一時的な修繕積立金」に該当するかを確認し、借入れについては長期修繕計画の最終年度に残高が残らない計画であることを確認します。
- 管理計画認定の相談にはどんな書類が必要ですか
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最初の相談では、現在有効な管理規約、直近の総会議事録、役員選任を確認できる議事録、貸借対照表、収支計算書、修繕積立金の滞納状況が分かる資料、最新の長期修繕計画、組合員名簿と居住者名簿の管理状況を確認できる資料を準備すると話が進みやすくなります。
認定申請について総会決議済みなら、その議事録も準備してください。
全部揃っていなくても構いません。
「何がないのか分からない」という状態から、「この議事録だけ見つからない」という状態へ進むこと自体に意味があります。
- 2027年4月から認定基準はどう変わりますか
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主な変更として、新規認定申請における長期修繕計画の作成または見直しが申請日前5年以内となること、管理者等と監事の選任や在任期間に関する確認が強化されることがあります。
さらに、管理規約に定める管理者等と監事の任期自体についても2年を超えない範囲とする必要があり、修繕積立金総額と修繕工事費総額の関係、防災方針の作成と周知なども新しい基準に含まれます。
原則として、地方公共団体への申請日が2027年4月1日以降となる場合に見直し後基準が適用されますが、経過措置があります。
実際の申請では、その時点の最新版ガイドラインと地方公共団体の案内を確認してください。
管理計画認定取得可能性診断で次の一歩を決める
この記事を開いたとき、「結局、うちのマンションは認定を取れそうなのか」と漠然と考えていたかもしれません。
簡易診断を終えた後に、「16項目はほぼYESだが総会決議がまだ」「長期修繕計画の議決日が分からない」「修繕積立金だけ専門家へ確認したい」と具体的に言えるようになっていれば、状況はすでに変わっています。
漠然とした不安が、理事会で扱える課題へ変わったからです。
ここから最初にすることは、大きな改善計画を一度に作ることではありません。
次の理事会で、NOと「分からない」を一つずつ並べてみてください。「議事録を探す」「管理会社へ確認する」「長期修繕計画を専門家へ見てもらう」と担当や次の行動まで決められれば、認定準備は動き始めます。
そして、少し時間を置いてもう一度セルフチェックを行います。
最初に「分からない」だったものがYESになる。NOだった項目が一つ改善される。その変化があれば、管理組合は前へ進んでいます。
認定取得そのものは一つの結果です。
その準備を通じて、これまで曖昧だった規約、会計、修繕計画、名簿などについて、役員が「なぜこうなっているのか」を説明できるようになることにも意味があります。
認定証を取得した後に役員が交代しても、整理された資料や判断の経緯は管理組合へ残ります。
制度への対応を一度限りの申請作業で終わらせず、次の世代の役員が判断しやすい管理へつなげられるか。その視点を持って進めてみてください。
まとめ
管理計画認定の取得可能性を知りたいときは、まず5〜10分を目安に、自治体で制度を利用できるか、現行の国基準16項目について「YES」「NO」「分からない」のどれに当たるかを振り分けます。
このセルフチェックは正式な適合判定ではありません。「分からない」は不適合ではなく、申請前に確認すべき項目が見つかったという意味です。
明らかな不足がなければ「A 大きな不足は見当たらない」、改善すべき項目があれば「B 改善すべき項目がある」と整理し、自分たちだけでは判断が難しい項目があれば、A・Bとは別に「専門家確認推奨」を付けます。
また、国の認定基準への適合とは別に、認定申請を行う旨について必要な総会決議があり、自治体独自基準や利用できる申請方法も確認しなければなりません。事前確認についても全国一律に必須ではなく、地方公共団体への直接申請が可能な場合があります。
2027年4月以降に地方公共団体へ申請する予定なら、新しい認定基準と経過措置も確認してください。新基準そのものは公布されていますが、申請書や添付書類など実務の詳細についてはガイドラインの見直しが予定されています。
実際に申請するときには、国土交通省と申請先地方公共団体の最新版を確認することが必要です。
参考資料
国土交通省「マンション管理・再生ポータルサイト 管理計画認定制度」
国土交通省「マンションの管理計画認定に関する事務ガイドライン」
公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
2027年4月1日以降の認定基準、経過措置、改訂予定の事務ガイドラインについては、実際の申請時点で国土交通省と申請先地方公共団体の最新版を確認してください。