5年後までに300万円を用意したいと思っても、「毎月いくら貯めれば間に合うのだろう」と考え始めると、300万円という大きな数字ばかりが目に入ることがあります。
現在の貯金が0円で、ボーナスからも貯めない場合、5年間で300万円を準備するために必要なのは毎月5万円です。ただ、本当に知りたいのは「一般的には月5万円」という答えより、自分の場合は今月から毎月いくら貯めればよいのかではないでしょうか。
すでに貯金があれば、これから準備する金額は減ります。さらに、5年間の積立期間中に受け取るボーナスから一定額を貯蓄へ回せるなら、毎月の給与だけで300万円を用意する必要もありません。
この記事では、今月から毎月1回、合計60回積み立てるケースを「5年間」として試算します。
基本となる計算式は次のとおりです。
毎月必要な貯蓄額 =(300万円 − 目標に使える現在の貯金 − 60か月の積立期間内に確保できるボーナス貯蓄総額)÷ 60か月
計算結果が0円未満になる場合は、毎月必要な追加貯蓄額を0円として扱います。
また、ボーナスについては「年間○万円だから5倍」と機械的に考えるのではなく、これから60か月の間に実際に受け取り、そのうち300万円のために確保できる金額だけを入れます。
割り算の結果に端数が出た場合、本文では比較しやすいよう「約○円」という概算で示します。実際に積立額を設定するときは、必要額を下回らないよう切り上げてください。
たとえば現在60万円あり、これから60か月の間にボーナスから合計50万円を確保できるなら、毎月必要なのは約3万1667円です。
さらに、その金額を実際の家計から出せるのかを確認します。計算上の必要額と家計から出せる金額を比べることで、「300万円を貯めなければ」という漠然とした焦りを、「今月から毎月いくら積み立てるか」という具体的な判断へ変えていきましょう。
5年で300万円なら基本は毎月5万円
5年間を60回の月次積立として考える場合、現在の貯金が0円で、ボーナスからの貯蓄もないなら300万円を60か月で割ります。
300万円 ÷ 60か月 = 5万円
したがって、単純計算では毎月5万円を60回積み立てると300万円です。
この数字を見て、「やはり月5万円も必要なのか」と感じる人もいるでしょう。家賃や住宅ローンを払い、食費や水道光熱費、通信費などを負担したあとに毎月5万円を残すとなれば、家計によっては決して小さな負担ではありません。
しかし、この5万円だけを見て「自分には難しい」と判断するのは早いでしょう。月5万円は、現在の貯金がなく、これから60か月の間にボーナスからも一切貯めない場合の基準額だからです。
現在100万円をすでに確保している人なら、300万円すべてをこれから作る必要はありません。積立期間中のボーナスから合計100万円を確保できる人も、その分だけ毎月の給与から準備する金額を減らせます。
つまり、月5万円は全員に共通する答えではなく、何もない状態から始める場合の出発点です。
なお、この記事では預金金利や投資による運用益を必要額の計算に含めません。また、途中で貯金を取り崩さず、設定した積立を続ける前提で試算しています。
そのため、月5万円は将来を保証する数字ではありません。現在置いている条件が60か月続いた場合の計画値として扱い、収入や支出などが変わったときは改めて計算します。
現在の貯金とボーナスから毎月必要な額を逆算する
自分の場合に毎月いくら必要なのかを知りたいなら、300万円から現在の貯金と、60か月の積立期間中に確保できるボーナス貯蓄額を差し引きます。
毎月必要な貯蓄額 =(300万円 − 目標に使える現在の貯金 − 60か月の積立期間内に確保できるボーナス貯蓄総額)÷ 60か月
計算そのものは難しくありません。ただし、「現在の貯金」と「ボーナス貯蓄総額」に何を入れるかが曖昧だと、算数としては正しくても、自分の生活とはずれた結果になってしまいます。
現在100万円なら計算上は月約3万3333円
現在100万円あり、その全額を300万円の目標へ使える場合を考えてみます。
これから準備する金額は200万円です。
300万円 − 100万円 = 200万円
これを60か月で割ると、
200万円 ÷ 60か月 = 約3万3333.33円
となります。
比較するときは「月約3万3333円」と考えれば十分です。ただし、3万3333円を60回積み立てると200万円に20円届かないため、実際に1円単位で最低額を設定するなら3万3334円以上にします。
ここで大切なのは20円の差そのものではありません。
現在の貯金が0円なら月5万円だったのに、100万円をすでに持っていれば必要額は月3万3000円台まで下がるということです。
同じ「5年で300万円」という目標でも、スタート地点によって毎月の負担はかなり変わります。他の人が月5万円貯めているからといって、自分まで同じ金額を積み立てる必要はありません。
確認したいのは、自分にはあといくら必要なのかです。
現在の貯金は口座残高だけで考えない
ここで、自分の銀行口座を思い浮かべてみてください。
口座に100万円あったとしても、その全額を5年間残せるとは限りません。たとえば30万円を半年以内の車検や税金、年払い保険料、家電の買い替えなどへ使う予定なら、その30万円にはすでに別の役割があります。
この場合、300万円の目標へ充てられる現在の貯金は70万円です。
口座残高100万円 − 近いうちに使う予定の30万円 = 目標に使える現在貯金70万円
口座残高だけを見ていると、「100万円あるから順調だ」と感じるかもしれません。ところが車検や税金を支払ったあとに残高が減ると、急に計画が遅れたように感じることがあります。
実際には突然計画が悪化したのではなく、最初から別の用途が決まっていたお金まで長期の貯金として数えていた可能性があります。
だからこそ、この記事でいう現在の貯金は、銀行口座にある金額ではなく、300万円という目標のために残しておける金額として考えます。
ここを整理しておくと、その後の計算が実際の家計とずれにくくなります。
ボーナスは60か月の間に確保できる総額で考える
ボーナスを使う場合も、「年間いくら」という数字をそのまま5倍する前に、これから60か月の間に実際に何回受け取り、そのうちいくらを貯蓄へ回せるのかを確認します。
たとえば現在60万円あり、積立期間中のボーナスから合計50万円を確保できる場合を考えてみましょう。
現在の60万円とボーナス50万円を合わせると、毎月の積み立て以外で110万円を準備できます。
したがって、残りは190万円です。
300万円 − 60万円 − 50万円 = 190万円
190万円を60か月で割ると、
190万円 ÷ 60か月 = 約3万1667円
となります。
この場合、毎月必要なのは約3万1667円です。
年10万円ずつ5年分、合計50万円を実際に60か月の間に確保できるなら同じ結果になります。一方、積立期間が終わったあとに受け取る予定のボーナスは、この50万円には含めません。
最初に月5万円という数字だけを見たときには、「5年間も続けるのは厳しい」と感じていたかもしれません。しかし、自分がすでに持っている貯金と、積立期間中に実際に使えるボーナスを含めると、毎月必要な金額が月3万円台になるケースもあります。
ボーナスを使う意味は、特別に得をすることではありません。300万円という目標を毎月の給与だけで背負わず、60か月の間に入ってくる収入の中で分担することです。
ただし、ボーナスは将来の支給額が確定しているとは限りません。勤務先の業績や評価、転職などによって変化する可能性があるため、「この程度なら比較的確保しやすそう」と考えられる金額で試算するほうが現実的でしょう。
現在貯金とボーナス別の早見表
次の表は、今後60か月の間に記載したボーナス額を確保できる前提で計算した概算です。
| 現在の貯金 | 年間ボーナス貯蓄額 | 60か月間のボーナス総額 | 毎月必要額の概算 | 月3万円で足りるか |
|---|---|---|---|---|
| 0万円 | 0万円 | 0万円 | 5万円 | × |
| 0万円 | 10万円 | 50万円 | 約4万1667円 | × |
| 0万円 | 20万円 | 100万円 | 約3万3333円 | × |
| 50万円 | 0万円 | 0万円 | 約4万1667円 | × |
| 50万円 | 10万円 | 50万円 | 約3万3333円 | × |
| 50万円 | 20万円 | 100万円 | 2万5000円 | ○ |
| 100万円 | 0万円 | 0万円 | 約3万3333円 | × |
| 100万円 | 10万円 | 50万円 | 2万5000円 | ○ |
| 100万円 | 20万円 | 100万円 | 約1万6667円 | ○ |
※表は比較しやすくするための概算です。実際の積立設定では必要に応じて端数を切り上げます。また、60か月の積立期間が終わったあとに受け取るボーナスは含めません。
表を見ると、同じ300万円でも必要な月額にはかなり差があります。
現在50万円あり、60か月の間にボーナスから100万円を確保できるなら、必要額は月2万5000円です。毎月3万円を積み立てられる家計なら、月5000円の余裕があります。
一方、現在の貯金が0円でボーナスからも貯めない場合は月5万円必要なので、毎月3万円では2万円不足します。
ここで重要なのは○か×かだけではありません。自分の場合はいくら不足するのか、あるいはいくら余裕があるのかを見ることです。
不足が数千円なのか2万円なのかによって、これから動かす条件も変わります。
なお、現在の貯金と60か月の間に確保できるボーナスだけで300万円以上になる場合は、毎月必要な追加貯蓄額を0円として考えます。
家計から毎月いくら積み立てられるか確認する
必要額が分かったら、次にその金額を現在の家計から出せるのかを確認します。
ここで見るのは、「少し無理をすれば何とか出せそうな金額」ではありません。税金や年払い費用なども考えたうえで、生活を続けながら残せる金額です。
そのため、家計から出せる金額は次の式で目安を出します。
毎月の積立可能額の目安 = 手取り収入 − 毎月の生活支出 − 年払い費用や特別費の月割り準備額
これは300万円の逆算式のような厳密な答えではなく、現在の家計でどの程度なら積み立てられそうかを見るための目安です。
家計の黒字がそのまま積立可能額とは限らない
たとえば手取り収入が30万円あり、毎月の生活支出が26万円だとします。
銀行口座だけを見ると月4万円残ります。
しかし、自動車税や車検、年払い保険料などのために年間12万円が必要なら、12万円を12か月で割り、毎月1万円程度を別に取り分けておく必要があります。
その場合は、
30万円 − 26万円 − 1万円 = 3万円
です。
300万円の目標へ回せる積立可能額の目安は、月3万円になります。
口座には4万円残っているため、「月4万円なら貯められそう」と感じることもあるでしょう。ところが、そのうち1万円は数か月後に使うことが決まっています。
この1万円まで300万円のために積み立てると、車検や税金の時期に再び取り崩すことになり、「毎月貯めているのに残高が増えない」という感覚につながる場合があります。
貯金が増えない理由は、必ずしも意志の弱さや浪費だけではありません。近いうちに使うお金と、5年後まで残したいお金を同じ残高として見ているために、自由に使える余力が分かりにくくなっている可能性もあります。
なお、毎月の生活支出へ税金や年払い保険料などの月割り額をすでに含めている場合は、それらをもう一度差し引く必要はありません。同じ支出を二重に計算しないようにしてください。
必要額と積立可能額の差を見る
二つの数字が出たら、次のように並べます。
| 確認する項目 | 自分の金額 |
|---|---|
| 計算上必要な毎月の貯蓄額 | ______円 |
| 毎月の積立可能額の目安 | ______円 |
| 不足または余裕 | ______円 |
必要額が3万5000円で積立可能額の目安が3万円なら、不足は5000円です。必要額が約3万1667円で、積立可能額の目安が3万5000円なら、約3333円の余裕があります。
「もっと貯めなければ」と思っているだけでは、家計のどこをどの程度変えればよいのか分かりにくいものです。不足額が数字になると、「あと5000円をどうするか」という具体的な問題として考えやすくなります。
生活全体を必要以上に切り詰めないためにも、まず差額を把握しておくことが重要です。
必要額に届かないときは4つの条件を調整する
計算では月5万円必要なのに、家計から出せるのは月3万円だったとします。
毎月の不足は2万円なので、60か月では120万円です。
2万円 × 60か月 = 120万円
「120万円も足りないのか」と数字を見れば、気持ちが重くなるかもしれません。
ただ、ここで分かったのは「300万円を用意できない」という結論ではありません。現在の条件をそのまま60か月続けると120万円不足するということです。
条件が変われば結果も変わります。
そこで、支出、ボーナス、期間、目標額という4つの方向から、自分が動かせる部分を探します。
支出は不足額に合わせて確認する
不足が月5000円なら、生活全体を一気に切り詰める必要はありません。
通信費やサブスクリプション、保険料など、毎月または毎年続いている支出について、現在の利用状況と金額が合っているかを確認します。
ただし、「貯金が足りないのだから支出が多すぎる」と短絡的に考える必要もないでしょう。
子どもの成長によって教育費が増えているかもしれませんし、物価の変化によって以前と同じ生活でも支出が膨らんでいる可能性があります。仕事が忙しくなったため、外食や家事サービスが以前より必要になっている家庭もあります。
背景を確認せずに必要な支出まで削ると、生活が苦しくなり、結果として積み立てを続けにくくなる場合があります。
まず「なぜこの支出額になっているのか」を振り返り、そのうえで生活への影響が小さい部分から調整するほうが現実的です。
ボーナス配分で不足を補う
現在の貯金が0円で、毎月3万円なら無理なく積み立てられる場合、60か月で180万円です。
300万円まで120万円不足します。
この不足をボーナスで補うなら、「年間いくら必要か」だけではなく、60か月の間に実際に何回ボーナスを受け取れるのかを確認します。
たとえば60か月の間に年2回、合計10回のボーナスを受け取り、120万円をすべてボーナスで補うなら、単純平均では1回12万円です。
一方、積立期間中に9回しか受け取れないなら、同じ金額では足りません。毎月の積立額を少し増やすのか、1回あたりのボーナス貯蓄額を増やすのかを考える必要があります。
こうして、実際に積立期間内で使える収入だけを見ると、計画が現実からずれにくくなります。
また、ボーナスは将来の支給額が確定しているとは限りません。予定より少なかった場合は、その時点で現在残高と残り月数から計算し直してください。
期間を延ばせるなら毎月額は下がる
300万円を用意する時期を変更できる場合は、積立期間を長くする方法があります。
現在の貯金もボーナスもない場合、5年間では月5万円です。
7年間なら84回の積立として、
300万円 ÷ 84か月 = 約3万5714円
となります。
10年間なら120回なので、
300万円 ÷ 120か月 = 2万5000円
です。
ここで重要なのは数円単位の端数ではなく、5年から7年へ期間を延ばすことで、毎月の負担が1万4000円程度下がる点です。
ただし、進学や住宅購入など、お金を使う時期が決まっている場合は簡単に期限を変更できません。
そこで「なぜ5年後なのか」を確認します。期限を動かせない理由があるなら、ボーナスや支出など別の条件から調整する必要があります。
300万円という目標額の根拠を確認する
不足額が大きい場合は、300万円という目標額そのものも確認します。
これは「貯めるのが大変だから適当に目標を下げる」という意味ではありません。なぜ300万円必要なのかを具体的にする作業です。
たとえば5年後の引っ越しや新生活のためなら、住居の初期費用、引っ越し代、家具、家電、予備費などへ分けます。
実際に見積もると280万円程度で足りる場合もあれば、反対に330万円ほど必要だと分かることもあるでしょう。
「何となく300万円」と決めていると、毎月貯める金額にも根拠を感じにくくなります。何のためのお金なのかが見えると、5年間積み立てる理由も具体的になります。
投資益は不足額を埋める確定額として扱わない
不足額を見ていると、「投資で増やせば差を埋められるのでは」と考えることもあるでしょう。
投資によって資産が増える可能性はありますが、価格変動のある金融商品では、5年後の評価額をあらかじめ確定することはできません。
そのため、この記事では「運用で増える予定だから毎月の不足額は少なくてよい」と最初から確定扱いしません。
投資を否定するという意味ではなく、300万円の必要額を逆算するときは、まず現在の貯金と積立期間中に確保できる元本を基準に考えるということです。
今月の積立額を決めて実際に試す
必要額と積立可能額の目安が分かったら、次は実際にいくら設定するかを決めます。
たとえば計算上必要なのが月約3万1667円で、家計を見ると3万5000円程度なら無理なく積み立てられそうだとしましょう。
その場合、3万5000円を設定する方法があります。必要額を下回らず、しかも現在の家計余力の範囲に収まっているからです。
計算結果に細かな端数がある場合も、毎回1円単位の数字にこだわる必要はありません。まず必要額を下回らないよう切り上げ、そのうえで3万4000円や3万5000円など、家計で管理しやすい金額へ整えます。
ただし、最初から「この金額を60か月絶対に変えない」と考える必要はありません。
まず給料日に設定した金額を別口座へ移し、その状態で1か月生活してみます。無理なく月末まで過ごせれば、現在の家計ではその金額を続けやすい可能性があります。
反対に、毎月後半になると生活費が足りなくなり、積立口座から戻すことが続くようなら、紙の上で考えた積立可能額と実際の生活には差があったのかもしれません。
そこで「自分は貯金が続かない」と結論づけるのではなく、どの程度の積立額から家計へ負担が出るのかが分かったと考えます。
月額を少し下げ、その分を積立期間中のボーナスで補うなど、次の調整につなげられます。
半年から1年を目安に現在地から再計算する
60か月の間、収入も支出もまったく変わらないとは限りません。
昇給して積み立てやすくなることもあれば、転職や休職によって収入が減る場合もあります。家賃や教育費、日用品などの支出が以前より増える可能性もあるでしょう。
そこで、半年から1年程度を一つの目安として計画と実績を確認します。
たとえば毎月3万円を積み立てる予定なら、半年後には18万円増えている計算です。実際には15万円しか増えていなかった場合、差は3万円になります。
ここで確認したいのは、3万円不足したという結果だけではありません。
一度だけ必要になった医療費で3万円使ったのであれば、その後の積立計画を大きく変更する必要はないかもしれません。反対に、生活費が毎月5000円ずつ想定より高かったのであれば、このままでは次の半年でも同じような差が広がる可能性があります。
同じ3万円の不足でも、理由によって次に取る行動は違います。
だからこそ、見直しでは**「いくらずれたか」と「なぜずれたか」をセットで確認する**ことが大切です。
途中で貯金を使った場合は残り回数で計算する
途中で予定外の支出があり、貯金を取り崩すこともあります。
積み上げてきた残高が減れば、「ここまで続けてきたのに」と残念に感じるかもしれません。それでも、それまでの積み立てが無意味になるわけではありません。
その時点を新しい現在地として、残りの積立回数で計算し直します。
たとえば24回の積立が終わり、残り36回になった時点で現在の貯金が150万円あり、残り36か月のボーナスから30万円を確保できる予定だとします。
残りは120万円です。
(300万円 − 150万円 − 30万円)÷ 36回 = 約3万3333円
実際の設定では、必要額を下回らない金額へ切り上げます。
ここで重要なのは、途中で再計算するときに最初の60回へ戻らないことです。
最初の計画に戻るのではなく、その時点の現在残高を起点にし、これから確保できるボーナスを差し引いたうえで、残っている積立回数で割ります。
過去の計画へ無理に戻すより、今いる場所から残りの道筋を引き直したほうが、次に必要な行動を把握しやすくなります。
自分の5年300万円貯蓄計画を作る
最後に、自分の数字を一つの表へまとめてみましょう。
目的は家計を細かく採点することではありません。自分が今月から毎月いくら積み立てるのかを決めるために、必要な数字を整理することです。
| 確認する内容 | 自分の数字 |
|---|---|
| 目標額 | 3,000,000円 |
| 積立回数 | 60回 |
| 目標に使える現在の貯金 | ______円 |
| 60か月の間に受け取る予定のボーナス回数 | ______回 |
| 60か月の間に確保できるボーナス貯蓄総額 | ______円 |
| 計算上の毎月必要額 | ______円 |
| 毎月の積立可能額の目安 | ______円 |
| 毎月の不足または余裕 | ______円 |
| 実際に設定する毎月の積立額 | ______円 |
| 次回見直す時期 | ______年______月 |
まず、口座残高のうち300万円の目標へ本当に使える金額を確認します。
次に、ボーナスの年額を機械的に5倍するのではなく、60か月の積立期間中に何回受け取り、そのうち合計いくらを300万円へ回せるのかを考えます。
その数字から計算上の必要額を出し、家計から無理なく出せそうな積立可能額の目安と比べてください。
たとえば必要額が約3万1667円で、家計から3万5000円程度なら出せそうなら、3万5000円を実際の設定額にする選択肢があります。
大切なのは、同じ計算を何度も繰り返すことではありません。
必要額はいくらか。家計ではいくら出せるか。その差をどうするか。最後にいくら設定するか。
ここまで決まれば、「5年後に300万円」という遠い目標が、今月の具体的な行動へ変わります。
5年で300万円貯めるよくある質問
- 5年で300万円ならボーナスなしで毎月いくら必要?
-
現在の貯金が0円で、ボーナスからも貯めない場合は毎月5万円です。
300万円 ÷ 60回 = 5万円
この記事では、今月から毎月1回、合計60回積み立てるケースを5年間として計算しています。
- 現在100万円ある場合は毎月いくら必要?
-
現在100万円すべてを300万円の目標へ使えるなら、残りは200万円です。
200万円÷60回は約3万3333.33円なので、概算では月約3万3333円です。実際に最低額を設定する場合は3万3334円以上にします。
- ボーナスを年20万円貯める場合は毎月いくら?
-
「年20万円×5年=100万円」とできるのは、60か月の積立期間中に5年分すべてを受け取り、合計100万円を実際に貯蓄へ回せる場合です。
現在の貯金が0円で、期間中のボーナスから100万円を確保できるなら、残り200万円なので毎月必要な金額の概算は約3万3333円です。
- 毎月3万円しか貯められない場合は何年かかる?
-
現在の貯金が0円で、ボーナスからも貯めない場合は、
300万円 ÷ 3万円 = 100回
です。
毎月1回積み立てるなら100か月、つまり8年4か月になります。
5年間という条件を変えられない場合は、月3万円では120万円不足するため、ボーナスや支出、目標額など別の条件を調整します。
- 端数が出たらいくら積み立てればよい?
-
まず、割り算の結果を目標額を下回らない金額へ切り上げます。
たとえば200万円÷60回なら約3万3333.33円なので、1円単位の最低設定額は3万3334円です。そのうえで管理しやすくしたい場合は、家計に無理がなければ3万4000円などへ切り上げてもよいでしょう。
重要なのは数円単位の違いを何度も気にすることではなく、必要額を下回らず、生活の中で継続できる金額を設定することです。
- 現在貯金とボーナスだけで300万円を超える場合は?
-
現在の貯金と、60か月の積立期間中に確保できるボーナス貯蓄総額だけで300万円以上になるなら、毎月必要な追加貯蓄額は0円です。
ただし、将来のボーナス額は変わる可能性があります。予定していたボーナスを確保できなかった場合は、その時点の現在残高と残り積立回数から改めて計算してください。
- 途中で貯金を使ってしまったらどうする?
-
その時点の現在残高と、残りの積立期間中に確保できるボーナス貯蓄額を使い、残り積立回数で再計算します。
たとえば24回積み立てたあとなら、残りは36回です。
最初の60回へ戻るのではなく、現在地から残りの回数を使って新しい必要額を出します。
5年で300万円貯めるためのまとめ
5年で300万円を貯める場合、現在の貯金もボーナスもなければ、基本となる金額は毎月5万円です。
この記事では、今月から毎月1回、合計60回積み立てるケースを5年間として考えています。
本当に知りたいのは、一般的な5万円ではなく、自分には毎月いくら必要なのかでしょう。
まず、口座残高ではなく300万円の目標へ使える現在貯金を確認します。次に、60か月の積立期間中に実際に受け取り、そのうちいくらを貯蓄へ回せるかを確認してください。
基本式は次のとおりです。
毎月必要な貯蓄額 =(300万円 − 目標に使える現在の貯金 − 60か月の積立期間内に確保できるボーナス貯蓄総額)÷ 60か月
計算結果が0円未満になる場合は、毎月必要な追加貯蓄額を0円として考えます。
次に、その金額と家計から積み立てられる金額を比べます。
家計側は、
毎月の積立可能額の目安 = 手取り収入 − 毎月の生活支出 − 年払い費用や特別費の月割り準備額
として確認できます。
不足している場合は、支出、ボーナス、期間、目標額の中から調整できる条件を探します。運用益については、不足額を埋める確定額として最初から計算へ入れません。
そして、必要額を下回らない範囲で、自分が管理しやすく続けられる積立額を決めます。
5年間の計画を最初から完璧に固定する必要はありません。実際に積み立て、半年から1年程度を目安に現在地を確認し、予定との差があればその理由まで振り返ります。
「5年後に300万円」という大きな数字を、「今月から毎月○円」という自分の数字へ変えること。そこまでできれば、貯蓄計画は遠い目標ではなく、現在の家計を見ながら進められる具体的な計画になります。
参考資料
本記事のような資金計画を考える際は、J-FLEC「生活設計は引き算で生活設計を考えよう!」や金融庁「ライフプランシミュレーター」などを家計管理・生活設計の参考にできます。
金融庁のライフプランシミュレーターでは、収入や支出、現在の資産などをもとに将来の家計収支を確認できます。一方、JAバンク「積立計画シミュレーション」では目標金額や期間などから積立額を試算でき、中国ろうきん「GOAL貯蓄診断」では目標額、期間、ボーナス割合から毎月とボーナスの貯蓄額を確認できます。いずれも設定した条件に基づく試算として利用し、収入や支出などの前提が変わった場合は改めて計算することが大切です。