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人口減少が進む地方に老後も住み続けられる? FP視点で確認したい7つのポイント

住み慣れた家には、数字では測れない安心感があります。長く暮らしてきた地域であれば、近所の道も季節ごとの景色も、どこへ行けば何があるのかも身体が覚えているでしょう。できることなら、老後もこのまま暮らし続けたいと考える人は少なくありません。

その一方で、近所のスーパーが閉まり、バスの本数が減り、以前より空き家が増えてくると、「80代になっても、この町で普通に暮らしていけるのだろうか」と不安になることがあります。今は車を運転できても、10年後や20年後も同じように動けるとは限らないためです。

地方の老後を考えるとき、人口減少率だけを見て「この地域には住み続けられない」と結論づける必要はありません。確認したいのは、年齢を重ねた自分が病院へ通えるか、食料や日用品を確保できるか、車を手放した後も移動できるか、そして持ち家を無理なく維持できるかという、もっと生活に近い条件です。

この記事では、まず人口推計を入口として暮らしに必要な7つのポイントを確認し、その結果を「生活機能」「代替手段」「家計」「出口」という4つの軸で判断します。言い換えれば、7つのポイントで調べ、4つの軸で判断するという流れです。

重要なのは、現在だけを見ることではありません。今は利用できている病院やスーパー、公共交通がどのような状態にあり、自治体が将来どの方向へ地域を整備しようとしているのかも確認しながら、20年後の自分へ視点を移していきます。

人口減少という大きな数字を見て不安になるのではなく、20年後の自分がこの家の玄関を出た後も生活を成立させられるかという問いに置き換えると、自分が確認するべきことが見えやすくなります。

TABLE OF CONTENTS
目次

地方に老後も住み続けられるかは人口減少率だけでは決まらない

自分の町の将来人口を調べて、大きな減少率が表示されると、少なからず不安になるでしょう。「人口が半分近くになるなら、いずれ住めなくなるのでは」と感じるのも自然な反応です。

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口 令和5年推計」は、2020年国勢調査を基に、市区町村別の人口を2050年まで5年ごとに推計しています。なお、福島県の浜通り地域に属する13市町村については、市町村ごとではなく、まとめて一つの地域として推計されています。

これらは将来を確定させた数字ではなく、出生、死亡、人口移動などについて一定の仮定を置いたモデルによる予測です。そのため、2050年の人口が何人になるかは重要な情報である一方、その数字だけで老後の居住可否を決めることはできません。

実際の暮らしを左右するのは、自宅の周辺に医療、買い物、交通、介護といった生活機能がどのような形で残り、それを自分が利用できるかどうかです。

国土交通省は、居住機能や医療、福祉、商業などの都市機能を誘導し、公共交通と連携させる「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方を示しています。立地適正化計画は、こうした持続可能な都市構造を考えるための制度の一つです。

つまり、市町村全体の人口が減少していても、生活機能が集まる地域では一定の利便性が維持される可能性があります。反対に、市全体としては比較的人口が残っていても、自宅が医療や商業の拠点から離れており、車以外の移動方法が乏しいなら、高齢になった後の生活負担は大きくなるでしょう。

人口は「町全体がどう変わるか」を見る数字ですが、老後に本当に知りたいのは「自分の生活が続くか」です。この二つを分けて考えることが、地方で老後も住み続けられるかを判断する第一歩になります。

2050年までの市町村別将来人口を確認する

最初に、自分が暮らしている市町村の将来人口を確認してみましょう。数字を見ることで不安が強くなりそうだと感じる人もいるかもしれませんが、漠然とした不安のまま考え続けるより、人口がどの程度変化すると予測されているのかを知ったほうが、その後に何を調べるべきかが見えてきます。

国立社会保障・人口問題研究所では、2020年から2050年までの市区町村別の将来推計人口を確認できます。ただし、先ほど触れた福島県浜通り地域の13市町村については、一つの地域として推計されています。

ここで見るのは、単純な減少率だけではありません。自分が70代や80代になるころ、自治体全体の人口はどの程度になるのか、高齢者の割合はどう変化するのか、周辺の中心都市とはどのようにつながっているのかまで見ていくと、その先の医療や買い物、交通の問題を考えやすくなります。

銚子市の将来人口から考える

千葉県銚子市は、2020年の5万8,431人から2050年には2万8,770人になるとモデルでは予測されています。2020年を100とした2050年の指数は49.2で、人口は約50.8%減少する計算です。

数字だけを見れば、「半分近く減るのか」と不安になるでしょう。しかし、ここから直ちに「銚子市には老後まで住めない」という結論を出すことはできません。

次に見るべきなのは、自宅の周囲に医療や買い物機能がどこまで残る可能性があるのか、公共交通がどのように位置づけられているのかという、より具体的な生活条件です。

人口推計は、退去を促す赤信号ではありません。むしろ、どこを詳しく確認する必要があるのかを教えてくれる入口として使うほうが実用的です。

ニセコ町の将来人口から考える

北海道ニセコ町では、2020年の5,074人から2050年は4,852人になるとモデルでは予測されています。2050年の指数は95.6で、2020年からの減少幅は約4.4%です。

銚子市とは大きく異なりますが、人口減少率が小さいからといって、町内のどの住宅でも老後まで安心して暮らせると判断することはできません。中心部に近い住宅と離れた住宅では、病院までの距離も買い物環境も交通手段も違うからです。

まず人口を見る。その数字を確認したうえで、自分の家から生活が成立するかを考える。この順番を意識すると、人口減少という大きな話を、自分の暮らしへ落とし込みやすくなります。

市町村 2020年 2050年 2050年の指数 2020年からの減少幅
千葉県銚子市 5万8,431人 2万8,770人 49.2 約50.8%
北海道ニセコ町 5,074人 4,852人 95.6 約4.4%

地方の老後で確認したい7つのポイント

人口推計を確認したら、次は自分の日常へ視点を近づけます。ここからの7項目が、この記事で最も重要な確認事項です。

判断するときは、今困っているかどうかだけを見るのではなく、75歳や80歳になった自分でも同じ場所で生活できそうかを想像してみてください。

1 病院と診療所

最初に確認したいのは医療です。

50代の今は病院へほとんど行かない人でも、年齢を重ねれば、定期的に薬を受け取ったり、検査を受けたりする機会が増える可能性があります。そのため、「市内に病院があるから大丈夫」という確認だけでは足りません。

自宅から普段利用できそうな内科などへ何分かかるのか、車を使わない場合にはどのように通うのか、さらに専門的な医療が必要になったときはどこまで移動するのかまで確認しておきましょう。

車なら15分でも、バスを使うと乗り換えが必要になり、往復に数時間かかることがあります。50代の今なら我慢できても、80代ではその移動自体が通院をためらう理由になるかもしれません。

大切なのは病院の数ではなく、自分が通院を続けられる医療環境かどうかです。

2 スーパーと日用品

次は食料品や日用品です。

現在営業しているスーパーが20年後も同じ形で残っているとは限りませんが、店舗が減っても、生協、ネットスーパー、宅配、移動販売などで補える地域があります。そのため、一つの店舗だけを見るのではなく、複数の調達方法を確認しておくことが重要です。

今は「スーパーまで車で10分だから問題ない」と感じるかもしれません。それでも車を使わずに生活すると考えたとき、牛乳や米、飲料水、トイレットペーパーといった重い物やかさばる物をどう運ぶのかまで考えると、買い物の問題は急に現実味を帯びてきます。

確認したいのは、店が存在するかどうかだけではありません。必要な物を自宅まで届けられる方法があるかまで見ておきましょう。

3 公共交通

3つ目は公共交通です。

現在の時刻表だけを確認しても、20年後の状況は分かりません。そこで確認しておきたいのが、自治体の「地域公共交通計画」です。

国土交通省は、地方公共団体を中心として地域公共交通計画を作成し、地域交通を持続可能な形へ再構築する仕組みを設けています。自治体によっては、既存の路線バスを維持するだけでなく、デマンド交通や乗合タクシーなどを組み合わせる方向性が示されています。

自宅周辺の路線を維持する考えなのか、別の移動手段へ切り替えるのか、鉄道駅や中心部への接続を重視しているのかを確認すると、現在の時刻表だけでは見えない地域の方向性が分かります。

もちろん、行政計画がそのまま20年後の交通を保証するわけではありません。それでも「今バスがあるから大丈夫」と考えるより、自治体が将来どのような交通網を維持しようとしているのかまで確認したほうが、老後の生活を考える材料になります。

4 車を運転できなくなった後

地方暮らしでは、車が生活の一部になっている人も多いでしょう。スーパーも病院も銀行も車で行き、雨の日でも玄関から車へ乗れば移動できます。

便利であるほど、車がない暮らしは想像しにくいものです。そこで一度、明日から車を運転しないとしたら、この家で1週間暮らせるだろうかと考えてみてください。

病院へ行く方法はあるか、食料はどう確保するか、役所や銀行へ行けるか、友人に会いに行く方法は残るか。鉄道、路線バス、デマンド交通、タクシー、家族による送迎、宅配などを組み合わせると、実際に使える選択肢が見えてきます。

すべてを公共交通だけで完結させる必要はありません。重要なのは、現在の車に代わる方法を複数用意できるかどうかです。

老後の地方暮らしでは、「車が必要か」という二択ではなく、車を手放した後でも生活を組み直せるかを考えたほうが現実的です。

5 持ち家の固定資産税と修繕費

住宅ローンを完済すると、「これで老後の住居費はかなり楽になる」と感じるでしょう。確かに毎月の家賃はなくなりますが、固定資産税や火災保険に加え、外壁、屋根、給湯器、水回りなどの維持費は残ります。

庭が広ければ草刈りや樹木の手入れが必要になり、積雪地域では除雪を外部へ頼むこともあるでしょう。今は自分でできている作業でも、年齢を重ねれば人に頼みたくなることがあります。そのとき、それまで体力で負担していたものが家計支出へ変わります。

持ち家には資産としての側面がありますが、同時に、維持費と将来の処分まで考える必要がある住宅でもあります。

50〜60代の元気なうちに、屋根、外壁、給湯器、水回りなどの更新時期を整理してみましょう。「いつか何百万円もかかる」という漠然とした不安を、時期と金額へ分けるだけでも、資金準備はしやすくなります。

6 家を売る貸すという出口

「この家で最後まで暮らすつもりだから、売却について考える必要はない」と思っている人もいるでしょう。

それでも、老後の出口は一度確認しておく価値があります。配偶者との死別、病気、介護施設への入居、子どもとの同居などによって、予定していたより早く家を離れる可能性があるためです。

国土交通省の不動産情報ライブラリでは、不動産の取引価格や地価だけでなく、都市計画、防災、周辺施設などの情報を確認できます。近所で住宅や土地が実際に取引されているかを見るだけでも、自宅の市場性を考える材料になるでしょう。

ここで避けたいのが、「人口が減る地域だから家の価値は必ずなくなる」という考え方です。人口動態は住宅需要へ影響する要因の一つと考えられますが、個々の住宅は立地、交通、建物状態、土地条件、周辺環境などによって条件が異なります。

また、価格と売りやすさも同じではありません。ある程度の価格で売却できる可能性があっても、買い手が見つかるまで長い時間が必要なら、老後の出口としては扱い方が変わります。

売却額だけでなく、必要になったときに動かせる家なのかという流動性も確認しておきましょう。

7 家族と介護サービスとの距離

最後は、人との距離です。

これは人口統計には表れません。子どもが車で30分の場所に暮らしている場合と、新幹線や飛行機を使わなければ会えない場合では、同じ家であっても老後の条件は変わります。

さらに介護が必要になれば、訪問介護や通所介護などを利用できる環境も重要です。

介護保険事業計画は3年を1期としており、第9期は2024〜2026年度、第10期は2027〜2029年度です。2026年時点では、第10期計画策定へ向けた各種調査や準備が進められています。

自治体のウェブサイトで「高齢者福祉計画」「介護保険事業計画」と検索し、自宅から利用できそうなサービスがどこにあるのか、家族が緊急時に来るまでどの程度かかるのかまで確認してみましょう。

「もし自分一人では入浴できなくなったら、誰に頼るだろう」と考えるのは、気の進むことではないかもしれません。それでも、元気なうちに考えるからこそ、自分の希望を残したまま準備できます。

自分の町に老後も住めるか10項目チェックリスト

ここまでの7つのポイントを、自分の地域へ置き換えてみましょう。このチェックリストには全国共通の合格点はなく、7個なら安心、4個なら移住という判定をするためのものでもありません。

チェックできなかった項目を、「これから確認したり準備したりする場所」と考えるために使います。

  • 国立社会保障・人口問題研究所で2050年までの将来推計人口を確認した
  • 策定されている場合は立地適正化計画と自宅周辺の位置付けを確認した
  • 車を使わず通える病院や診療所を確認した
  • 宅配や移動販売を含む複数の買い物方法を確認した
  • 自治体の地域公共交通計画や地域交通の方針を確認した
  • 車を手放した後の移動方法と年間交通費を試算した
  • 固定資産税と今後10〜20年間の住宅修繕費を確認した
  • 自宅周辺の不動産取引状況と売却時の出口を確認した
  • 高齢者福祉計画や介護保険事業計画を確認した
  • 緊急時に頼れる家族や知人までの距離を確認した

なお、立地適正化計画はすべての市町村で策定されているわけではありません。資料が見つからない場合には、自治体の都市計画部門などへ、将来の生活拠点や公共交通の考え方を問い合わせる方法もあります。

7つを調べた後は4つの判断軸で考える

7つのポイントを確認しただけでは、「結局、この家に残ってよいのか」という答えまでは出ません。そこで、調べた結果を4つの軸へ整理します。

最初に見るのは、必要な生活機能を利用できるか、さらに自治体計画などから将来の方向性を確認できるかという点です。その生活機能を利用しにくくなった場合には、次に代替手段を確認し、その費用を家計から払い続けられるかを考えます。最後に、それでも生活が難しくなった場合の出口を用意できるかを見ていきます。

つまり、4つの判断軸は、生活機能、代替手段、家計、出口という順番です。

つまり、4つの判断軸は、生活機能、代替手段、家計、出口という順番です。 4つの判断軸 生活機能 代替手段 家計 出口 生活機能、代替手段、家計、出口という順番です。
つまり、4つの判断軸は、生活機能、代替手段、家計、出口という順番です。

必要な生活機能と将来の方向性を確認する

最初は、現在の生活基盤と将来の方向性を一緒に確認します。

自宅から病院へ無理なく通えるか、食料品や日用品を確保できるか、自分が利用できる公共交通があるか。まずは、今の暮らしを支えている機能を確認しましょう。

そのうえで、立地適正化計画や地域公共交通計画などが策定されている場合には、自宅周辺や近隣の生活拠点がどのように位置づけられているのかを見ます。中心部へ医療や商業機能を集約する方向なのか、自宅周辺から中心拠点への交通を維持する方針が示されているのかといった点です。

もちろん、行政計画を読んだからといって、20年後の病院やスーパーの営業を予測できるわけではありません。将来の存続を保証する資料でもないでしょう。

それでも、現在の生活基盤と自治体が示す将来の方向性を並べて確認することで、自宅周辺の弱点を早めに把握しやすくなります。

利用しにくくなったときの代替手段があるか

次に、現在利用している生活機能が使いにくくなった場合を考えます。

路線バスが減った場合にはデマンド交通やタクシーを利用できるか、自分でスーパーへ行けなくなった場合には宅配や移動販売を使えるか、庭仕事が難しくなった場合には外注できるかを確認します。

家族に頼れない状況であれば、介護サービスや民間サービスを組み合わせる方法もあるでしょう。

現在の方法がなくなること自体より、その次の方法を用意できないことのほうが、老後の生活では大きな問題になる可能性があります。

一つの方法に依存するのではなく、「これが難しくなったら次はこの方法を使う」と考えられる状態をつくっておくことが大切です。

その費用を払い続けられるか

代替手段が見つかったら、次に家計を確認します。

タクシーを利用すれば通院できるとしても、利用回数が多ければ毎月の負担は大きくなります。宅配を増やせば商品代以外の利用料や配送料がかかる場合があり、住宅管理を外注するようになれば、その支出も継続するでしょう。

つまり、代替手段は「存在する」だけでは十分ではありません。年金や預貯金から、その費用を長期間払い続けられるかまで考える必要があります。

ここで初めて、「この場所で暮らせるか」という問いが、「家計として続けられるか」というFPの問題へ変わります。

暮らしが難しくなった場合の出口があるか

最後は第二案です。

今の家を売却できるのか、同じ市町村の中心部へ移れるのか、近隣都市へ住み替えられるのか、家族の近くへ移ることができるのか。介護施設へ入る可能性も考えるなら、その際に自宅をどうするのかまで整理しておきます。

「この家で最後まで暮らす」と希望することと、住み替えの準備をしておくことは矛盾しません。むしろ、第二案があるからこそ、今の家に安心して住み続けられる場合もあります。

住み続ける準備と住み替える準備を同時に進めることで、将来の選択肢を残しておきましょう。

住み替えを具体的に比較したい状態

一つ問題が見つかったからといって、すぐに移る必要はありません。

たとえば公共交通だけが弱ければ、タクシーやデマンド交通で補えるかもしれません。住宅修繕だけが心配なら、資金を準備することで対応できる可能性があります。

ただし、自宅周辺の生活機能が縮小する方向にあり、車を手放すと通院も買い物も難しく、代替交通を使えば家計負担が大きくなるうえ、住宅の大規模修繕も近づいているというように、複数の問題が重なれば話は変わります。

さらに近くに頼れる家族がいない場合には、現在の家だけを前提に資金計画を作るのではなく、中心部や別の地域への住み替えも具体的な比較対象へ入れたほうがよいでしょう。

つまり、生活基盤の将来に不安があり、代替手段でも補い切れず、家計負担も大きくなったときが、住み替えを本格的に考える一つのタイミングです。

地方の老後で増える支出を家計に入れる

地方の持ち家について、「住宅ローンを完済すれば老後の住居費はかなり安くなる」と考える人は少なくありません。確かに毎月の家賃はありませんが、車、住宅修繕、固定資産税、庭の管理、寒冷地なら暖房や除雪など、地域で生活を続けるための費用は残ります。

そのため、家賃だけで「安い」「高い」を判断するのではなく、その場所で暮らし続けるために必要な総額で考えることが重要です。

車あり車なしの生活費を比較する計算例

ここから示す数字は、公的な平均値ではありません。また、「車を持つほうが得」「車を手放すほうが得」と結論づけるためのものでもありません。

自分の家計へ置き換えて考えるための架空例として見てください。

郊外で軽自動車を所有する場合、車両買い替え用の積立を年10万円、税金や保険や車検整備を年10万円、燃料や日常整備を年8万円と仮定すると、年間28万円になります。

一方、郊外に住んだまま車を手放す場合は、公共交通を年6万円、タクシーやデマンド交通を年18万円とし、年間24万円と仮定します。さらに中心部の賃貸住宅へ住み替え、徒歩で済む用事が増えた場合には、公共交通年6万円、タクシー年12万円の年間18万円と置いてみます。

移動費 郊外で車あり 郊外で車なし 中心部賃貸で車なし
車両買い替え積立年10万円0円0円
税金 保険 車検整備年10万円0円0円
燃料 日常整備年8万円0円0円
公共交通0円年6万円年6万円
タクシー デマンド交通0円年18万円年12万円
年間合計年28万円年24万円年18万円

この例から分かるのは、車を手放せば必ず移動費が大幅に下がるわけではないということです。

郊外に住み続けてタクシー利用が増えれば、車を保有していたときとの差は小さくなる可能性があります。反対に、病院やスーパーに近い中心部へ移れば、移動距離そのものが短くなり、タクシーを使う回数を減らせることもあるでしょう。

交通費は「車ありか車なしか」だけではなく、どこに住み、どのような住宅形態を選ぶかと組み合わせて考える必要があります。

20年間の支出を比べる簡易FP計算例

次に、65歳から85歳になるまでの20年間を考えてみます。

この比較の目的も、「どちらが得か」を決めることではありません。持ち家と中心部の賃貸では支出する項目そのものが違うため、自分の固定資産税、家賃、車、修繕費などを入れ替えて計算する方法を見るための例です。

なお、持ち家の売却価格や残存資産、将来の家賃変動、介護費などを含めた純資産比較ではありません。

郊外の持ち家へ住み続けるケース

65歳の夫婦が、住宅ローンを完済した築25年の戸建てに住んでいると仮定します。

65〜79歳の15年間は車を1台所有し、80歳で車を手放した後は、80〜84歳の5年間を公共交通とタクシーで生活する設定です。

固定資産税等は年8万円、住宅修繕やバリアフリー対応は20年間で300万円、水道光熱費や除雪などは年28万円と仮定します。

費用項目 計算方法 20年間
固定資産税等8万円×20年160万円
住宅修繕等仮定額300万円
車あり期間の移動費28万円×15年420万円
車なし期間の移動費24万円×5年120万円
水道光熱 除雪等28万円×20年560万円
合計約1,560万円

持ち家であっても、20年間で考えると一定の支出が続きます。

「家賃がないから住居費はほとんどかからない」と思っていた人には、少し印象が変わるかもしれません。

ただし、これは持ち家が不利という意味ではありません。毎月の家賃を払わずに済むことは大きな特徴であり、重要なのは、家賃がないことと住み続けるための費用がないことを混同しないことです。

地方中心部の賃貸へ住み替えるケース

次に、65歳で同じ地域の中心部へ移り、家賃7万円の賃貸住宅で暮らすケースを考えます。

ここでは比較条件を明確にするため、「中心部への住み替え」は賃貸住宅への移動として扱います。中古マンションや戸建てを購入する場合には、購入費、固定資産税、管理費、修繕費などが発生するため、別の条件で計算する必要があります。

車は手放し、先ほどの「中心部賃貸で車なし」の年間交通費18万円を使います。また、共益費や更新関連費を20年間で200万円、引っ越しなどの初期費用を50万円、水道光熱費を年20万円と仮定します。

費用項目 計算方法 20年間
家賃7万円×12か月×20年1,680万円
共益費 更新関連費仮定額200万円
引っ越し等初期費用仮定額50万円
移動費18万円×20年360万円
水道光熱費20万円×20年400万円
合計約2,690万円

この架空例では、持ち家と賃貸で支出構造に大きな違いがあります。

しかし、ここで単純に差額を計算して「持ち家に残ったほうが得」と判断することはできません。中心部へ住み替える場合には、現在の持ち家を売却して資金を得られる可能性がある一方、持ち家に残れば想定以上の大規模修繕や将来の解体費用が発生することもあります。また、家賃が20年間変わらないとも限りません。

この表で見るべきなのは勝ち負けではなく、持ち家では固定資産税や修繕へ支出し、中心部の賃貸では家賃や共益費へ支出するという構造の違いです。

自宅の固定資産税、年間の車関連費、今後必要になりそうな修繕費、住み替え候補の家賃などを自分の数字へ置き換えたとき、初めて自分自身のFPシミュレーションになります。

FPシミュレーションは未来を正確に当てるためではなく、選択肢ごとに何へお金を使うのかを見えるようにするための作業と考えるとよいでしょう。

人口が減っても家の価値が必ずなくなるわけではない

地方で老後も暮らすことを考えていると、「この家は20年後に売れるのだろうか」と不安になることがあります。長年住宅ローンを払い、手入れを続けてきた家だからこそ、その将来が気になるのは自然なことでしょう。

人口減少は住宅需要へ影響する要素の一つと考えられますが、それだけで個別住宅の将来価値を決めることはできません。

老後の持ち家は、「資産価値」と「居住価値」を分けて考えると整理しやすくなります。

売却できるかという資産価値

資産価値を見るときは、近隣で住宅や土地が実際に取引されているか、交通アクセスはどうか、周辺に生活施設があるか、土地や建物の状態はどうかといった情報を組み合わせます。

国土交通省の不動産情報ライブラリでは、取引価格や地価、都市計画、防災、周辺施設などを確認できます。

購入したときの価格と現在の市場価格は同じではなく、自分にとっての思い入れと市場価値も別です。少し寂しく感じるかもしれませんが、老後資金を考えるうえでは、一度切り分けて確認しておいたほうが安心でしょう。

暮らし続けることで得られる居住価値

一方、売却価格では測れない価値もあります。

住宅ローンを完済しており住居費を抑えやすい、病院へ通いやすい、近所に友人がいる、庭仕事を楽しめる、土地勘があり安心して暮らせるといった条件は、その家に住む人にとって大きな意味を持ちます。

市場価格がそれほど高くなくても、維持費を負担でき、車を手放した後も生活できるなら、老後の住まいとして十分な役割を果たす可能性があります。

反対に、高く売れる住宅でも、階段が多く、病院まで遠く、維持管理が負担になれば、老後の暮らしやすさは別問題です。

立地適正化計画は価格保証ではない

立地適正化計画が策定されている自治体では、居住誘導区域や都市機能誘導区域などを確認できる場合があります。

ただし、居住誘導区域だから住宅価格が維持されると保証されるわけではなく、区域外だから必ず売れなくなるとも言えません。

立地適正化計画は、将来のまちづくりや生活機能の方向性を考える資料として使い、不動産の市場性については、実際の取引事例などから別に確認することが適切です。

リ・バース60を考える場合

持ち家を利用した資金調達として、住宅金融支援機構と提携する金融機関が提供する「リ・バース60」を聞いたことがある人もいるでしょう。

リ・バース60は、住宅の建設、購入、リフォーム、住宅ローンの借り換えなどに利用できるリバースモーゲージ型住宅ローンです。住宅金融支援機構は、住宅融資保険などを通じて金融機関の商品提供を支援しています。

一方、生活資金には利用できず、年齢や融資限度額などの商品条件も取扱金融機関によって異なります。

そのため、「家を担保にすれば生活費を自由に借りられる」と考えるのではなく、利用する場合は使途や条件を取扱金融機関で個別に確認する必要があります。

老後の住まい3つの選択肢を比較する

ここまで確認したら、住まい方そのものを比較してみましょう。

人口減少の話を考えていると、「今の家に残るか、都会へ移るか」という二択になりがちですが、実際にはその間に、同じ市町村や近隣の中心部へ住み替えるという方法があります。

ここでは比較条件を明確にするため、中心部への住み替えについては賃貸住宅へ移るケースを想定します。中心部で住宅を購入する場合は、取得費、固定資産税、管理費、修繕費などが発生するため、別の条件で比較する必要があります。

比較項目 今の持ち家に住み続ける 地域中心部の賃貸へ住み替える 地域外へ移住する
住居費家賃を抑えやすい家賃と共益費が継続する住宅形態と地域による
車への依存立地により高い下げやすい立地による
医療と買い物現在地による改善しやすい移住先による
住宅管理自分で続ける必要がある戸建てより減らしやすい住宅形態による
人間関係維持しやすい地域内なら比較的維持しやすい再構築が必要になる可能性
環境変化小さい中程度大きくなりやすい
将来の出口自宅処分が課題になる可能性退去という選択を取りやすい住宅形態による

今の家へ住み続ければ、見慣れた景色や長年の人間関係を残せます。玄関を開けたときにいつもの山が見え、近所を歩けば知っている人に会うという安心感は、家計表には入力できません。

それでも、老後の暮らしでは大切な価値です。

一方、同じ地域の中心部の賃貸へ住み替えれば、人間関係や土地勘を大きく失わず、病院や買い物への距離を短くできる可能性があります。また、戸建ての庭や屋根などを自分で管理する負担を減らしやすいことも利点でしょう。

地域外へ移住すれば、子どもの近くに住む、医療や交通の選択肢を増やすといった目的を実現できる場合がありますが、新しい地域で人間関係をつくり直す負担も考える必要があります。

一番安い住まいが、一番暮らしやすいとは限りません。

お金と同じくらい、「自分は何を残したいのか」「何なら手放せるのか」を考えることが、老後の住まい選びでは重要になります。

50〜60代から始めたい老後の住まい準備

老後の住まいについて考えると、「まだ元気なのに、今から考えるのは早すぎるのでは」と感じるかもしれません。

しかし、今は運転でき、物件を自分で見に行くこともでき、家の修繕や家族との話し合いも自分の意思で進めやすい時期です。だからこそ、選択肢が多いうちに準備を始める意味があります。

今すぐ家を売る必要はなく、まずは自治体の資料を一度確認し、車を使わない生活を小さく試し、自宅の修繕時期を数字にしてみるだけでも十分です。そのうえで家族と自分の希望を共有すれば、漠然とした不安が少しずつ具体的な課題へ変わっていきます。

自治体の将来計画を一度確認する

自分の市町村の公式サイトを開き、将来人口を確認したうえで、策定されている場合は立地適正化計画を探してみましょう。

さらに地域公共交通計画、高齢者福祉計画、介護保険事業計画なども確認します。すべてを最初から最後まで読む必要はなく、自分の地区名や最寄り駅、バス路線の名前を資料内で検索するだけでも構いません。

「自宅周辺から中心部への交通を今後も確保する方針が示されている」と分かれば、一つ安心材料が増えます。反対に、自分の地域についてほとんど記載が見つからなければ、それをきっかけに自治体へ問い合わせることもできます。

資料を見る目的は、未来を正確に予測することではありません。今後の地域の方向性を知り、自分が次に何を確認すべきかを考えるためです。

車を使わない生活を小さく試す

将来の交通を考えるなら、一度だけ車を使わずに暮らしてみると、想像だけでは分からなかったことが見えてきます。

休日の一日を使い、スーパーへ歩く、バスで病院の近くまで行く、帰りだけタクシーを使う、ネットスーパーを注文してみるなど、できる範囲で試してみましょう。

実際に動くと、「バス停までの坂が思ったよりきつい」と気づくこともあれば、「タクシーを月数回利用する程度なら、車の維持費と比較できそうだ」と感じることもあります。

頭の中で80代の生活を想像するだけではなく、元気なうちに一日だけ先に体験してみることで、自分の家の弱点と強みを確認できます。

自宅の修繕予定を数字にする

住宅については、屋根や外壁を最後に修繕した時期、給湯器の使用年数、水回りの状態などを確認し、今後10〜20年で必要になりそうな修繕を書き出してみましょう。

「老後に家が壊れたらどうしよう」と漠然と考えていると不安は大きくなりますが、「70歳前後に外壁修繕が必要になりそうなので100万円程度を仮置きする」と整理できれば、毎年いくら準備する必要があるのかという家計の問題に変えられます。

不安そのものを完全になくすことは難しくても、時期と金額へ分けることで、備える対象は明確になります。

家族と希望を言葉にする

自分では「この家で最後まで暮らしたい」と考えていても、その希望を家族へ伝えていないことがあります。

車を手放した後はどうするのか、配偶者とどちらか一人になった場合にはどうするのか、介護が必要になった場合にはどのような生活を希望するのか、施設へ移るなら自宅をどうするのかといったことを、元気なうちに一度話しておきましょう。

重い家族会議にする必要はありません。食事をしながら話す程度でも、自分の希望を共有しておく意味はあります。

動けなくなってからすべてを家族に決めてもらうのではなく、自分が選べる時期に考えを伝えておくことが、将来の選択肢を守ることにつながります。

数年後にもう一度確認する

老後の住まいは、一度調べたら終わりではありません。地域も変わりますし、自分の身体も変化するためです。

数年前には普通に歩けた坂道が少しつらくなる一方で、新しいデマンド交通や宅配サービスが始まることもあります。

退職、病気、免許返納、配偶者との死別など、生活が大きく変化したタイミングでは、もう一度7つのポイントを確認してみましょう。

病院や買い物へ無理なく行けるか、移動方法は残っているか、自治体の将来方針に変化はないか、住宅を維持できるか、介護や住宅の出口は確保できるかを見直します。

前回と比べて大きな問題が増えていなければ、「まだこの家で暮らせそうだ」と判断できるでしょう。反対に、生活機能が縮小し、代替手段でも補えず、家計負担まで増えているなら、中心部の賃貸や別の地域への住み替えを具体的に検討し始める時期かもしれません。

7つを定期的に確認し、4つの軸でもう一度判断する。 老後の住まいは、一度答えを出して終わるものではなく、自分と地域の変化に合わせて見直していくものです。

地方の老後暮らしでよくある質問

人口が減る地方には住まないほうがいい?

人口減少率だけを理由に、住まないほうがよいとは言えません。

人口が減ることで生活サービスの維持が課題になる可能性はありますが、地域によって医療や商業の配置、公共交通の方針は異なります。

自治体全体の人口だけを見るのではなく、自宅から病院、買い物、交通へアクセスできるか、自治体が今後どのような地域構造を目指しているかまで確認して判断することが大切です。

自分の市町村の将来人口はどこで調べられる?

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の地域別将来推計人口」で確認できます。

令和5年推計は2020年国勢調査を基に、市区町村別人口を2050年まで5年ごとに推計しています。ただし、福島県の浜通り地域に属する13市町村については、市町村別ではなく一つの地域として推計されています。

自治体独自の人口ビジョンを見る場合には、社人研の将来推計と、自治体が政策上掲げる目標人口を分けて読むと理解しやすくなります。

老後も地方暮らしを続けるには車が必要?

地域と自宅の立地によって異なります。

鉄道やバスを利用しやすい地域もあれば、デマンド交通、タクシー、宅配などを組み合わせる必要がある地域もあります。

車が必要かどうかを頭の中だけで考えるより、一度車を使わない日をつくり、実際の交通費や所要時間を確認したほうが、自分の生活に合った判断をしやすくなります。

地方の持ち家は老後に売れなくなる?

必ず売れなくなるとは言えません。

人口動態だけではなく、立地、交通、土地や建物の状態、周辺環境などによって市場性は異なります。

近隣の取引情報を確認し、売却価格だけではなく、実際に買い手が見つかるまでどの程度かかりそうかという流動性も考えておきましょう。

何歳ごろから住み替えを検討すればいい?

全国共通の適齢期はありません。

ただし、40〜60代のうちから情報収集を始めることには意味があります。特に50〜60代は、自分で物件を見て回ったり、家計を比較したり、家族と相談したりしやすい時期です。

調べ始めることと、すぐに引っ越すことは別です。第二案を持っておけば、身体や家族の状況が変わったときに、慌てず選択しやすくなります。

地方暮らしと都市部ではどちらが老後資金を抑えられる?

一律には決まりません。

地方の持ち家なら家賃を抑えられる一方で、車や住宅修繕などに費用がかかる可能性があります。

中心部の賃貸へ住み替えれば家賃は増えますが、車を手放しやすくなり、戸建て住宅の管理負担を減らせる場合があります。中古マンションや戸建てを購入するのであれば、購入費、固定資産税、管理費、修繕費などを含めて別に比較する必要があります。

家賃だけではなく、固定資産税、修繕費、交通費、水道光熱費などを合わせて比較することが重要です。

まとめ

人口減少が進む地方で老後も住み続けられるかは、人口減少率だけでは決まりません。

まず2050年までの将来人口を確認したうえで、病院、買い物、公共交通、車を手放した後の移動、持ち家の維持費、住宅の出口、家族や介護サービスとの距離という7つのポイントを調べます。

その結果を、必要な生活機能を利用できるか、その将来の方向性を確認できるか、生活機能が使いにくくなった場合の代替手段があるか、その費用を払い続けられるか、それでも難しい場合の出口があるかという順番で判断していきましょう。

今の家に残ることが正解とは限りませんし、中心部へ移ることが正解とも限りません。大切なのは、人口減少という数字だけで、自分が長年積み重ねてきた暮らしを切り捨てないことです。

たとえば最初の一歩として、将来人口と自治体の計画を一度確認したうえで、休日に車を使わず買い物をしてみたり、自宅の修繕履歴を整理したり、家族との会話の中で将来の住まいについて自分の希望を伝えたりする方法があります。どれも大きな決断ではありませんが、実際に動いてみることで「今の家で続けられそうなこと」と「今から備えたほうがよいこと」が少しずつ見えてくるでしょう。

「この町は将来大丈夫だろうか」という大きな不安も、自分で確認できる項目へ分ければ扱いやすくなります。

地方だから残る、人口が減るから出ていくという二択にする必要はありません。

7つを確認し、4つの軸で判断し、状況が変わったらもう一度見直す。

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7つを確認し、4つの軸で判断し、状況が変わったらもう一度見直す。

その繰り返しが、地方で老後も住み続けられるかを自分自身で考え、将来の選択肢を残しておくための現実的な備えになるでしょう。

参考資料

国立社会保障・人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口 令和5年推計

国立社会保障・人口問題研究所 日本の地域別将来推計人口 報告書

国土交通省 立地適正化計画とコンパクト・プラス・ネットワーク

国土交通省 公共交通政策

国土交通省 地域公共交通計画等の作成の手引き

国土交通省 不動産情報ライブラリ

厚生労働省 介護保険最新情報掲載ページ

住宅金融支援機構 リ・バース60

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