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マンション管理計画認定で必要な組合員名簿・居住者名簿とは? 年1回の確認方法と申請前チェック

管理計画認定の準備を始めたものの、「組合員名簿は管理会社にあるはずだが、居住者名簿まで整っていただろうか」「最後に内容を確認したのはいつだっただろう」と手が止まる理事長や管理組合役員は少なくありません。

普段の管理運営で大きな問題が起きていなければ、名簿は管理室や管理会社に保管されているだけで十分だと思いやすいものです。しかし、現行の管理計画認定基準では、組合員名簿と居住者名簿が備えられ、年1回以上内容の確認が行われていることが求められています。

そこで、最初から制度全体を読み込むより、まず自分たちのマンションについて「組合員名簿と居住者名簿の双方があるか」「最後に内容を確認した時期が分かるか」「変更が判明したときに名簿へ反映できているか」という3点を確かめると、現在地が見えやすくなります。

この記事では、管理計画認定における名簿要件を整理したうえで、組合員名簿と居住者名簿の違い、現行基準にある「年1回以上の内容確認」と申請書類で使われる「年1回以上更新」という表現の違い、申請前のチェック方法、古い名簿の整理、年間運用、表明保証書、2027年4月1日以降の新基準まで順番に確認します。

制度を知って終わるのではなく、次の理事会で何を確認し、誰が何を進めればよいのかが見えるところまで落とし込んでいきましょう。

TABLE OF CONTENTS
目次

管理計画認定で求められる組合員名簿と居住者名簿

管理計画認定で名簿管理が確認される理由

管理計画認定というと、長期修繕計画や修繕積立金、管理規約などを思い浮かべる方が多いでしょう。そのため、認定基準を確認している途中で組合員名簿と居住者名簿が出てくると、「名簿まで認定に関係するのか」と意外に感じるかもしれません。

しかし、マンションの適正管理は、建物だけを維持すれば成立するものではありません。総会を開くためには区分所有者を把握して通知する必要があり、漏水事故や設備点検が発生すれば、現在その住戸に暮らしている人へ連絡しなければならない場面もあります。災害時には、平常時以上に迅速な連絡体制が必要になるでしょう。

現行の管理計画認定基準では、こうした平常時や緊急時の連絡に対応できる管理体制の一つとして、組合員名簿と居住者名簿が備えられ、年1回以上内容の確認が行われていることを求めています。

つまり、名簿は認定申請のためだけに作る添付書類ではありません。誰がマンションを所有しているのか、現在誰が住んでいるのかを必要な範囲で把握し、管理組合が機能し続けるための基礎資料です。

名簿が存在することと適切に管理されていることは違う

管理室の棚を開くと、きれいにファイリングされた名簿が見つかることがあります。その瞬間は「これなら問題なさそうだ」と安心するものですが、表紙を確認すると作成日は5年前で、その後の確認状況が分からないということもあるでしょう。

マンションでは、所有者変更だけでなく、外部所有者の住所変更、電話番号の変更、入居や退去などが日常的に起こります。作成当時は正確だった名簿でも、確認しないまま数年が過ぎれば、少しずつ現状とずれていきます。

そのため申請準備では、単にファイルの有無を見るのではなく、現在正式に使っている名簿はどれか、最後に確認した時期はいつか、変更が判明した場合にどのように反映しているかまで確認する必要があります。

もし古い名簿しか見つからなくても、そこで悲観する必要はありません。「古いかもしれない」という曖昧な不安を、「どの住戸の情報を確認する必要があるのか」という具体的な作業へ変えることが、名簿整備の出発点です。

マンション標準管理規約でも名簿管理が明確化されている

名簿管理については、マンション標準管理規約でも位置付けが明確になっています。

令和6年の改正では、従来の組合員名簿に加えて、賃貸居住者などを含む居住者名簿の作成と更新が明確化されました。さらに、令和7年改正版のマンション標準管理規約では、組合員名簿等の作成と保管、所定の届出があった場合の更新、毎年1回以上の内容確認が規定されています。

ただし、マンション標準管理規約は法律によって全国のマンションへそのまま適用される規約ではありません。各管理組合が管理規約を制定または変更するときの標準的なモデルとして、国土交通省が示しているものです。

そのため、「標準管理規約に書かれているから、自分たちの管理規約にも当然同じ条文がある」と思い込まず、現在使用している管理規約を実際に確認する必要があります。

名簿に関する届出や更新の条項がどのようになっているかを一度確認すれば、現在の管理が担当者の慣例だけで続いているのか、それとも規約に基づいた仕組みになっているのかが見えてくるでしょう。

組合員名簿と居住者名簿の違い

組合員名簿は区分所有者を把握するための資料

組合員名簿は、マンションの区分所有者を把握し、管理組合の運営に必要な連絡を行うための資料です。

総会招集通知を適切に送るためには、現在の区分所有者が誰なのかを把握する必要があります。また、所有者本人がマンションに住んでいない場合には、管理組合から必要な通知を届けられる連絡先を把握しておかなければなりません。

特に賃貸住戸では、部屋に住んでいる人と所有者が異なります。「郵便受けに名前があるから、その人が所有者だろう」と考えていると、管理組合の構成員を正しく把握できない可能性があります。

組合員名簿では、居住しているかどうかではなく、区分所有者として管理組合を構成している人を把握する視点が重要です。

居住者名簿は現在の居住者を把握するための資料

居住者名簿は、現在その住戸に暮らしている人への連絡を可能にするための資料です。

たとえば、705号室の区分所有者が遠方へ転居し、現在は別の家族へ住戸を貸しているとします。総会に関する連絡では区分所有者の情報が必要ですが、705号室で漏水が発生し、室内の確認を急がなければならない場面では、現在の居住者へ連絡できることが重要でしょう。

所有者しか分からなければ、所有者を経由して居住者へ連絡することになり、緊急時には対応に時間がかかる可能性があります。

組合員名簿と居住者名簿がそれぞれ求められている背景には、この「所有している人」と「現在住んでいる人」の違いがあります。

組合員名簿と居住者名簿の違いを比較する

比較項目 組合員名簿 居住者名簿
主な対象 区分所有者 現在の居住者
主な役割 総会招集など管理組合運営上の連絡 設備点検や緊急時など現在の居住者への連絡
外部所有者 把握対象になる 本人が居住していなければ居住者には当たらない
賃借人 原則として組合員ではない 現在居住していれば把握対象になり得る
記載する情報 管理目的に応じて管理組合が検討 管理目的に応じて管理組合が検討
全国統一のひな型 示されていない 示されていない
現行認定基準 備付けと年1回以上の内容確認 備付けと年1回以上の内容確認

国土交通省は、組合員名簿と居住者名簿について全国共通の記載事項やひな型を示していません。

そのため、「この項目を全部記載しなければ認定されない」という全国一律の名簿様式が存在するわけではなく、管理目的に応じて必要な情報を各管理組合で検討することになります。

一つのデータベースで管理する場合の考え方

ここからは、認定基準そのものではなく、名簿を実際に管理するときの運用上の考え方です。

全国統一の名簿ファイル形式が示されていないことから、実務では一つの表やデータベースの中で区分所有者情報と居住者情報を管理する方法も考えられます。

ただし、これは「一つにまとめれば認定上問題ない」と国が明示しているという意味ではありません。

一つの管理システムを使用する場合でも、少なくとも区分所有者と現在の居住者を明確に区別でき、それぞれの情報を確認できる構造にしておく必要があるでしょう。

たとえば、ファイル名だけを「組合員名簿・居住者名簿」に変更しても、賃貸住戸について所有者しか記録されていなければ、現在の居住者を把握する資料としては十分に機能しません。

形式を二つに分けるか一つにまとめるかより、必要な相手を適切に把握できているかを先に確認することが重要です。

年1回以上の内容確認と更新の違い

現行認定基準では年1回以上の内容確認

名簿要件で最も混乱しやすいのが、「内容確認」と「更新」という二つの表現です。

現行の管理計画認定基準本文では、組合員名簿と居住者名簿を備え、「1年に1回以上は内容の確認を行っていること」とされています。

一方、国土交通省の事務ガイドラインに掲載されている確認対象書類や表明保証書の作成例では、双方の名簿を備えて「年1回以上更新していること」という表現が使われています。

この表現差は、現行の公表資料そのものに存在します。

したがって、「認定基準は年1回以上更新することだけを求めている」と単純化してしまうと、基準本文の表現とは一致しません。

反対に、「内容確認だけすれば変更を反映しなくてもよい」と理解するのも、実際の名簿管理としては適切ではないでしょう。

実務では確認して変更があれば反映する

ここからは、公表されている制度文言を実際の管理へ落とし込むための運用整理です。

年次確認では、現在の登録情報と実態に違いがないかを確認し、変更が判明した場合には名簿へ反映する流れとして考えると分かりやすくなります。

たとえば、区分所有者の通知先住所を確認した結果、前年と変わっていなければ住所そのものを書き換える必要はありません。一方、確認によって通知先住所が変わっていることが判明したなら、その情報を現在の状態へ修正します。

つまり、年次確認の目的は「毎年どこかを書き換えること」ではなく、名簿を現在使える情報として維持することにあります。

この違いを最初に理解しておけば、後から表明保証書に「更新」という表現が出てきても戸惑いにくくなるでしょう。

現在の登録情報と実態に違いがないかを確認 変更が判明した場合 名簿へ反映
年次確認では、現在の登録情報と実態に違いがないかを確認し、変更が判明した場合には名簿へ反映する流れとして考えると分かりやすくなります。

随時更新と年次確認を組み合わせる

現行のマンション標準管理規約では、所定の届出があった場合の更新と、毎年1回以上の内容確認が分けて示されています。

この考え方は実務でも参考になります。

所有者変更や賃貸住戸の入居者変更を把握したときには、その情報を次回の年次確認まで寝かせるのではなく、必要に応じて反映します。

そのうえで年1回、名簿全体に届出漏れや古い情報が残っていないかを確認すれば、随時対応と定期点検の二段構えになります。

届出だけに依存すると、「管理会社には伝えたので管理組合にも共有されていると思った」「正式な届出が後から来ると思っていた」という認識のずれが生まれることがあります。

年次確認には、そうした小さな取りこぼしを見つける役割もあるでしょう。

管理計画認定申請前にまず確認する名簿チェックリスト

○△×で現在の状態を整理する

名簿の確認を始めると、「あれも足りない」「これも古い」と不足ばかりが目につき、申請そのものが遠く感じることがあります。

しかし、申請準備の段階で問題が見つかること自体は悪いことではありません。

むしろ「何が分からないのか分からない」という状態から、「居住者名簿の最終確認時期が分からない」と具体化できれば、その時点で次の作業が見えています。

次のチェックリストでは、○を確認済み、△を一部不足、×を未対応または確認不能として使います。

これは行政機関が使用する認定判定表ではなく、管理組合が申請前に現在地を整理するための実務用チェックリストです。

判定 確認項目 ○の目安 △または×の場合の対応
○ △ × 組合員名簿の備付け 現在使用する名簿を特定できる 保管場所と最新性を確認する
○ △ × 居住者名簿の備付け 現在の居住者を確認できる 賃貸住戸を中心に確認する
○ △ × 所有者と居住者の区分 双方を区別して把握できる 同一人物として扱っている住戸を点検する
○ △ × 年1回以上の内容確認 毎年確認している 最終確認時期と方法を調べる
○ △ × 変更時の情報反映 変更把握後に名簿へ反映している 届出から反映までの流れを整理する
○ △ × 年次確認の記録 実施時期や方法を後から確認できる 今回の確認から履歴を残す
○ △ × 賃貸住戸の管理 所有者と現在の居住者を把握している 賃貸関係の届出を確認する
○ △ × 未確認住戸の管理 未確認住戸を把握できる 対象住戸を一覧化して再確認する
○ △ × 名簿の保管場所 正式な保管先が決まっている 紙と電子データの関係を整理する
○ △ × 個人情報の取扱い 利用目的やアクセス方法を整理している 管理規約や細則を確認する
○ △ × 表明保証書等 使用する最新書類を確認している 申請先の最新資料を確認する
○ △ × 自治体独自基準 最新基準を確認済み 申請先自治体で確認する
○ △ × 2027年改正への対応 申請予定日と適用基準を確認している 2027年4月1日前後の申請時期を確認する

この表に△や×があるからといって、ただちに認定を受けられないと判断するものではありません。

重要なのは、△や×を一つずつ具体的な作業へ変えることです。

たとえば「居住者名簿が△」であれば、なぜ△なのかを確認します。管理会社にはデータがあるものの理事会で確認したことがないのか、賃貸住戸だけ情報が古いのか、最後の確認日が分からないのかによって、次に行う作業は変わるでしょう。

名簿が古い場合の整理手順

まず古い名簿を捨てずに棚卸しする

数年前の名簿しか見つからないと、「全部作り直したほうが早いのでは」と考えたくなるかもしれません。

しかし、古い名簿にも過去の所有者、以前の通知先、変更履歴をたどるための情報が残っていることがあります。

最初に行いたいのは、白紙からの再作成ではなく既存資料の棚卸しです。

組合員名簿、居住者名簿、所有者変更に関する届出、住戸を第三者へ貸している場合の届出、管理会社が保有している管理データなどを集め、現在どの資料が正式な管理情報として使われているのかを整理します。

資料がいくつも出てくると、机の上まで状況を映したように散らかり、「どこから確認すればよいのか」と気持ちが重くなることもあるでしょう。

それでも、いきなり情報を一つへ統合する必要はありません。

最初は、何という資料があり、いつまで確認されているのかを並べるだけで十分です。

認定申請前の書類棚卸し例

書類 現在の状態 最終確認時期 不足していること 次の対応
組合員名簿 管理室に紙で保管 2025年 今年度の確認が未実施 現在情報と照合する
居住者名簿 管理会社が電子管理 不明 年次確認方法が分からない 管理会社へ運用を確認する
所有者変更届 ファイル保管 随時 名簿への反映状況が不明 組合員名簿と照合する
賃貸関係の届出 一部保管 随時 居住者情報との整合が不明 賃貸住戸を確認する
年次確認記録 見当たらない 不明 過去の実施状況を追えない 今回から記録を残す
表明保証書等 未準備 該当なし 使用書類が未確認 申請先の案内を確認する
自治体独自資料 未確認 該当なし 独自基準が不明 自治体公式情報を確認する
2027年改正資料 未確認 該当なし 申請時期との関係が不明 適用基準を確認する

こうして並べてみると、「うちの名簿管理は全部駄目だ」という漠然とした不安が、「組合員名簿はあるが今年の確認がまだ」「居住者名簿は管理会社にあるが理事会が運用を把握していない」という個別の課題へ変わっていきます。

課題が具体的になれば、理事会でも話しやすくなるでしょう。

組合員情報を確認する

組合員名簿では、管理組合が把握している区分所有者情報が現在の状態と一致しているかを確認します。

所有者変更の届出を受けているにもかかわらず旧所有者が残っている場合や、外部所有者の通知先住所が以前のままになっている場合には確認が必要です。

長期間連絡できず、現在の所有者そのものが不明な住戸については、状況によって登記事項証明書などを利用した確認が必要になる可能性があります。

ただし、認定申請のために全住戸について毎年登記事項証明書を取得しなければならないという全国一律の要件があるわけではありません。

確実に把握できている住戸と確認が必要な住戸を分け、不明な部分から確認していくほうが現実的でしょう。

居住者情報を確認する

居住者名簿は、所有者が変わっていなくても入退去によって内容が変化します。

特に賃貸住戸が多いマンションでは、組合員名簿は比較的新しいのに、居住者名簿だけ数年前の状態になっているということも考えられます。

ここからは実務上の運用例ですが、年次確認時に現在登録されている居住状況について変更の有無を確認する方法があります。

確認を依頼するときは、「管理計画認定に必要なので情報を出してください」とだけ伝えるより、設備点検や漏水事故などで現在の居住者へ連絡する必要があることや、管理組合がどのような目的で利用するのかを説明したほうが理解を得やすいでしょう。

情報を提出する側から見れば、自分の氏名や連絡先が何に使われるのかを気にするのは自然です。

名簿を集める側の都合だけでなく、情報を預ける側の気持ちまで考えることが、継続的な名簿管理につながります。

未確認住戸を把握する

全戸へ確認を依頼した場合でも、期限までに全員から返答が届くとは限りません。

単純に忘れていることもあれば、長期不在、書類の紛失、個人情報に対する不安など、理由はさまざまでしょう。

そのとき重要なのは、未回答者を責めることではなく、どの住戸について確認が残っているのかを管理組合として把握することです。

未確認住戸を一覧化し、必要に応じて再案内や個別確認を行う運用が考えられます。

ただし、管理組合が連絡を試みた履歴さえ残しておけば、実際の情報を確認できなくても必ず認定基準を満たすという意味ではありません。

具体的な状況で判断が難しい場合は、申請先自治体やマンション管理士へ相談するほうが安全でしょう。

年1回の名簿確認を続ける実務運用

ここからは認定基準ではなく運用例

年1回以上の内容確認は認定基準ですが、何月にどの書類を配付し、いつ理事会へ報告するかまで国が一律に定めているわけではありません。

そのため、ここから紹介する年間スケジュールは認定基準そのものではなく、年次確認を忘れず続けるための一例です。

通常総会の時期や役員改選月など、自分たちのマンションで無理なく継続できる時期へ調整してください。

名簿管理の年間スケジュール例

時期 運用段階 主な作業
4月から5月 前年度からの引継ぎ 正式な名簿と最終確認時期を確認する
6月 年次確認の準備 組合員情報と居住者情報を整理する
7月から8月 内容確認 登録内容に変更がないか確認する
9月 未確認住戸への対応 未確認住戸を整理して必要な再確認を行う
10月 名簿への反映 判明した変更を現在情報へ反映する
11月 理事会で共有 確認状況と更新状況を記録する
12月以降 随時対応 所有者変更や入退去等を把握した際に反映する
翌年度 年次確認 同じ流れを繰り返す

このスケジュールで重要なのは、4月や7月という月そのものではありません。

「今年の担当役員が気づいたら行う」状態から、「毎年この時期に行う」状態へ変えることに意味があります。

管理計画認定をきっかけに年次業務として定着させれば、翌年度の理事長が再び書庫を探し回り、「去年は誰が確認したのだろう」と悩む時間も減っていくでしょう。

確認履歴を次年度へ残す

年次確認を実施したら、その事実を翌年度にも確認できる状態にしておくと運用が安定します。

ここでも、全国一律の保存形式が一つだけ指定されているわけではありません。

実務では、確認を実施した時期、確認方法、変更を反映した時期などを残す方法が考えられます。理事会で名簿確認の実施状況を報告し、その内容を議事録へ記録する方法も一例でしょう。

大切なのは、「前の理事長がやったと言っていた」という記憶だけに依存しないことです。

今年の作業が次年度の担当者にも追えるようになれば、名簿管理は人に依存する仕事から、管理組合として続けられる仕事へ変わります。

認定申請時に名簿の整備状況を証明する方法

名簿そのものの提出は想定されていない

名簿を整えたあと、「住民全員の氏名や連絡先が入った資料を、そのまま自治体へ提出するのだろうか」と不安になる方もいるでしょう。

現行の国土交通省の事務ガイドラインでは、組合員名簿と居住者名簿そのものの提出は想定されていません。

名簿の備付けや年次管理について確認する書類として、表明保証書等が示されています。

これは、個人情報を含む名簿そのものを提出することと、管理組合が名簿を適切に管理していることを申請上確認してもらうことを分けている仕組みです。

表明保証書では年1回以上更新という表現が使われる

前述したとおり、現行の認定基準本文は「年1回以上内容の確認」という表現です。

一方、事務ガイドラインの確認対象書類や表明保証書作成例では、組合員名簿と居住者名簿を備え「年1回以上更新していること」という表現が使用されています。

この文言差は前半で整理したとおりであり、申請時には使用する表明保証書等の記載内容を確認する必要があります。

大切なのは、申請直前に表明保証書だけを作ることではありません。

自分たちが実際に名簿を備え、年次確認を行い、変更を把握した場合に情報へ反映していると説明できる状態を先に整えることです。

最後に名簿を確認した時期が分からないまま書類だけを完成させても、管理体制そのものが整ったことにはなりません。

申請書を作る前に実態を確認するという順番を守ったほうが、理事長としても安心して表明できるでしょう。

2027年4月1日から変わる管理計画認定基準

2027年4月から新しい認定基準が適用される

これから管理計画認定を検討する管理組合では、申請予定日に注意が必要です。

2026年7月31日に関連する改正省令と告示が公布されており、2027年4月1日から管理計画認定制度の見直し後の基準が施行されます。

国土交通省は、地方公共団体への申請日が2027年4月1日以降になる場合には、新しい認定基準が適用されると案内しています。

したがって、2026年度中に理事会で準備を始めても、実際の申請が2027年4月1日以降になれば、新基準を確認しなければなりません。

準備を始めたときに現行基準を確認したことで安心せず、実際の申請日を基準として適用される制度を確認する必要があります。

新基準でも区分所有者名簿と居住者名簿は必要

2027年4月1日以降に管理組合の管理者等が申請する場合の認定基準でも、名簿要件は残ります。

新基準では、区分所有者名簿と居住者名簿を作成して保管し、年1回以上更新していることが明記されています。

現行基準本文の「年1回以上内容の確認」という表現から、新基準では「年1回以上の更新」という表現へ整理される形です。

ただし、変更されるのは名簿部分だけではありません。

2027年4月1日からは、管理者等や監事、管理規約、防災、長期修繕計画など複数の認定基準が見直されます。

そのため、2027年4月以降に申請する場合は、名簿だけを新基準へ読み替えるのではなく、認定基準全体を改めて棚卸ししてください。

管理計画認定申請前の書類棚卸し

名簿だけ整えても認定が決まるわけではない

組合員名簿と居住者名簿が整うと、大きな山を越えたように感じるでしょう。

しかし、名簿要件は管理計画認定基準の一部です。

管理者等や監事、総会、管理規約、会計、修繕積立金、長期修繕計画など、ほかにも複数の確認事項があります。

したがって、「この名簿を作れば必ず管理計画認定を取得できる」と断定することはできません。

名簿整備が一段落した段階で、申請資料全体を棚卸ししておくと安心です。

書類または確認項目 主な確認内容
認定申請書 申請時点の最新様式と申請者を確認する
総会議事録 必要な総会開催や決議状況を確認する
管理規約 現行規約と適用される認定基準を照合する
貸借対照表と収支計算書 審査対象年度や会計内容を確認する
修繕積立金関係資料 滞納状況など認定基準への適合を確認する
長期修繕計画 計画期間や見直し時期などを確認する
名簿に関する表明保証書等 名簿の備付けと年次管理の実態を確認する
自治体独自基準資料 国の基準以外の追加要件を確認する
2027年改正基準 2027年4月1日以降の申請なら新基準を確認する
事前確認関係書類 利用する申請方法に応じて必要書類を確認する

申請準備を進めていると、どうしても目の前の書類だけに集中してしまいます。

それでも一度全体を並べてみると、「名簿は整ったが長期修繕計画の確認が残っている」といった次の課題が見えます。

書類棚卸しは、不足を見つけて不安になるためではなく、申請直前の想定外を減らすための作業です。

自治体独自基準も申請前に確認する

国の基準だけで準備を終えない

管理計画認定制度には国が定める認定基準がありますが、地方公共団体が独自基準を設けている場合があります。

そのため、国土交通省の基準に適合しているように見えても、申請先自治体で追加要件が設定されていれば、別途その対応が必要です。

この確認を申請直前まで残してしまうと、「ようやく資料が揃ったと思ったのに、自治体独自の書類が必要だった」ということになりかねません。

役員の負担が大きい申請準備で、一度終わったと思った作業が戻ってくると、疲労感も強くなります。

申請先自治体の公式サイトや最新手引きは、できるだけ準備の早い段階で確認しておくとよいでしょう。

自治体独自基準は地域によって異なる

自治体によっては、地域コミュニティとの連携、防災対策、自治体独自のマンション支援制度への登録など、国の基準に追加した条件を設定している場合があります。

独自基準の内容は地域によって異なるため、別地域で認定されたマンションの申請書類をそのまま参考にするだけでは不十分な可能性があります。

また、制度改正によって様式や基準が変わることもあります。

最終的には、申請時点における自分たちの自治体の公式資料を確認することが重要です。

マンション管理士へ相談できる名簿管理と申請準備

判断に迷う部分を専門家と整理する

名簿を自分たちで確認していると、「この運用で年次確認と説明できるのだろうか」「一つのシステムで所有者と居住者を管理していて問題ないのか」と迷う部分が出てきます。

そのような場合、マンション管理士へ現在の管理状況を説明し、認定基準との関係を整理する方法があります。

相談する際は、名簿だけを持っていくより、現在の管理規約、名簿の最終確認時期、管理会社との役割分担などを分かる範囲でまとめておくと、課題を具体化しやすくなるでしょう。

名簿運用や規約整備について相談する

マンション管理士には、管理組合運営に関する専門的な助言を求めることができます。

名簿の確認方法、賃貸住戸からの届出、個人情報の取扱い、管理規約や細則の整理などについて相談することも考えられます。

ただし、標準管理規約の文章をそのままコピーすれば、自分たちのマンションにも適しているとは限りません。

戸数、築年数、賃貸住戸の割合、管理会社との委託内容によって必要な運用は異なります。

専門家を使う意味は、管理組合が考えることをやめるためではなく、自分たちだけでは判断しにくい部分を整理するためにあります。

事前確認と自治体独自基準を分けて考える

管理計画認定では、所定の講習を修了したマンション管理士による事前確認の仕組みがあります。

一方、自治体独自基準については事前確認の対象外となるため、事前確認を受けたから申請先自治体の独自要件まで確認済みになるわけではありません。

専門家による事前確認と自治体の認定手続は、それぞれ役割が異なります。

ここを分けて理解しておくと、「事前確認を受けたのに、なぜ追加確認が必要なのか」という戸惑いを減らせるでしょう。

事前確認と自治体独自基準を分けて考える 所定の講習を修了した マンション管理士による 事前確認の仕組み 自治体独自基準については 事前確認の対象外 専門家による事前確認と自治体の認定手続は、 それぞれ役割が異なります。

管理計画認定の組合員名簿と居住者名簿でよくある質問

名簿そのものを自治体へ提出する必要がありますか

現行の国土交通省事務ガイドラインでは、組合員名簿と居住者名簿そのものの提出は想定されていません。

名簿の備付けや年次管理について確認できる書類として、表明保証書等が示されています。

ただし、実際の提出書類や様式については、申請先自治体の最新案内を確認してください。

組合員名簿と居住者名簿は同じファイルでもよいですか

国土交通省は、全国統一の名簿ひな型やファイル形式を示していません。

そのため、一つのデータベースで双方の情報を管理する方法も実務上は考えられますが、「一つのファイルでよい」と国が認定基準として明示しているわけではありません。

一つのシステムを利用する場合には、区分所有者と現在の居住者を明確に区別し、それぞれの情報を確認できる構造になっているかを見ることが重要です。

年1回の確認はどのように記録すればよいですか

現行認定基準では年1回以上の内容確認が求められていますが、管理組合内部で使用する記録方法について、全国統一の一種類の様式が指定されているわけではありません。

実務では、確認を行った時期や方法、変更を反映した時期などが翌年度にも分かる状態にしておくと管理しやすくなります。

理事会議事録へ実施状況を記録する方法や、確認票、管理会社からの報告資料などを保管する方法が考えられます。

賃貸に出している住戸はどのように扱いますか

賃貸住戸では、区分所有者と現在住んでいる人が異なります。

そのため、組合員名簿では区分所有者を把握し、居住者名簿では現在の居住者へ必要な連絡ができる状態を整えるという考え方になります。

所有者情報しかない場合、総会などの連絡には対応できても、設備点検や漏水事故などで現在の居住者へ急いで連絡したいときに時間がかかる可能性があります。

名簿が古い場合でも申請できますか

名簿が古いという事実だけで、申請の可否を判断することはできません。

現行認定基準では、組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認していることが求められています。

長期間確認していない場合には、まず現在の情報を確認し、必要な変更を反映したうえで、申請時点の認定基準を満たせる状態か確認する必要があります。

「申請直前に一度確認すれば、過去の管理状況にかかわらず必ず認定される」と断定することはできません。

不安が残る場合には、申請先自治体やマンション管理士へ具体的な状況を伝えて確認するとよいでしょう。

2027年4月以降も名簿要件はありますか

2027年4月1日以降の新しい認定基準でも、名簿要件は残ります。

管理組合の管理者等が申請する場合には、区分所有者名簿と居住者名簿を作成して保管し、年1回以上更新していることが求められます。

ただし、同日からは名簿以外の認定基準も複数変更されるため、2027年4月1日以降に申請する場合は、新基準全体を確認してください。

マンション管理士にはどこまで相談できますか

名簿管理方法、管理規約や細則の整理、賃貸住戸への対応、申請前資料の確認などについて相談することが考えられます。

また、所定の講習を修了したマンション管理士による事前確認制度もあります。

ただし、自治体独自基準は事前確認の対象外となるため、申請先自治体の最新基準を別途確認する必要があります。

管理計画認定に向けた名簿整備の始め方

ここまで読むと、「確認することが多く、次の理事会だけでは終わりそうにない」と感じるかもしれません。

それでも、最初からすべてを完成させる必要はありません。

まず、現在使っている組合員名簿と居住者名簿を特定し、それぞれ最後に内容を確認した時期を調べてください。

次に○△×のチェックリストへ現在の状態を入れ、△や×になった項目の理由を確認します。

たとえば、組合員名簿は問題ないものの居住者名簿が古いのであれば、次に行うのは居住者情報の確認です。名簿は双方あるものの管理会社任せで年次確認方法が分からないのであれば、まず管理会社から現在の運用を説明してもらえばよいでしょう。

一つ対応したら、次の理事会で何が変わったかを確認します。

管理計画認定に向けた名簿整備の始め方 現在使っている組合員名簿と居住者名簿を特定 それぞれ最後に内容を確認した時期を調べてください ○△×のチェックリストへ現在の状態を入れ △や×になった項目の理由を確認します 一つ対応したら、次の理事会で何が変わったかを 確認します。

この小さな流れを繰り返すことで、「申請前に慌てて名簿を探す管理」から「毎年自然に内容を確認する管理」へ少しずつ変えられます。

管理計画認定を取得することは一つの目標ですが、そのために整えた名簿が認定後も使える状態で残ることには、さらに大きな意味があります。

必要なときに必要な相手へ連絡できる管理組合であり続けることこそ、名簿整備の本来の価値ではないでしょうか。

まとめ

現行の管理計画認定基準では、組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認していることが求められています。

一方、申請時の確認書類や表明保証書では「年1回以上更新」という表現が使われているため、制度上の文言の違いを理解したうえで、実務では年次確認を行い、変更が判明した場合に反映できる管理を整えることが重要です。

まず現在の名簿と最終確認時期を確かめ、○△×で不足を整理してください。その後、古い情報を確認し、変更時の対応と年次確認を毎年続けられる運用へ変えていけば、申請準備だけでなく認定後の管理にもつながります。

なお、2026年7月31日には管理計画認定制度に関する改正省令と告示が公布されており、2027年4月1日から見直し後の認定基準が施行されます。2027年4月1日以降に地方公共団体へ申請する場合は、新基準で名簿要件だけでなく認定基準全体を改めて確認してください。

※本記事は2026年8月31日時点で公表されている情報を基に整理しています。実際の申請時には、国土交通省、マンション管理センター、申請先地方公共団体が公表する最新の基準と様式をご確認ください。

参考資料

国土交通省 マンション管理計画認定制度

マンション管理・再生ポータルサイト 管理計画認定制度

国土交通省 マンションの管理計画認定に関する事務ガイドライン

国土交通省 2027年4月1日以降の管理組合の管理者等が申請する場合の認定基準

国土交通省 令和7年改正マンション標準管理規約 単棟型

マンション管理・再生ポータルサイト 組合員名簿・居住者名簿の掲載情報に関するQ&A

マンション管理・再生ポータルサイト 居住者名簿に関するQ&A

マンション管理センター 管理計画認定手続支援サービス

マンション管理センター 事前確認講習

千葉県 マンション管理計画認定制度

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