毎日それなりに忙しく、社員も決して手を抜いているわけではないのに、なぜか仕事は減らず、月末になると請求処理に追われ、誰かが休めば途端に業務が滞る。「そろそろ業務改善をしなければ」と思いながらも、目の前の仕事に押されて数か月が過ぎてしまったという中小企業は珍しくありません。
そんな状況で最初に必要なのは、新しいシステムを探すことではなく、現在どのような仕事が行われ、どこで時間が使われ、同じ情報が何度扱われているのかを見える状態にすることです。業務改善というと大きな改革を想像しやすいものの、実際の出発点はもっと地道で、自社の仕事を一つずつ見直すところにあります。
この記事では、業務改善は何から始めるべきか分からない中小企業の経営者や管理職に向けて、現状把握から改善効果の確認までを7ステップで解説します。単に無駄な仕事を見つけるだけではなく、読了後には自社の業務を一つ選び、「何をやめるのか」「何を減らすのか」「何を自動化候補にするのか」まで決められる状態を目指します。
業務改善はツール選びから始めない
忙しい会社ほど新しいツールに目が向きやすい
「AIを入れれば少し楽になるのではないか」「新しいクラウドサービスへ変えれば残業を減らせるのではないか」と考えることは珍しくありません。仕事が逼迫しているほど、今の苦しさを早く解決してくれそうなものへ目が向きますし、経営者であれば、人を増やすには採用費も人件費もかかるため、比較的少ない投資から始められそうなシステムやAIに期待したくなるでしょう。
ところが、現在の業務そのものに無駄が残っている状態で新しいシステムを導入すると、不要な作業を別の方法で続けるだけになる可能性があります。便利な道具を買ったはずなのに仕事全体はあまり楽にならず、「せっかく導入したのに、なぜ変わらないのだろう」と感じる背景には、ツールではなく業務プロセス側の問題が残っている場合があります。
たとえば、営業担当者が顧客から受け取った注文内容をExcelへ入力し、そのExcelを見ながら販売管理システムへ再入力している会社を考えてみます。この転記をRPAで自動化すれば操作時間は短くなるかもしれませんが、本当に最初に考えるべきなのは「Excelと販売管理システムの両方へ登録する必要があるのか」という問いではないでしょうか。
販売管理システムへ最初から直接登録できるのであれば、Excelへの入力自体をなくせるという可能性があります。不要な工程を残したまま自動化すると、無駄な仕事を速く処理する仕組みが完成してしまうため、業務改善では「どう速くするか」より先に「そもそも必要なのか」を考える必要があります。
J-Net21では、業務プロセスを見直す際の最初のポイントとして作業工程の「見える化」を挙げています。現場の人が一日中忙しく動いているだけでは、その動きのどこが顧客や会社の価値につながり、どこに無駄や停滞が潜んでいるのかを判断しにくいためです。
したがって、業務改善で最初に選ぶべきものはツールではなく、自社の仕事そのものです。何を変えるか決める前に現在の姿を正確に把握しておけば、その後の改善策も現場から離れにくくなります。
業務改善は誰かの仕事を否定する活動ではない
実際に業務を見直そうとすると、現場では少し複雑な感情が生まれます。長年その仕事を担当してきた人ほど「今まで自分が続けてきたことを無駄だと言われるのではないか」と感じる可能性がありますし、管理職側も、自分が以前決めた手順を見直すことに対して「過去の判断を否定することになるのではないか」と抵抗を覚える場合があります。
だからこそ、業務改善では「人」と「業務」を切り離して考える必要があります。当時は必要だった作業でも、取引量、顧客の要求、社内体制、利用しているシステムなどが変われば、現在の会社には合わなくなることがあり、昔の判断が間違っていたというより、環境の変化によって最適な手順が変わったと考えるほうが自然でしょう。
以前は紙の注文書しかなかったためExcelへの入力が必要だったものの、現在は顧客からデータで注文を受け取れるようになっているかもしれません。それでも昔の手順だけが残っていれば、「以前は必要だった仕事」が、いつの間にか「今ならなくせる仕事」へ変わっているという可能性があります。
業務改善で問い直すべきなのは担当者の能力ではなく、現在の環境に対して現在の手順が適切なのかという点です。この前提を社内で共有できれば、改善は「仕事を奪う話」ではなく「無理なく仕事を続けられる形へ整える話」として受け止められやすくなるでしょう。
ステップ1 現在の業務を全部書き出す
頭の中にある仕事を会社の仕事へ変える
業務改善の最初の具体的な作業は、現在行っている仕事を書き出すことですが、この段階ではいきなり改善方法を考えません。「この仕事はいらない」「これは自動化できそうだ」と判断を急ぐより、まず何が行われているのかをできるだけ正確につかむことを優先します。
J-Net21でも、業務標準化を進める際には業務プロセスをマッピングし、その後で問題点を特定する流れが示されています。最初から高価な業務分析ツールを使う必要はなく、紙とペンによる簡単なフローチャートや共有ドキュメントでも構わないため、まず現場の人が普段どの順番で仕事をしているのかを書き出すことが重要です。
たとえば受注業務を調べる場合、「受注処理」という大きなくくりだけを書いて終わらせてしまうと、改善すべき箇所はほとんど見えてきません。実際には、顧客から注文メールを受け取り、内容を確認し、Excelへ入力し、販売管理システムへ再入力し、在庫を確認したうえで倉庫へ連絡し、顧客へ納期を知らせ、納品後には請求書を作成して、その内容を会計ソフトへ入力しているかもしれないからです。
一つの「受注処理」という言葉の中に、確認、入力、転記、検索、連絡、帳票作成など複数の作業が隠れています。業務改善では、この細かさまで仕事を分解して初めて「なぜ同じ情報を何度も入力しているのだろう」「この確認は誰のために行っているのだろう」といった問いが生まれます。
定常業務だけではなく例外業務も確認する
業務の棚卸しでは、毎日行う定常業務だけを調べても十分ではありません。月末だけ発生する請求処理、年に数回行う契約更新、顧客からクレームがあった場合の対応、返品が発生した場合の処理など、頻度は低くても担当者の時間や神経を使う仕事が会社の中には存在します。
特に注意したいのが、経営者や管理職から見えない仕事です。社員が「正式な業務として説明するほどではない」と思いながら、毎朝ファイルを整理していたり、別部署から届くデータを使える形に直していたり、入力ミスを人知れず修正していたりすることがあり、こうした小さな調整作業が積み上がると、現場ではかなりの負担になります。
ところが、それらは表から見えにくいため、経営側には「それほど忙しいはずはない」と映ることがあります。現場からすれば「これだけ細かい作業をしているのに分かってもらえない」という気持ちになりやすく、この認識のずれを放置すると、業務改善そのものへの協力を得にくくなるでしょう。
そこで「何の仕事を担当していますか」とだけ尋ねるのではなく、「朝、パソコンを開いて最初に何をしていますか。その仕事が終わった後は何をしますか」と時間の流れに沿って確認すると、本人も普段は意識していなかった作業まで思い出しやすくなります。
業務改善の最初の成果は、いきなり工数を減らすことではありません。これまで個人の頭の中にしかなかった仕事を会社全体から見える状態にし、「実際にはこんな仕事まで発生していたのか」と共有できるようにすることです。
ステップ2 各作業の時間 回数 担当者を確認する
忙しいという感覚を数字へ変える
業務を書き出したら、それぞれの作業にどれだけ時間がかかり、どの程度の頻度で発生し、誰が担当しているのかを確認します。「この仕事は大変です」「毎月かなり時間を取られます」という感覚は現場を理解するうえで重要ですが、感覚だけでは複数の業務を公平に比較することが難しいからです。
たとえば、月末にまとめて2時間かかる作業と、毎日5分ずつ発生している作業があった場合、どちらが大きな負担になっているかは直感だけでは判断しにくいでしょう。そこで、1回あたりの所要時間と月間発生回数を掛け、月間工数として見ると、これまで小さく見えていた仕事の大きさが分かってきます。
Excelから別システムへの転記が1件あたり5分かかり、それが月100件発生しているなら、月間工数は500分です。500分は8時間20分に相当するため、8時間勤務を基準にすれば1営業日を超える工数となり、担当者が「1件5分だから大した仕事ではない」と感じていた作業も、月単位では決して小さくありません。
現状の作業時間を年間で計算すると100時間になります。もちろん、その100時間をすべて削減できるとは限りませんが、少なくとも改善候補として調査するだけの規模があることは分かるでしょう。
担当者を見ると属人化も見えてくる
時間と回数に加えて担当者を確認すると、単純な工数だけでは分からなかった属人化も見えてきます。たとえば毎月3時間しか発生しない業務であっても、その仕事を一人しか理解していないのであれば、会社が抱えている問題は単なる3時間ではありません。
その人が休めない、退職すると引き継げない、繁忙期には一人だけ残業が増えるといったリスクが隠れているからです。反対に、複数人が同じ帳票を別々に確認している場合には、所要時間よりも「なぜ複数人で同じ確認をしているのか」という別の問題が見えてくるでしょう。
J-Net21の標準化に関する解説でも、一定期間のタイムログを使い、想定以上に時間がかかっている業務を特定する方法が紹介されています。ただし、ここで数値を取る目的を間違えると、社員は「自分の作業速度を監視されている」と感じてしまうかもしれません。
測りたいのは「誰が遅いか」ではなく、「どの仕事に会社の時間が吸い込まれているか」です。この目的を最初に共有しておけば、数字は人を責める材料ではなく、仕事を楽にするための共通情報として扱いやすくなります。
ステップ3 二重入力 転記 待ち時間 承認の無駄を探す
無駄は仕事そのものより仕事の間に潜みやすい
業務の流れと工数が分かったら、次は無駄を探しますが、この段階では一つひとつの作業だけを見るのではなく、作業から次の作業へ移る境目にも注目します。中小企業の事務では、仕事そのものより「人から人へ」「システムからシステムへ」情報が移動するときに、余分な作業が発生していることが少なくありません。
たとえば、営業担当者がExcelへ受注情報を入力した後、事務担当者がその内容を販売管理システムへ転記しているなら、同じ情報が部署をまたぐたびに再入力されています。承認依頼を送る操作自体は1分でも、上司が外出しているため半日処理が止まっているなら、本当の問題は1分の操作時間ではなく、その後に生じる待ち時間です。
さらに、課長、部長、役員と複数の承認を通している場合でも、それぞれが何を確認するのか決まっていなければ、同じ内容を三人が見ているだけという可能性があります。このように、二重入力、手作業の転記、不要な検索、待ち時間、重複確認、過剰な承認、過去資料の再作成などを丁寧に見ていくと、忙しさの原因が少しずつ具体化します。
ただし、確認や承認をすべて削ればよいわけではありません。高額取引、品質管理、法令対応、契約上の義務など、会社や顧客を守るために必要な確認もあるため、判断するときには「昔からあるから必要」ではなく、「この承認によって具体的に何のリスクを防いでいるのか」を説明できるかどうかを基準にすると整理しやすくなります。
作業へ役割のラベルを付ける
業務フローを見ながら、それぞれの工程が何をしているのか分類すると、無駄をさらに発見しやすくなります。たとえば、注文メールを見る工程は「確認」、Excelへ登録する工程は「入力」、Excelから販売管理システムへ写す工程は「転記」、倉庫へ連絡する工程は「通知」、請求書を作る工程は「帳票作成」といった形です。
このように役割を付けていくと、同じ「転記」が何度も登場している業務フローが見つかるかもしれません。すると「担当者がもっと速く入力する方法」を考えるより、「転記という工程そのものをなくせないか」という発想へ切り替えられます。
ここが、単なる作業効率化と業務改善の大きな違いです。人の手を速く動かすことより、人が手を動かさなくてもよい工程を見つけるほうが、結果として大きな改善につながる場合があります。
ステップ4 やめる 減らす まとめる 任せる 自動化の順で考える
ECRSを参考に実務向けの5段階へ整理する
無駄な業務が見えてくると、多くの人は「この作業をどう効率化しよう」と考えますが、改善ではその前に「この作業自体を続ける必要があるのか」を確認します。本記事では、業務改善で使われるECRSの考え方を参考にしつつ、中小企業で業務を見直す際に使いやすいよう「やめる→減らす→まとめる→任せる→自動化」という5段階へ整理して考えます。
ここで区別しておきたいのは、この5段階そのものが一般的なECRSの定義ではないという点です。一般的なECRSは、Eliminateの排除、Combineの結合、Rearrangeの入替え、Simplifyの簡素化という4つの視点で業務を見直す考え方であり、中小機構の資料でも同様の整理が示されています。
本記事では、その4視点を単純に言い換えるのではなく、現場で改善策を検討するときの判断順序として展開しています。「任せる」は担当者や判断権限の見直しを意識するために独立させ、「自動化」は不要な業務を整理した後にデジタル技術を検討する段階として最後に置いているため、ECRSを参考にしながら実務上の判断へつなげる整理だと考えると分かりやすいでしょう。
まず仕事そのものをやめられないか考える
最初の「やめる」では、仕事そのものを廃止できないか検討します。誰も読んでいない集計資料を毎週作っているのであれば、その資料を10分早く作る方法を考えるより、作成そのものを廃止できないか確認したほうが改善効果は大きくなります。
長年続けてきた仕事ほど「なくすのは不安だ」と感じるかもしれませんが、その不安があるからこそ、何のために行っているのかを確認する意味があります。提出先も用途も説明できず、「昔からこの形だから」という理由しか残っていないのであれば、いきなり完全廃止するのではなく、一度停止して影響を確認する方法も考えられるでしょう。
次の「減らす」では、必要な仕事であっても回数や項目を少なくできないかを考えます。毎日提出している報告を週1回へ変更できるかもしれませんし、20項目ある報告書のうち実際の意思決定で使われているのが8項目だけなら、残りの入力項目を見直せるという可能性があります。
「まとめる」では、別々に行っている仕事を一つへ統合できないかを確認します。営業部と経理部がそれぞれ顧客マスターを持ち、双方で同じ住所や担当者名を更新しているのであれば、一元管理することで二重管理や差分確認を減らせるかもしれません。
続く「任せる」では、仕事を行う人や判断する人が本当に適切なのかを見直します。すべての値引きを社長が承認している会社でも、一定の値引率までは営業責任者が判断できる基準を作れば、社長の返事を待つ時間を短縮できるでしょう。
ここまで整理した後に、初めて「自動化」を検討します。この順番が重要なのは、やめられる仕事にシステム投資をする必要がなく、回数を半分にできる仕事なら、自動化前に処理対象そのものを減らしたほうが仕組みも単純になるためです。
速く処理する方法を探す前に、処理しなくてもよい方法を考える。この視点が、業務改善を単なる作業速度の向上で終わらせないための分岐点になります。
ステップ5 改善対象を効果と難易度で優先順位付けする
全部直そうとすると改善そのものが負担になる
業務を整理すると、それまで見えなかった問題が次々に表面へ出てくるため、「ここも変えたい」「この仕組みも古い」と改善候補が増えていきます。しかし、人員に余裕のない中小企業がすべてへ同時に着手すると、通常業務に加えて改善業務まで増え、かえって現場が疲弊するという本末転倒な状態になりかねません。
そこで、改善候補を「期待できる効果」と「実行する難易度」の二つの軸で考えます。削減できる時間が大きく、費用もそれほどかからず、変更に関係する人も少ない改善であれば、比較的早く取り組みやすいでしょう。
反対に、会社全体のシステムを入れ替えなければならず、高額な費用と教育期間が必要になる改善については、効果が大きかったとしても計画的に進める必要があります。最初から難易度の高い改革へ挑み、途中で止まってしまうより、現実に変えられるところから成果を積み重ねたほうが、改善活動を続けやすくなります。
ここで注意したいのは、効果を工数だけで判断しないことです。作業時間はそれほど長くなくても、入力ミスが頻発して顧客へ迷惑をかけている業務なら優先度は高くなりますし、担当者一人しか処理できない仕事についても、休職や退職によって業務が止まるリスクを考えれば改善価値は高いでしょう。
一方で、時間はかかっていても顧客との重要な対話や高度な判断が含まれている業務なら、単純に時間を削ることが正解とは限りません。業務改善で減らしたいのは、仕事に使う時間そのものではなく、会社や顧客へ価値を生まないまま消えている時間です。
最初の改善では成功しやすさも考える
最初の対象として適しているのは、改善効果が比較的大きく、変更に必要な関係者が少ない業務です。たとえば、毎月100件発生している手作業の転記を、自部門内の運用変更だけでなくせるのであれば、有力な候補になるでしょう。
小さな成功が一つ生まれると、社員の受け止め方も変わります。最初は「また会社が何か始めた」と警戒していた人でも、自分の残業が実際に減ったり、毎日面倒だった転記がなくなったりすれば、改善を新しい負担ではなく、自分たちに返ってくる利益として感じやすくなります。
業務改善では、この心理的な変化も軽視できません。制度やスローガンより先に「確かに少し楽になった」という実感が生まれることで、次の改善へ協力する雰囲気がつくられていきます。
ステップ6 まず1業務だけ改善する
大きく変えるより小さく試す
優先順位が決まったら、最初は一つの業務だけを選んで改善します。会社全体の業務フローを一度に変更すると、想定していなかった例外処理が発生した場合に影響範囲が広がるため、一部門、一担当、一種類の処理など、問題が起きても戻せる範囲で試す方法が現実的です。
たとえばExcelから販売管理システムへの転記を対象にする場合でも、いきなりすべての受注を変更するのではなく、特定の商品や担当者だけで新しい方法を試せます。「小さく始めるのでは成果も小さいのではないか」と感じる経営者もいるでしょうが、最初の目的は最大の削減効果を一度で出すことだけではありません。
新しい方法が本当に現場で使えるのか、例外案件でも問題が起こらないか、社員が無理なく運用できるかまで確かめる必要があります。試行範囲が小さければ、問題が見つかったときにも業務全体を止めずに修正できるため、むしろ次の改善を安全に大きくしていけます。
改善は一度で正解を当てる試験ではありません。小さく試し、結果を確かめ、必要なら修正することで、自社に合った方法へ近づけていく活動です。
改善前の数字を残しておく
改善を始める前には、必ず現在の状態を記録しておきます。たとえば受注情報の転記を対象にするなら、月100件、1件5分、月間500分という工数に加えて、月平均で入力ミスが3件発生している、担当できる社員が2人しかいないといった情報も残しておくと、改善後の判断材料になります。
このBeforeの数字がないまま方法を変えると、「何となく楽になった気がする」「前より面倒になった気もする」という感想だけが残り、効果を客観的に判断できません。現場の感覚は重要ですが、投資判断や次の改善対象を決めるためには、同じ条件で比較できる数字も必要です。
ステップ7 BeforeとAfterを測る
改善したつもりを防ぐ
改善を実施した後は、同じ指標を使ってBeforeとAfterを比べます。仮に1件5分かかっていた転記が2分になった場合、月100件なら月間工数は500分から200分へ減るため、単純計算では月300分、つまり5時間の削減です。
ただし、その数字だけを見て「成功した」と決めつけるのは早いでしょう。自動化した後にエラー確認で毎月2時間かかるようになったのであれば、実質的な削減効果は小さくなりますし、操作時間は短くなったものの、担当者が新しい仕組みに不安を感じて毎回データを二重確認しているという可能性もあります。
そのため、作業時間だけではなく、入力ミス、手戻り、処理完了までの時間、問い合わせ件数、担当可能人数なども必要に応じて確認します。「前より速くなったけれど、間違いが怖い」という現場の声が出ているのであれば、その感覚も改善結果の一部として扱うべきでしょう。
数字と現場感覚の両方を見ることで、表面上の効率化だけではなく、本当に仕事が改善したのかを判断できます。
効果が小さくても失敗とは限らない
試した改善が思ったほど効果を出さないこともありますが、それだけで失敗とは言えません。たとえば転記を自動化しても全体の処理時間がほとんど変わらなかった場合、入力作業ではなく上長承認の待ち時間が本当のボトルネックだったと分かるかもしれません。
つまり、改善を一つ試したことで「次に直すべき場所」が見えたことになります。改善によって新しい問題が見つかる場合もありますが、その発見を次へつなげれば、会社は一段ずつ仕事の流れを整えていけるでしょう。
ここまでが、業務改善を始めて結果を確認するまでの7ステップです。以降は、この流れを自社へ当てはめるときの理解を深めるため、受注業務を例に無駄の見つけ方と改善候補の考え方を確認し、その後に標準化や自動化などの補足情報を扱います。
受注業務で無駄と改善候補を見つける具体例
受注から会計までの流れを確認する
ここでは、中小企業で起こりやすい受注から請求までの業務を例に、どこに無駄が潜み、どのような改善候補を考えられるのかを見ていきます。現在の仕事が「受注 → Excel → 販売管理システム → メール → 請求書 → 会計ソフト」という流れになっているとしましょう。
最初の受注では、顧客からメールやFAXで届いた注文内容を担当者が確認し、商品名、数量、単価、納期、顧客名などをExcelの受注管理表へ入力しています。続いて別の担当者がExcelを見ながら販売管理システムへ同じ内容を入力し、登録が終わったら倉庫へメールを送って出荷予定を確認します。
商品を出荷した後には、受注情報を基に請求書を作成し、PDFへ変換したうえで顧客へ送付し、最後は請求書を見ながら売上や売掛金の情報を会計ソフトへ入力します。担当者にとっては長年続いている普通の仕事であり、一つひとつの操作だけを見れば、それほど大きな問題には感じないかもしれません。
ところが、ステップ3で行ったように作業へラベルを付けると、Excel入力と販売管理システム入力は「転記」、倉庫へのメールは「通知」、請求書作成は「帳票作成」、会計ソフトへの入力は再び「転記」です。同じ受注情報が形を変えながら何度も人の手を通っており、この重複が改善候補として浮かび上がります。
改善候補を工程ごとに当てはめる
この業務では、最初から「RPAを導入しよう」と考える必要はなく、まずExcelの受注台帳そのものが必要なのかを確認します。販売管理システムで必要な情報を管理できるのであれば、Excelへの入力を「やめる」候補になり、Excelを残す必要があったとしても、入力項目を減らしたり、顧客から届く注文データを取り込んだりすることで「減らす」余地があるでしょう。
次に、販売管理システムへの再入力が本当に必要なのかを確認します。CSV取り込みやAPIなどの連携方法が利用できる場合には、Excelと販売管理システムの処理を「まとめる」ことで、人が同じ情報を再入力しなくてもよいという可能性があります。
倉庫への連絡についても、毎回担当者がメールを書く必要があるのかを検討できます。受注ステータスが変更されたときに決められた内容を自動通知する仕組みが利用できれば、「自動化」の候補になるかもしれません。
請求書については、販売データから帳票を生成できる仕組みを利用することで、顧客名や金額を再入力する工程を省ける可能性があります。会計ソフトへの登録も同様に、利用している販売管理システムや請求システムがデータ出力や連携機能を備えているなら、転記を減らせるでしょう。
このように工程を一つずつ見ると、改善前の「受注 → Excel → 別システム → メール → 請求書 → 会計ソフト」という流れを、「受注データを一度登録し、その情報を必要な処理へつなぐ」という形へ近づけられる可能性があります。
ただし、どの会社でもこの形が正解になるわけではありません。取引先指定の帳票、社内承認、業界特有の管理項目、既存システムの制約などによって残すべき工程は変わるため、完成形をそのまま真似するのではなく、まず同じ情報を人が何度入力しているのかを確認することが重要です。
削減候補の工数を計算する
業務改善では、1回あたりの時間だけを見ると判断を誤りやすくなります。たとえばExcelから販売管理システムへの転記に1件5分かかるとしても、担当者にとっては日常の一部なので「たった5分」と感じるかもしれません。
しかし、月100件発生しているのであれば、5分×100件で500分となり、月間では8時間20分です。改善によって1件2分まで減らせれば改善後は200分となるため、差は月300分、時間に直せば5時間の削減候補になります。
この条件が12か月続くと仮定すれば、削減できる工数は年間60時間です。前段で示した「年間100時間」は現在5分かかっている転記作業そのものの年間工数であり、ここで示す60時間は、1件5分から2分へ短縮できた場合に削減できる時間を指します。
さらに、同じ受注について請求書作成で3分、会計ソフトへの転記で4分、通知メールで2分かかっているなら、受注1件に付随する小さな仕事を合計して見る必要があります。一つひとつの作業は短くても、それが100件、500件、1000件と繰り返されれば、会社全体では大きな工数へ膨らむためです。
自社で計算するときには「月間工数=1件あたりの作業時間×月間件数」と考え、改善後についても同じ方法で測定すると比較しやすくなります。ただし、最初から「80%削減できる」「このシステムなら必ず半分になる」といった想定を確定値として扱うべきではありません。
実際の削減率は、例外処理、確認作業、システム性能、担当者の習熟度などによって変わります。そのため、試算は改善候補を比べる材料として使い、最終的な効果については小さく試した後の実測値で確認することが重要です。
改善後に考えること
改善した仕事を標準化する
7ステップで改善効果を確認できた後は、新しい方法を特定の担当者だけの工夫で終わらせないことが重要です。担当者が休んだ日に以前の方法へ戻ったり、数か月後には人によって手順が変わったりすれば、せっかく得られた改善効果が少しずつ失われていきます。
そこで、新しい業務フローを標準化します。標準化とは、単純に全員の仕事を同じ形へ押し込むことではなく、誰が担当しても一定の品質で処理でき、どこまで自分で判断し、どの条件になったら責任者へ確認すればよいのかが分かる状態をつくることです。
J-Net21では、業務プロセスのマッピング、問題点の特定、標準作業手順の作成、教育、フィードバック、改善という流れが示されています。この流れからも分かるように、マニュアルを作った時点で標準化が完成するのではなく、現場で実際に使われ、問題が見つかれば更新される状態まで含めて考える必要があります。
システム操作を説明するマニュアルでは、画面のどこを押すかを書くことも必要ですが、それだけでは判断が必要な場面で担当者が止まってしまいます。たとえば「注文内容を確認する」とだけ書かれていても、何を見て問題がなければ次へ進めるのか分からなければ、結局はベテラン社員へ確認することになるでしょう。
数量、単価、納期、配送先など確認すべき項目を具体化し、さらに「通常案件は担当者が処理するが、値引率が一定水準を超えた場合には責任者へ確認する」といった判断基準まで残せば、必要のない承認を増やさずに業務品質を保ちやすくなります。
マニュアルの目的は、立派な資料を作ることではありません。仕事を特定の人の記憶から会社の仕組みへ移し、誰かが不在でも業務が止まりにくい状態をつくることです。
整理した後で自動化を検討する
業務を整理し、不要な工程を減らし、手順がある程度統一できた段階で、自動化やシステム化を検討します。この順番で進めれば「何となく便利そうだから導入する」という状態を避けやすくなり、何のためにシステムを使うのかを明確にしたうえで比較できます。
たとえば、受注転記に月500分かかっており、処理手順も一定であることが分かっているなら、「この500分をどの方法で減らすか」という具体的な検討ができます。Excelの関数やPower Queryで十分なのか、CSV連携を使えるのか、RPAが必要なのか、そもそも既存システムに同じ機能がないのかといった選択肢を比較できるでしょう。
自動化を検討しやすいのは、担当者によって判断が大きく変わらず、手順を一定のルールとして説明できる業務です。そのうえで処理件数が多く、毎日または毎週のように繰り返され、元になる情報がすでにExcelや業務システムなどのデジタルデータになっている場合には、自動処理やデータ連携を検討しやすいと考えられています。
一方、案件ごとに顧客との関係や過去の経緯まで踏まえて判断する仕事や、例外処理が頻繁に発生する業務では、単純な自動化がかえって保守や確認を増やすという可能性があります。そのため「自動化できるか」だけではなく、「自動化する価値があるか」を見ることが重要です。
システムやAIを導入するときも、「必ず工数が半減する」「AIを入れれば人員を減らせる」といった前提で計画しないほうが安全です。対象業務の発生頻度、1回あたりの削減時間、年間工数を試算したうえで、導入費用、月額料金、設定や保守に必要な時間まで含めて比較する必要があります。
必要に応じて確認したい周辺情報
AI導入では個人情報と機密情報を守る
生成AIは、文章作成、要約、情報整理、アイデア出し、データ処理の補助など、さまざまな業務で利用できます。しかし、利用範囲が広がるほど「何を入力してよいのか」というルールが重要になり、便利だからという理由だけで自由利用を認めると、個人情報や社内の機密情報を意図せず外部サービスへ入力してしまう可能性があります。
特に、顧客や従業員などの個人データを生成AIへ入力するときは、「個人情報だから一切入力できない」「有料サービスなら自由に入力してよい」という単純な判断ではなく、利用目的や本人同意の有無、生成AIサービス提供者によるデータの取扱いを確認する必要があります。
個人情報保護委員会は、個人情報取扱事業者が生成AIサービスへ個人データを含むプロンプトを入力する場合について、利用目的の達成に必要な範囲内で利用することなど、個人情報保護法の規律に従う必要があると注意喚起しています。
さらに、本人の同意を得ずに個人データを生成AIサービスへ入力し、その個人データがサービス提供者によって応答生成以外の目的で取り扱われる場合には、個人情報保護法に違反する可能性があるとされています。そのため、このような入力を行う場合には、サービス提供者が当該個人データを機械学習に利用しないことなどを十分に確認する必要があります。
顧客の氏名や連絡先だけでなく、未公開の見積条件、契約内容、技術情報、営業戦略なども会社にとって重要な情報です。後者は必ずしもすべてが個人データに該当するわけではありませんが、営業秘密や契約上の守秘義務など別の観点から保護すべき情報が含まれるという可能性があります。
そのため生成AIを業務で利用する場合は、利用を認めるサービス、入力してよい情報、入力してはいけない情報、必要な確認や承認、AIが出した内容を誰が検証するのかといったルールをあらかじめ決めておくことが重要です。
業務改善とDXの違いを理解する
業務改善とDXは重なる部分があるものの、同じ意味ではありません。業務改善では、現在の仕事を前提として、無駄な工程、二重入力、待ち時間、ミス、属人化などを減らし、より良い業務プロセスへ変えていきます。
そのため、必ずしも新しいITツールを導入する必要はありません。使われていない報告書を廃止することも、三段階の承認を必要な範囲まで減らすことも、ファイルの保存場所を統一して探す時間を減らすことも業務改善です。
一方、DXではデータやデジタル技術を活用し、業務の効率化だけにとどまらず、顧客へ提供する価値、製品やサービス、ビジネスモデル、組織などまで含めた変革を扱います。経済産業省は「中堅・中小企業等向けDX推進の手引き」を公開し、中小企業がDXを進める際の考え方や事例を紹介しています。
| 業務改善 | DX |
|---|---|
| 業務改善では、現在の仕事を前提として、無駄な工程、二重入力、待ち時間、ミス、属人化などを減らし、より良い業務プロセスへ変えていきます。 | 一方、DXではデータやデジタル技術を活用し、業務の効率化だけにとどまらず、顧客へ提供する価値、製品やサービス、ビジネスモデル、組織などまで含めた変革を扱います。 |
DXという言葉を聞くと「自社にはまだ早い」と身構える人もいるでしょうが、最初から大規模な変革を目指す必要はありません。まず目の前の一業務を見直し、その過程でデータやデジタル技術をどう使えばよいか考えることが、結果としてより大きな変革につながる場合があります。
中小企業の業務改善でよくある質問
- 業務改善は何から手を付けるべきですか?
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最初に行うのは現在の業務を書き出すことであり、「営業」「経理」「受注処理」のような大きな業務名だけではなく、確認、入力、転記、承認、通知、帳票作成といった作業単位まで分解します。その後、1回あたりの時間、月間回数、担当者を確認し、二重入力や待ち時間などの無駄を探すことで、どこから改善すべきか判断しやすくなるでしょう。
改善案を先に考えると、現在の仕事に本当は不要な工程が残っていることを見落とす可能性があります。そのため、まず現状を正しく把握し、それから変える箇所を選ぶことが重要です。
- 改善しやすい業務にはどのような特徴がありますか?
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改善しやすいのは、手順を一定のルールとして説明でき、同じ作業が繰り返し発生している業務です。そのうえで処理件数が多く、すでにExcelや業務システムなどでデータを扱っており、例外対応がそれほど多くない場合には、削除、統合、標準化、自動化などを検討しやすいと考えられています。
ただし、発生頻度が高いという理由だけで改善対象に決める必要はありません。その業務が顧客へどのような価値を提供しているのか、ミスや事故を防ぐために必要な工程ではないかまで確認したうえで判断します。
- 自動化する前に業務を整理する必要がありますか?
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基本的には、先に業務を整理したほうがよいでしょう。不要な工程や担当者ごとに異なる手順をそのまま自動化すると、仕組みが複雑になり、変更や保守が難しくなるという可能性があります。
本記事では「やめる」「減らす」「まとめる」「任せる」を検討し、それでも人が繰り返している定型業務について自動化を考える流れを採用しています。J-Net21でも、RPAを導入する業務を選んだうえでプロセスを見直し、業務を定型化することの重要性が示されています。
- Excel業務はどこまで自動化できますか?
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Excelを使った業務では、関数による計算や入力補助に加えて、データの取り込み、整形、集計、Power Query、マクロ、外部ツールとの連携など、さまざまな自動化方法を検討できます。
ただし「Excelをどう自動化するか」を考える前に、「そもそもExcelへ入力する必要があるのか」を確認することが大切です。別システムにある情報をExcelへ転記し、さらに別のシステムへ転記しているのであれば、Excel操作を高速化するより、データの流れそのものを一本化したほうが大きな改善になる可能性があります。
- 小さい会社でも業務改善は必要ですか?
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少人数の会社では、一人が営業、請求、顧客対応、管理業務など複数の仕事を兼任していることがあり、月数時間の定型作業でも、その時間を減らせれば営業活動や顧客フォローなど別の仕事へ振り向けられます。
また、一人しか処理方法を知らない業務を整理しておけば、休暇や退職があった場合の影響も抑えやすくなるでしょう。小規模だから業務改善が不要なのではなく、小規模だからこそ一人の時間や一つの属人業務が会社全体へ与える影響が大きいという見方ができます。
今日から改善する一業務を決める
ここまで読んで「必要なのは分かったけれど、結局どの仕事を選べばよいのか」と迷う人もいるでしょう。実のところ、理解した内容を自社の一業務へ落とし込むところが、業務改善で最も止まりやすい場所です。
そこで、今日行った仕事の中から毎週または毎月繰り返している業務を一つ思い出し、次の7項目だけを埋めてみてください。最初から完璧な分析をする必要はなく、「改善候補として調べる価値があるか」を判断できれば十分です。
| 確認する項目 | 自社の業務について記入する内容 |
|---|---|
| 業務名と目的 | 何のために行っている仕事なのかを書きます |
| 担当者 | 誰が担当し、その人しかできない仕事になっていないかを確認します |
| 時間と回数 | 1回の所要時間と月間回数から、おおよその月間工数を計算します |
| 無駄の候補 | 二重入力、転記、待ち時間、重複確認、探す時間などがないか確認します |
| 改善方法 | やめる、減らす、まとめる、任せる、自動化のどれが使えそうか考えます |
| 効果と難易度 | 改善できた場合の効果と、変更に必要な費用や関係者の多さを比べます |
| 最初の一手 | 明日から試せる最も小さな変更を一つ決めます |
たとえば「受注内容をExcelから販売管理システムへ転記する」という業務を選び、月100件、1件5分、月500分かかっていると分かれば、すでに改善候補として検討する材料がそろい始めています。そのうえで「Excel入力そのものをやめられないか」「CSV取り込みへまとめられないか」と考えれば、次の行動が具体的になります。
一方で、調べた結果として「この工程は顧客との確認に必要であり、簡単には削れない」と分かることもあります。それでも無駄ではなく、改善しない理由を説明できるようになったことで、別の候補へ迷わず進めるからです。
業務改善は、大きな改革案を作った瞬間に始まるのではありません。これまで何となく続けていた一つの仕事について、「なぜ、この方法で行っているのだろう」と問い、数字と目的を確かめたところから動き始めます。
まとめ 中小企業の業務改善は一業務を選んで動く
中小企業が業務改善を何から始めるべきか迷ったとき、最初に必要なのは新しいシステムやAIではなく、現在の仕事を書き出し、時間、回数、担当者を確認したうえで、二重入力、転記、待ち時間、重複確認などを見つけることです。
その後は、一般的なECRSの考え方も参考にしながら、本記事では「やめる→減らす→まとめる→任せる→自動化」という実務向けの5段階で改善方法を考え、効果と難易度を見ながら対象を一つに絞ります。小さく試してBeforeとAfterを測り、効果を確認できた方法を標準化すれば、個人の工夫を会社の仕組みへ少しずつ変えていけるでしょう。
最初から会社全体を変える必要はありません。まず今日の仕事から一つを選び、「この仕事は今も、この方法で行う必要があるのか」と確かめ、明日試す小さな変更を一つ決めることが、業務改善を現実に動かす第一歩です。
参考資料
業務プロセスを可視化し、無駄や停滞を見つける基本的な考え方については、中小企業基盤整備機構J-Net21の業務プロセスの見直しによる生産性向上を参照できます。業務の標準化と属人化の見直しについては、J-Net21の業務の標準化はどのように進めたらよいでしょうかが参考になります。
ECRSの一般的な4視点については、中小企業基盤整備機構の人手不足の今こそ省力化に取り組もうで、Eliminate、Combine、Rearrange、Simplifyの考え方を確認できます。RPAを利用した自動化については、J-Net21のRPAツールを導入するが、対象業務の選定や業務プロセス見直しを考える際の参考になります。
中堅・中小企業におけるDXの考え方と進め方については、経済産業省の中堅・中小企業等向けDX推進の手引きを確認できます。生成AIへ個人データを入力する場合の本人同意や利用目的などの留意事項については、個人情報保護委員会の生成AIサービスの利用に関する注意喚起等についてが一次情報です。