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個人向け借入一覧表の作り方 住宅・車・教育・カードローンをまとめる記入テンプレート

住宅ローンはあと3,000万円くらい残っていて、車ローンは毎月4万円ほど、教育ローンもまだ返済中。ひとつずつ聞かれれば答えられても、「全部合わせるとあといくら残っていて、毎月いくら返しているのか」と聞かれた途端、自信がなくなることがあります。

毎月の返済が続けられていると、普段は大きな問題がないようにも感じるでしょう。それでも子どもの進学や自分たちの老後を考えたとき、「このまま返していけば大丈夫なのだろうか」と気になるのは、借入額が大きいからだけではありません。残高、金利、返済額、完済時期が金融機関ごとに分かれているため、今の負担がいつまで続き、いつ軽くなるのかを家計全体で見通しにくいことも、不安が残る一因になります。

個人の借入一覧表を作る目的は、大きな負債額を目の前に並べて自分を追い込むことではありません。住宅ローン、車ローン、教育ローン、カードローン、リボ払いなどを一つの表へ集め、まず「今どうなっているのか」を自分で確認できる状態にすることです。

この記事では、そのまま記入できる借入一覧表から始め、必要な資料、残高、金利、返済額、完済時期を順番に整理します。「ここまでで借入一覧表は完成」まで進めば初回作成は完了し、その後に定期更新の方法と返済が苦しくなった場合の確認事項を補足します。さらに後半では、一覧表を作り終えた人向けの応用として、繰上返済や貯蓄などの判断へ数字をどう使うのかを紹介します。

TABLE OF CONTENTS
目次

個人の借入一覧表テンプレート

借入一覧表を作りたい人にとって、最初に知りたいのは「結局どんな表を用意すればよいのか」ではないでしょうか。難しい金融計算から始める必要はなく、まず次の項目へ現在分かる数字を入力してください。

基準日:____年__月__日

借入先 借入種別 現在残高 適用金利 毎月返済額 今後12か月の返済予定額または見込額 残り期間 完済予定 完済時年齢
A銀行 住宅ローン 年月
B社 車ローン 年月
C金融機関 教育ローン 年月
D銀行 カードローン 年または未定 年月または未定
Eカード リボ払い %または手数料率 要確認 要確認 要確認
合計

一覧表では、できるだけ同じ基準日時点の残高をそろえることが大切です。住宅ローンだけ今月の残高、車ローンは半年前の残高という状態でも大まかな把握には使えますが、その合計を「現在の総残高」として見るなら、数字の時点はなるべく近づけたほうが意味が明確になります。

今後12か月の返済予定額は、基準日から先の12か月間に支払う予定額として統一します。1年以内に完済するローンなら完済までの予定返済額だけを合計し、カードローンやリボ払いのように今後の返済額が変わり得るものは、追加利用をしない前提で現在の残高と返済条件から見込額を記入すると比較しやすくなります。

ExcelやGoogleスプレッドシートへ貼り付ける場合

次のタブ区切り部分をコピーしてExcelやGoogleスプレッドシートへ貼り付ければ、項目名を一つずつ入力する手間を減らせます。

最初からすべての欄を埋める必要はありません。現在残高、適用金利、毎月返済額、完済予定の四つを確認し、分からないところには「要確認」と入力すれば、一覧表としての土台は作れます。

判断にも使うなら追加しておきたい項目

返済状況の変化や今後の見直しまで確認したい場合には、前回確認時残高、個別の確認日、金利タイプ、金利見直し条件、ボーナス返済額、引落日、引落口座、繰上返済条件なども加えておくと便利です。

追加項目 確認する理由
前回確認時残高 半年前や1年前より借入が減っているか確認する
個別確認日 基準日と異なる資料を使った場合に数字の時点を残す
金利タイプ 固定金利と変動金利を区別する
金利見直し条件 変動金利の返済額がどう変わるか確認する
ボーナス返済額 通常月だけでは見えない返済負担を把握する
引落日 口座残高不足を防ぐ
引落口座 複数口座に分かれた返済を整理する
繰上返済条件 最低金額や手数料などを確認する

この時点では、どの借入から返したほうがよいかまで決める必要はありません。まず事実だけを集めておくほうが、残高の大きさや金利の高さを見た瞬間の焦りだけで返済方針を決めにくくなります。

借入一覧表を作るメリット

複数のローンを返済していると、それぞれの支払いには少しずつ慣れていきます。住宅ローンは月11万円ほど、車ローンは4万円ほど、教育ローンも2万円弱というように個別の数字は覚えていても、それらを合計して「毎月いくら返しているのか」「何歳になると返済負担が減るのか」まで考える機会は多くありません。

一覧表へまとめると、総借入残高だけではなく毎月返済額、金利、完済時期まで一度に見えるようになります。借入を一つの大きな金額として受け止めるのではなく、現在の負担と残っている時間へ分けて考えられることが大きな変化です。

たとえば総借入残高が3,250万円と分かれば、その数字に重さを感じるかもしれません。それでも、車ローンは3年後に終わり、教育ローンも5年後に終わると確認できれば、現在の返済額がこの先ずっと続くわけではないことも同時に見えてきます。

日本FP協会も、現在の収支や資産と負債を整理したうえで、ライフイベント表やキャッシュフロー表によって将来を確認する方法を案内しています。借入一覧表も同じように、家計を採点するためではなく、頭の中で一つの重たい問題になっていた借入を確認できる数字へ分けるための道具として考えると使いやすくなります。

まず手元に用意する書類

一覧表へ記入する数字は、できるだけ記憶ではなく金融機関やカード会社の資料で確認します。「住宅ローンは1%くらいだった」「車ローンはあと100万円ほどだった気がする」という記憶は書き始めるきっかけにはなりますが、その数字のまま家計判断へ進むには不確かです。

住宅ローンなら返済予定表、償還予定表、残高証明書、金融機関のWebサービスなどを確認します。車ローンや教育ローンでは契約書や返済予定表、銀行や信販会社のWeb明細が主な確認先になります。

カードローンでは現在残高、適用金利、毎月返済額を確認し、リボ払いについても支払残高、手数料率、毎月支払額を一覧へ含めます。リボ払いとカードローンは同じ商品ではありませんが、家計から今後支払う負担を把握するという目的では、同じ一覧表の中で確認したほうが全体像をつかみやすくなります。

借入の種類 主な確認資料 主に確認する数字
住宅ローン 返済予定表 残高証明書 Web明細 残高 金利 返済額 完済予定
車ローン 契約書 返済予定表 Web明細 残高 金利 返済額 残り期間
教育ローン 契約書 返済予定表 各種通知 残高 金利 据置期間 返済額
カードローン 利用明細 Web画面 残高 金利 毎月返済額
リボ払い 利用明細 Web画面 支払残高 手数料率 毎月支払額

一つ資料が見つからなかったとしても、そこで作業を止める必要はありません。「残高は分かるが金利は要確認」と書けば、分からない部分まで可視化できるため、次に何を調べればよいかも明確になります。

借入残高を確認する

借入一覧表へ記載する残高は、原則として当初借りた金額ではなく現在残っている元金です。住宅ローンを最初に3,500万円借りていても、返済が進んで現在の元金残高が3,000万円なら、一覧表へ書く現在残高は3,000万円になります。

通帳から毎月11万円引き落とされているからといって、元金が毎月11万円ずつ減っているわけではありません。一般的なローンでは毎月返済額の中に元金と利息が含まれるため、正確な残高は返済予定表や金融機関のWeb画面などで確認します。

また、「現在残高」と「これから支払う総額」も区別しておきます。現在の元金が3,000万円であっても、完済までには今後発生する利息が加わるため、残存総返済額は通常それより大きくなります。

残高を初めて合計すると、想像していたより大きな数字になることもあります。ただし、その数字は家計の評価ではなく現在地です。現在地が分かって初めて、今の返済を続ける場合と返済方法を変える場合を比べられるようになります。

前回残高との比較も残す

カードローンやリボ払いがある場合は、前回確認した残高も残しておくと返済の進み方が分かります。

たとえば半年前も現在も残高80万円だった場合、毎月返済していても、途中で追加利用したために元金が減っていない可能性があります。本人には毎月支払っている実感があるため「返済は進んでいるはず」と思いやすいものの、残高を比較すると違う状態が見えることがあります。

返済日に支払えていることと、借入残高が実際に減っていることは同じではありません。半年後や1年後にも同じ一覧表を使えば、返済している感覚ではなく、残高の変化によって状況を確認できます。

金利を確認する

次に確認するのが、現在実際に適用されている金利です。住宅ローンだから低金利、カードローンだから高金利という商品名の印象だけではなく、自分の契約へ適用されている年率を入力します。

固定金利なら現在の固定条件を確認し、変動金利なら現在適用されている金利を書きます。基準金利や優遇幅が確認できる場合には、それらも補足しておくと将来の見直しで役立ちます。

変動金利の将来水準は確定していません。そのため一覧表には現在金利という事実を書き、将来シミュレーションでは「現在より0.5ポイント上がった場合」「1.0ポイント上がった場合」のように複数の仮定を置いて考えます。ただし、金利が変わったときに毎月返済額をいつ、どの程度見直すかは契約によって異なるため、5年ルールや返済額の上限など、自分のローンの見直し条件も確認してください。

たとえば三菱UFJ銀行では、対象となる変動金利かつ元利均等返済について5年ルールと125%ルールを案内している一方、元金均等返済には同じ仕組みを適用していません。これは一例であり、変動金利の住宅ローンならすべて同じ条件で返済額が動くという意味ではありません。

毎月返済額と今後12か月の返済予定額を整理する

複数の借入がある家計では、一件ずつの返済額だけでなく合計を見る必要があります。給与が入った直後には余裕があるように感じても、住宅ローン、車ローン、教育ローン、カードの支払いが順番に引き落とされると、月末には思っていたほど残っていないことがあります。

そこで毎月返済額を合計するとともに、基準日から今後12か月に支払う予定額も確認します。ボーナス返済がある場合はその金額も含め、1年以内に完済するローンなら完済月までに支払う予定額だけを合計してください。

カードローンやリボ払いのように返済額が変動するものについては、追加利用をしないという前提で、現在の残高と返済条件をもとに今後12か月の見込額を記入します。日本クレジット協会も、リボ払いでは支払残高などによって支払期間や負担が変化することを案内しています。

家計全体で返済負担を見る場合には、次の割合も参考になります。

今後12か月の返済予定額 ÷ 同じ12か月間の手取り収入見込額

これも金融機関が住宅ローン審査などで使用する返済負担率と同じ定義とは限りません。また、一定割合を超えたから危険、下回ったから安全と一律に判定する数字でもなく、同じ期間の収入と返済額をそろえて家計負担を見るための参考値です。

残りの返済期間と完済年齢を確認する

残高だけを見ていると、借入は一つの大きな塊のように感じられます。そこで残り期間と完済年齢まで記載すると、その負担を時間に分けて見ることができます。

現在40歳で住宅ローンが残り25年なら、予定どおり返済した場合は65歳前後で完済します。車ローンが残り3年なら43歳、教育ローンが残り5年なら45歳です。

この数字を見ると、「現在は三つの返済が重なっているが、3年後には一つ減る」という変化が分かります。ただし、車ローンが終わるころに子どもの進学費用が増える場合や、住宅ローンが65歳まで残る場合には、ローンの完済だけで将来の余裕を判断することはできません。

完済年齢を見る目的は、将来への不安を増やすことではありません。今の負担に終わりがあることと、その時期に教育費や収入変化など別の要因が重ならないかを確認するためです。

ここまでで借入一覧表は完成

基準日を決めたうえで、現在残高、適用金利、毎月返済額、今後12か月の返済予定額または見込額、残り期間、完済予定、完済時年齢まで一つの表へ並べられれば、個人の借入一覧表として必要な情報はほぼそろっています。

残存利息や平均金利をまだ計算していなくても、「一覧表が完成していない」ということではありません。どこからいくら借りていて、毎月いくら返し、今後1年間にどの程度の返済があり、いつ終了するのかを一枚で確認できれば、初回の借入一覧表作成は完了です。

ここで大切なのは、「表が完成したのだから今すぐ何か返さなければ」と考えないことです。まず現在地を把握できたこと自体に意味があり、その後に同じ返済を続けるのか、見直すのかを考えれば十分です。

借入一覧表を定期的に更新する

一覧表は一度完成させたら終わりではなく、半年後や1年後など自分で決めた時期に、新しい基準日を設定して同じ項目を更新すると返済の変化を確認できます。

以前3,250万円だった総残高がいくら減ったのか、毎月返済額が変わったのか、カードローンやリボ払いの残高が増えていないかを比べてみてください。同じ基準で数字を残しておけば、返済が進んでいるのか、追加借入によって足踏みしているのかも見つけやすくなります。

更新の目的は家計へ点数を付けることではありません。以前と比べて何が変わったのかを確認し、現在の返済方法を続けるのか、見直す必要があるのかを考えるためです。

返済が苦しくなっている場合に確認したいこと

一覧表を作った結果、毎月返済しているにもかかわらず残高が減っていないことや、別の借入で生活費を補っていることに気づく場合があります。

その場合は、繰上返済先を比較する前に現在の資金繰りを確認してください。別の借入で既存の返済を続けている状態では、今月の支払いを乗り切れても、翌月以降には新しい返済が増えて負担が大きくなる可能性があります。

毎月どうにか支払えていると、「まだ相談するほどではない」と考えることもあるでしょう。しかし返済原資が通常の収入から新しい借入へ移り始めているなら、状況が深くなる前に相談先を確認する意味があります。

金融庁では、多重債務について財務局の相談窓口に加え、法テラス、日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会などを相談先として案内しています。

ここから先は一覧表を作り終えた人向けの応用

ここからは借入一覧表そのものを完成させるための必須作業ではありません。「表を作ったあと、その数字を返済方針へどう使えばよいのかも知りたい」という人向けの応用です。

一覧表の作成だけが目的なら、ここまでの表を保存して定期的に更新するだけでも構いません。以下では、残存利息、平均金利、手元資金、繰上返済などを使って、一覧表を家計判断へ発展させる方法を紹介します。

残存利息を確認する

残高、金利、返済額、残り期間が分かれば、現在の条件が続いた場合の残存利息や残存総返済額を試算できます。

住宅金融支援機構では、一部繰上返済について、毎月返済額を維持して返済期間を短縮する方法と、返済期間を維持して毎月返済額を軽減する方法を案内しています。カードローンなどについては、日本貸金業協会の返済シミュレーションを利用する方法もあります。

ただし、シミュレーションは未来を一円単位で確定するものではありません。現在条件を続けた場合と、条件を変更した場合の違いを見るための目安として使います。

残高加重平均金利を確認する

複数の借入を家計全体で見る場合には、残高加重平均金利を計算する方法があります。

残高加重平均金利 = 各借入の残高×金利の合計 ÷ 総借入残高

住宅ローン3,000万円が年1.0%、車ローン150万円が年4.0%、教育ローン100万円が年2.5%なら、残高加重平均金利は約1.18%です。

ただし、平均約1.18%だからすべての借入が低金利という意味ではありません。残高の小さい年4.0%の車ローンは平均値の中では目立ちにくいため、平均値と個別の金利は分けて確認します。

純資産と手元現金を分ける

繰上返済を考える場合には、借入だけでなく手元資金も確認します。日本FP協会は、資産から負債を差し引いて純資産を確認する家計のバランスシートを案内しています。

ただし、純資産が十分にあることと、すぐ使える現金が十分にあることは同じではありません。自宅に資産価値があっても、その価値を翌月の生活費や入学金としてすぐ使えるわけではないからです。

借金を減らすことにも意味があり、手元現金を残すことにも意味があります。どちらか一つを無条件に優先するのではなく、自分の家計で今どちらが不足しているのかを考えることが重要です。

活用例 住宅ローン3000万円と車ローン150万円と教育ローン100万円

ここからは、世帯主40歳、手取り月収45万円、賞与などを含む手取り年収650万円の架空世帯を使います。

住宅ローンは残高3,000万円、年1.0%、元利均等返済、全期間固定金利、残り25年です。車ローンは残高150万円、年4.0%、残り3年、教育ローンは残高100万円、年2.5%、残り5年とします。

ローン 現在残高 金利 残り期間 毎月返済額 残存利息 完済時年齢
住宅ローン 30,000,000円 1.0% 300か月 約113,062円 約3,918,521円 65歳
車ローン 1,500,000円 4.0% 36か月 約44,286円 約94,295円 43歳
教育ローン 1,000,000円 2.5% 60か月 約17,747円 約64,842円 45歳
合計 32,500,000円 残高加重平均約1.18% 約175,095円 約4,077,658円

数値は比較のための理論値であり、実際には金融機関の端数処理や返済日などによって差が生じる場合があります。

この世帯の毎月返済額は約17万5,095円です。いずれのローンも今後12か月以内には完済しないため、このモデルでは今後12か月の予定返済額は約210万1,141円となり、同じ12か月の手取り収入を650万円と仮定すると、その割合は約32.3%になります。

一覧表を作る前には「3,000万円を超える借入がある」という一つの大きな問題に見えていても、車ローンは3年後、教育ローンは5年後に終わると分かれば、現在の負担が変化する時期も見えてきます。

返済方法を比べる前に安全性を確認する

余裕資金が100万円あったとしても、すぐ繰上返済へ回す必要はありません。先に確認したいのは、その100万円を使ったあとでも教育費、住宅修繕、急な収入減少などへ新しい借入を利用せず対応できるかという点です。

借入が一つ減れば心理的な負担も軽くなりやすいため、「返せるなら返したほうが安心」と考えたくなることがあります。しかし、返済した直後に現金が不足すれば、その安心が今度は資金不足への不安へ変わる可能性があります。

まず生活を維持するために必要な現金を確保し、その範囲で何を改善したいのかを考えるという順番が重要です。

100万円を使った場合の目的別比較

ここでは同じ100万円を使った場合の違いを見ますが、どのローンへ返すべきかを決める順位表ではありません。

車ローンでは返済期間を維持して月額を下げる仮定を置き、住宅ローンでは返済額軽減型と期間短縮型という異なる方法を比較しています。つまり、借入先だけでなく繰上返済後の返済方法も異なるため、利息削減額だけを並べて返済順位を決めることはできません。

この比較では「100万円を使うと何を改善できるのか」を見ることに重点を置きます。

100万円の使い方 毎月返済総額 毎月の変化 残存利息総額 利息削減額 主に改善するもの
現状維持 約175,095円 0円 約4,077,658円 0円 現在条件を維持
車ローンへ100万円 約145,571円 約29,524円減 約4,014,795円 約62,863円 月額負担
教育ローンを完済 約157,348円 約17,747円減 約4,012,816円 約64,842円 月額負担と借入件数
住宅ローン返済額軽減型 約171,326円 約3,769円減 約3,947,041円 約130,617円 月額負担と住宅ローン元金
住宅ローン期間短縮型 約175,095円 原則変化なし 約3,799,000円前後 約278,000円 利息と完済時期
100万円を手元に残す 約175,095円 変化なし 約4,077,658円 0円 手元流動性

各繰上返済は、想定した方法で返済額の再計算や期間短縮が可能というモデルであり、実際の契約条件や手数料、経過利息によって結果が異なる可能性があります。また、表の利息削減額はローン利息だけを比較したもので、住宅ローン控除への影響や、月額負担が減った後の資金を別の借入返済へ回した場合の効果は含めていません。

この表から選ぶべき「一位」はありません。毎月の返済を減らしたいなら車ローンへの充当が大きく効くモデルになり、借入件数を減らしたいなら教育ローン完済が分かりやすく、完済時期やローン利息を重視するなら住宅ローン期間短縮型が候補になります。

一方で、手元現金が少ないことへの不安が大きい世帯なら、100万円を残すことにも意味があります。借入先の順位を決めるより、今の家計で何を改善したいのかを先に考えるための比較として使ってください。

住宅ローンの借り換えは別の改善策として考える

住宅ローンの借り換えは、100万円をどこへ使うかという比較とは別の改善策です。

仮に住宅ローン残高3,000万円、残り25年を年1.0%から年0.5%へ借り換えられたとすると、単純モデルでは住宅ローンの毎月返済額が約113,062円から約106,401円になります。家計全体では約168,434円となり、現在より月約6,661円軽くなる計算です。

ただし、実際の借り換えでは融資手数料や登記関連費用などが発生する可能性があり、希望する金利で借りられるかどうかも審査や商品条件によって変わります。

借り換えを検討するときは、金利差だけではなく諸費用を差し引いた実質的な改善額を見る必要があります。住宅ローン控除を利用している場合は、一定の要件を満たせば借り換え後も控除を継続できますが、借り換えによって控除期間そのものが延長されるわけではありません。具体的な取扱いは国税庁で確認できます。

教育費と借入返済は重なる時期を見る

借入総額と教育費総額を並べるだけでは、家計が本当に苦しくなる時期までは分かりません。

車ローンが3年後に終わっても、そのころに子どもの進学費用が増えれば、家計全体の支出はあまり減らない可能性があります。反対に、教育費のピークより前に車ローンが終了するなら、それまで返済へ使っていたお金を教育資金へ回すこともできます。

一覧表の完済予定の横へ、子どもの進学、車の買い替え、住宅修繕、退職予定などを書き加えると、「全部でいくら必要か」だけでなく、「いつ負担が重なるのか」を確認しやすくなります。

住宅ローンの繰上返済で確認したいこと

住宅ローンの一部繰上返済には、返済額を維持して期間を短縮する方法と、返済期間を維持して返済額を軽減する方法があります。住宅金融支援機構も個人住宅融資について、この二つの方法を案内しています。

住宅ローン控除を利用している場合には、償還期間の要件にも注意が必要です。国税庁では、繰上返済によって期間が短縮された場合の10年以上という要件について、単純な「繰上返済時点からの残り期間」ではなく、最初の償還月から短縮後の最終償還月までの期間で判断する扱いを示しています。

繰上返済ではローン利息だけを見ず、税制への影響や手元資金がどの程度残るかも含めて確認します。

借入一覧表を作ったあと、「教育費を考えると現金を残したほうがよいのか」「繰上返済したほうがよいのか」と迷う場合には、FPへ相談する方法があります。

日本FP協会では、家計管理、教育資金、住宅資金、老後の生活設計などをFPへの相談分野として案内しています。FPへ相談する場合も、唯一の正解を決めてもらうというより、「月々の負担を減らしたい」「教育費として現金を残したい」といった希望を伝え、条件や選択肢を整理する場として考えるとよいでしょう。

一方、すでに返済が滞っている場合や、債権者との交渉、任意整理など法律上の対応を検討する場合には、弁護士や業務範囲内の認定司法書士など適切な法律専門家へ相談します。

借入一覧表のよくある質問

借入一覧表には何を書けばいい

最低限、借入先、借入種別、現在残高、適用金利、毎月返済額、残り期間、完済予定を書けば一覧表として使えます。基準日を決め、今後12か月の返済予定額または見込額と完済時年齢まで加えると、家計全体の負担と時間がさらに見やすくなります。

残高はいつ時点の数字を使えばいい

一覧表全体の基準日を決め、できるだけその日付に近い残高を使います。資料の発行日が異なる場合には個別確認日も残しておくと、総残高がどの時点の数字から作られているか後から確認できます。

今後12か月の返済予定額はどう計算する

基準日から先の12か月に支払う予定額を合計します。1年以内に完済するローンなら完済までの金額だけを含め、カードローンやリボ払いでは追加利用をしない前提で現在条件による見込額を使います。

リボ払いも借入一覧表に含めるべきか

家計管理が目的なら、支払残高があるリボ払いも一覧へ含めたほうが実際の負担を把握しやすくなります。ただし、追加利用などによって支払額が変わる場合には、今後12か月の額を確定額ではなく現在条件による見込額として扱います。

変動金利は何パーセントで計算する

現在の一覧表には、現時点で実際に適用されている金利を書きます。将来については現在より0.5ポイント上昇、1.0ポイント上昇など複数条件で試算できますが、返済額が変わる時期や計算方法は契約によって異なるため、自分の契約条件も確認してください。

繰上返済と貯金はどちらを優先する

まず、繰上返済後にも近い将来必要になる現金や急な支出へ対応できる資金が残るかを確認します。そのうえで、利息を減らしたいのか、月額負担を軽くしたいのか、完済時期を早めたいのかによって比較するため、一律にどちらが正解とは決められません。

複数ローンは金利が高い順に返せばいい

金利は重要な判断材料ですが、それだけで返済順位を決める必要はありません。契約条件、残り期間、繰上返済後の返済方法、手元資金への影響まで確認し、何を改善したいのかによって選択します。

今回の100万円比較も返済方法の異なるモデルなので、利息削減額だけを使って「このローンを先に返すべき」と結論づけるためのものではありません。

返済がすでに苦しい場合はFPに相談すればいい

家計の整理や今後の資金計画であればFPへ相談できます。一方、すでに滞納している場合や債権者との交渉、法的な債務整理を検討している場合には、弁護士や業務範囲内の認定司法書士など法律専門家への相談が必要になる可能性があります。

借入一覧表で漠然とした不安を確認できる数字へ変える

借入一覧表を作る前は、住宅ローン、車ローン、教育ローンがまとめて一つの大きな負担に見えていたかもしれません。

一覧化すると、基準日時点の現在残高だけではなく金利、毎月返済額、今後12か月の返済予定額、完済時期がつながります。すると「借金がいろいろ残っている」という曖昧な状態から、「総残高はいくらで、これから1年間にいくら返し、何年後にどの返済が終わるのか」を説明できる状態へ変わります。

数字を確認した瞬間に不安がなくなるわけではありません。それでも、何が分からないのかさえ分からなかった状態から、次に確認することが分かる状態へ移ることには意味があります。

借入一覧表の目的は、できるだけ早く借金をゼロにすることだけではありません。まず自分が抱えている借入を同じ時間軸で正確に知り、現在の暮らしを守りながら、これから何を考える必要があるのか判断できるようにすることです。

まとめ

個人の借入一覧表では、まず基準日を決めたうえで、借入先、借入種別、現在残高、適用金利、毎月返済額、今後12か月の返済予定額または見込額、残り期間、完済予定、完済時年齢を一つの表へまとめます。

現在残高はできるだけ同じ基準日時点にそろえ、今後12か月の返済額も同じ期間で統一します。分からない項目は「要確認」のままでも構わず、初回作成後は新しい基準日を設定して定期的に更新すれば、返済の進み方も確認できます。

残存利息、残高加重平均金利、純資産、繰上返済の比較などは、一覧表を作り終えたあとに必要に応じて行う応用です。最初から返済方針まで決めようとせず、まず自分の借入を同じ基準で一枚の表へ集めるところから始めてください。

参考資料

住宅金融支援機構 繰上返済 個人住宅融資の場合

国税庁 繰上返済等をした場合の償還期間

国税庁 住宅ローン等の借換えをしたとき

三菱UFJ銀行 住宅ローンの5年ルールと125%ルール

日本貸金業協会 返済シミュレーション

日本クレジット協会 リボ払いの特徴と利用上の注意

日本FP協会 便利ツールで家計をチェック

日本FP協会 FPに相談する

金融庁 多重債務についての相談窓口

法務省 司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定

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