「本気で家計を変えたいあなたへ 第2版」を読んみて

滝に打たれる修業僧のように

家計をよくするためには、とりあえず目先の小さな出費を削ったり、延々と家計簿をつけ続けたり、そんな苦業のようなことをしなければ家計はよくならないと考えている人もいるかもしれません。

でも仮にそんなことをして家計がよくなっても人生楽しくないですし、苦痛だけの節約をしたけど途中で挫折してもとの苦しい家計ヘ戻ってしまったという人もいるでしょう。

「本気で家計を変えたいあなたへ〈第2版〉 書き込む"お金のワークブック"」著者名: 前野 彩 (日本経済出版社)

でもこの本では本に記入しながら自己の現状などを把握することができ、またお金に関するいろんな情報を学びながら、無理のないがんばりで見直しや家計管理ができるようになっています。

基本的なお金の貯め方について、テーマごとのとても解りやすい説明されており、記入シートに書き込んでいくことで、現状の家計の状態把握から自分の老後資金のことまで大まかなイメージができるように工夫されています。

もちろんある程度の努力は必要ですが、効果的に家計を見直すことで、やりたかった事ができたり、今まで余裕のなかった生活にゆとりができたりします。

支出を抑え、収入を増やしながら、お金を貯めるために、書いてあることを実践していけばがんばらなくても続く「しくみ」をづくりができる構成となっています。

そもそもお金に関することは、学校においても社会に出てからも学ぶ機会がなく、ほとんどの人は自己流の管理となっています。ですのでどの年代の方でも一度この本に書いてあることを実践してみる価値はあると思います。

最初から正しい知識を持って人生設計することが一番効果はありますので、これから社会に出ていく学生の人たちにもまずこの本でお金に関する基本的な知識・考え方を学んでみてもいいかもしれませんね。

この本のワークをしっかりとやればそれで十分家計の状態が良くなることもあるでしょうし、仮にFP(ファイナンシャル・プランナー)等の専門家の助言が必要な場合が生じても、この本のワークを行っていれば、現状把握といろいろな情報や知識が得られているのでスムーズに相談が進んでくれると思います。

また、FP(ファイナンシャル・プランナー)資格をこれから取ろうとしている人や取得して間もない人には、資格の勉強では十分には学べない家計の見直しについての流れを学べるため、ぜひ読んで欲しい一冊ですね。

初版をすでに持っている人も、第2版ではセルフメディケーション税制や源泉徴収票の書式の変更等の最新の情報も加えながら内容を大幅に更新されているため、初版を買った方でも再度購入してみてもよい内容となっています。

全体としては、社会保障制度や民間の保険の解説など、基本事項の解説もよくまとまっていて、解説を読んでいけば制度や金融商品を学ぶことができます。図表やグラフも多く、視覚的にも理解しやすくなっていて理解と実践がしやすい内容で、タイトルのとおり本気で家計を変えたい人のため本でした。

※本を購入しただけではどうしてもどう書いていいか分からない人のためには、著者のHPに動画も用意されています。

http://www.fp-will.jp/douga.php

またざっくりと老後資金について計算をしてみたい人には、iOSのみの対応となっていますが、老後資金の積立額が分かる無料の計算アプリも用意されています。

http://www.fp-will.jp/application.php

2016年12月7日大阪で開かれた「本気で家計を変えたいあなたへ」第2版出版記念セミナーに参加。その時の著者の前野彩さんとの記念写真