経済コラムニスト大江英樹さんのご著書の『1000円からはじめる! お金の増やし方』(宝島社)を読んでの感想をまとめてみました。
表紙に日本一やさしい投資信託の教科書と書かれているとおり、これから投資を始めようと考えている方向けの内容で、少額からでもできる投資信託について簡単にわかりやすくまとめられていました。
感想
これから投資を始めようと思っている方は、私も始める前はそうでしたが、お金が増えてくれるかもという期待もあると同時に、大きな損をしてしまうのではないかという不安があります。また、投資に対してなんとなくマイナスイメージを持っていたりされている方もいらっしゃると思います。
投資に限らず何事でも最初に感じる期待や不安などは感じますが、実際やってみて慣れてくればバラ色な事ばかりではないですが、適切な行動をとっていれば大きな失敗は避けられると分かってくれば、そうした期待や不安といったものはなくなってきます。
投資においても本書で書かれている投資信託による、「積み立て投資」、「長期投資」、「分散投資」を少額からでいいので始めてみて、目先の上げ下げに一喜一憂しながらでもいいのでまずは経験してみてリスク管理ができるようになってくれば、投資に対する過度な期待や不安はなくなってくるでしょう。
実際、少額の積み立て投資を始めて最初のうちに出る評価損は、実際の生活で出る無駄になった出費の額ほうが大きかったりするので、いい気持ちには当然なれないですが、そんなに気落ちすることもありませんし、何度か評価益が出たり評価損が出たりするのを経験するとだんだん見慣れてきて、始める前にあった過度な期待や不安がなくなってくるので、始める前には投資に対してよいイメージを持っていなかった方でも投資が資産形成の一つの手段として冷静に見れるようになってくるのではないかと思います。
その上である程度慣れてきたという方は、先日のブログ記事で紹介した『投資の鉄人』その他書籍やセミナーなどで投資についてさらにもっと学んでいけば、投資金額を除々に増やしてみてもいいと思いますし、さらにいろいろ勉強してアクティブファンドや個別銘柄など他の投資対象にも挑戦してみてもいいでしょう。
本書の第1章にも書かれているとおり、今までは国や企業が用意してくれている保障に頼っていてもよかったですが、国からの保障や企業の手助けだけを頼りにしては生きていけなくなる可能性が高いと思います。また、インフレになったときのことを考えると、将来のための資産形成は預貯金だけに片寄らずインフレに強い投資も含めて、ある程度は自助努力で資産形成していく必要がありますので、まだ投資未経験の方はまずは本書を読まれてみて、今から少しずつ投資信託で投資を始めてみられてはいかがでしょうか。
まとめ
投資信託による積み立て投資は、最初に口座開設の手間はかかりますが、一度はじめるとあとは自動的に積み立てられていき、後はときどきチェックしていればいいので、日常は仕事が忙しい方でもできる資産形成方法です。リスクがあるといっても最初のうちは少額で始めれば、積立額が小さいうちは大きな損失が出ることはありませんので、まず半分勉強のためというくらいの気持ちで気軽に始めてみられるといいと思います。
また、FPの方には初心者向けの内容なので、難しい内容ではないと思いますが、大江さんの本はどれもとても簡潔な文章で分かりやすくまとめられているので、本書についても一般の方に投資信託のことなどを説明する際にとても参考になる内容だと感じました。